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24)チーム決め
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「じゃあ皆僕たちがそれぞれのチームのリーダーになることについて何か意見はあるかな?」
「「「ありませーん」」」
「うん。ありがとう。次はリーダーがどのチームに入るかなんだけど、それは君たちの意見も聞いてみたいな」
このまま殿下の意見でまとまっていくと思ったがそうではないらしい。それにしても本当に一つのチームのリーダーが僕でいいのだろうか。皆、殿下の言葉だからって本音を抑えているのではないだろうかと考えてしまう。
「では、私から」
「うん。じゃあ君の意見を聞かせてくれ。サテラ嬢」
殿下の言葉に一番早く反応を示したのは殿下の婚約者であるサテラ嬢だった。手を挙げるだけの仕草だというのに「美しい」と思ってしまう。彼女の所作は一つ一つが丁寧で、貴族の教育というものがよく行き届いているなと感心した。
「私、殿下が「謎解きチーム」、レナート様が「食料調達チーム」、フィオーレ様が「拠点作りチーム」が良いと思いますわ」
「うんうん、その理由は?」
「殿下は公務の中で”囁きの森”の調査に行ったことがありますよね?3人の中で一番この地の理解があるのは殿下であり、大人数を仕切るのに慣れているため殿下は「謎解きチーム」が向いていると思いますわ。
次にレナート様は普段から騎士団で鍛錬されていますわよね?私、騎士団の公務の一つに魔獣討伐があることを知っていますわ。もちろんその討伐にレナート様が共に参加していることも。一番魔物との戦闘経験のあるレナート様が「食料調達チーム」のリーダーであれば心強いですわ」
さすが殿下とレナート様の幼馴染だ。よくお二人のことを理解している。まあ、僕はあまりに弱いので「拠点作りチーム」に選ばれたのだろう。正直安心しているんだ。もし「謎解きチーム」であれば他のクラスと競い合わなければならない。僕にとっては荷が重すぎる。「食料調達チーム」だってそうだ。僕は植物の種類については強いが魔物との戦闘はあまり強くない。できてもせいぜい小型魔物数匹くらいだ。
「最後にフィオーレ様を「拠点作りチーム」に選んだのにはきちんと理由がありますわ。拠点作りにはチームに有利な場所を見極め、適した拠点を作ってくれると思いましたわ。正直、フィオーレ様以外に「拠点作りチーム」は任せられませんわ」
「…僕以外に任せられない?」
サテラ嬢の言っている意味がわからず困惑する。殿下とレナート様のほうを見ると、殿下はいつも通りニコニコしているがレナート様が気まずそうに目をそらした。きっと何かあるのだろう。
「確か、「拠点作りチーム」には私達が2泊3日森の中で生活する上で衣食住の管理をしていただくはずですわ。殿下は昔からそうですが、味覚が死んでいるので私達の食事を用意していただくにはリスクがあるのです。3日間味の無い食事を続けるなんて私は耐えられませんわ」
あの殿下がボロクソ言われている。チラリと殿下の方を見てみるが、表情は一切変わっていない。クラスメイト達も殿下の意外な一面に驚いているようだ。僕も殿下は完璧だと思っていたから珍しい一面に驚く。
言い終わったと思ったがサテラ嬢は止まらない。
「次はレナート様ですが…本人が一番よくわかっているようですわね」
「うう…」
(レナート様のこんな情けない声初めて聞いた)
「彼は騎士団に在籍していて野営にも慣れています。で・す・が、それ故どんなところでも眠りにつけるという芸当を持っています。彼に拠点を任せると私達は地面に並んで寝ることになりますわ。それも2日。女性の皆様、耐えられますか?」
「無理ですわ」
「で、できれば床では寝たくありませんわ…」
「ですよね。その点、フィオーレ様は信用できますわ。昨日初めて彼もことをしっかりと見ましたが、彼は周りをよく見てその人の能力を上手く扱うことができる…と昨日の時点で私は思いましたわ。それに彼は土属性で安全な拠点を築いてくださるはずです。料理に関してはきっと彼自身ができなくてもできる人材を見極めてくださると信じていますわ」
僕への期待が大きすぎる。それよりも殿下達への拠点を任せるにあたっての信頼が低すぎるのだろうか。どちらにせよ僕は彼らに満足してもらえるような拠点と食事を提供しなければいけない。かなりプレッシャーだ。
「こほん。私もリーダーのチーム分けはそれで問題ないと思うよ。ところどころ私とレナートへの批判が多かったけどね」
「事実ですわ」
(この二人ってこのくらいの距離感なんだ…)
意外とズバズバと意見を言うサテラ嬢と殿下の間にはきっと目に見えない信頼があるんだろう。このくらい意見を言い合える相手であれば将来良きパートナーになれるだろう。
「私もサテラ嬢の意見に賛成ですわ!フィオーレ様の料理をいただいたことがありますが、とても美味しかったのを覚えていますわ。屋外キャンプの時もきっと私達を支えてくださると思いますわ」
「ルーナ嬢が言うなら間違いない!」
「書記がフィオーレ様で本当に良かったですわ…」
キラキラした瞳でルーナ嬢は僕のことを称賛する。確かに中等部の時ルーナ嬢に手料理を振る舞ったことがある。なぜかって?
「「「ありませーん」」」
「うん。ありがとう。次はリーダーがどのチームに入るかなんだけど、それは君たちの意見も聞いてみたいな」
このまま殿下の意見でまとまっていくと思ったがそうではないらしい。それにしても本当に一つのチームのリーダーが僕でいいのだろうか。皆、殿下の言葉だからって本音を抑えているのではないだろうかと考えてしまう。
「では、私から」
「うん。じゃあ君の意見を聞かせてくれ。サテラ嬢」
殿下の言葉に一番早く反応を示したのは殿下の婚約者であるサテラ嬢だった。手を挙げるだけの仕草だというのに「美しい」と思ってしまう。彼女の所作は一つ一つが丁寧で、貴族の教育というものがよく行き届いているなと感心した。
「私、殿下が「謎解きチーム」、レナート様が「食料調達チーム」、フィオーレ様が「拠点作りチーム」が良いと思いますわ」
「うんうん、その理由は?」
「殿下は公務の中で”囁きの森”の調査に行ったことがありますよね?3人の中で一番この地の理解があるのは殿下であり、大人数を仕切るのに慣れているため殿下は「謎解きチーム」が向いていると思いますわ。
次にレナート様は普段から騎士団で鍛錬されていますわよね?私、騎士団の公務の一つに魔獣討伐があることを知っていますわ。もちろんその討伐にレナート様が共に参加していることも。一番魔物との戦闘経験のあるレナート様が「食料調達チーム」のリーダーであれば心強いですわ」
さすが殿下とレナート様の幼馴染だ。よくお二人のことを理解している。まあ、僕はあまりに弱いので「拠点作りチーム」に選ばれたのだろう。正直安心しているんだ。もし「謎解きチーム」であれば他のクラスと競い合わなければならない。僕にとっては荷が重すぎる。「食料調達チーム」だってそうだ。僕は植物の種類については強いが魔物との戦闘はあまり強くない。できてもせいぜい小型魔物数匹くらいだ。
「最後にフィオーレ様を「拠点作りチーム」に選んだのにはきちんと理由がありますわ。拠点作りにはチームに有利な場所を見極め、適した拠点を作ってくれると思いましたわ。正直、フィオーレ様以外に「拠点作りチーム」は任せられませんわ」
「…僕以外に任せられない?」
サテラ嬢の言っている意味がわからず困惑する。殿下とレナート様のほうを見ると、殿下はいつも通りニコニコしているがレナート様が気まずそうに目をそらした。きっと何かあるのだろう。
「確か、「拠点作りチーム」には私達が2泊3日森の中で生活する上で衣食住の管理をしていただくはずですわ。殿下は昔からそうですが、味覚が死んでいるので私達の食事を用意していただくにはリスクがあるのです。3日間味の無い食事を続けるなんて私は耐えられませんわ」
あの殿下がボロクソ言われている。チラリと殿下の方を見てみるが、表情は一切変わっていない。クラスメイト達も殿下の意外な一面に驚いているようだ。僕も殿下は完璧だと思っていたから珍しい一面に驚く。
言い終わったと思ったがサテラ嬢は止まらない。
「次はレナート様ですが…本人が一番よくわかっているようですわね」
「うう…」
(レナート様のこんな情けない声初めて聞いた)
「彼は騎士団に在籍していて野営にも慣れています。で・す・が、それ故どんなところでも眠りにつけるという芸当を持っています。彼に拠点を任せると私達は地面に並んで寝ることになりますわ。それも2日。女性の皆様、耐えられますか?」
「無理ですわ」
「で、できれば床では寝たくありませんわ…」
「ですよね。その点、フィオーレ様は信用できますわ。昨日初めて彼もことをしっかりと見ましたが、彼は周りをよく見てその人の能力を上手く扱うことができる…と昨日の時点で私は思いましたわ。それに彼は土属性で安全な拠点を築いてくださるはずです。料理に関してはきっと彼自身ができなくてもできる人材を見極めてくださると信じていますわ」
僕への期待が大きすぎる。それよりも殿下達への拠点を任せるにあたっての信頼が低すぎるのだろうか。どちらにせよ僕は彼らに満足してもらえるような拠点と食事を提供しなければいけない。かなりプレッシャーだ。
「こほん。私もリーダーのチーム分けはそれで問題ないと思うよ。ところどころ私とレナートへの批判が多かったけどね」
「事実ですわ」
(この二人ってこのくらいの距離感なんだ…)
意外とズバズバと意見を言うサテラ嬢と殿下の間にはきっと目に見えない信頼があるんだろう。このくらい意見を言い合える相手であれば将来良きパートナーになれるだろう。
「私もサテラ嬢の意見に賛成ですわ!フィオーレ様の料理をいただいたことがありますが、とても美味しかったのを覚えていますわ。屋外キャンプの時もきっと私達を支えてくださると思いますわ」
「ルーナ嬢が言うなら間違いない!」
「書記がフィオーレ様で本当に良かったですわ…」
キラキラした瞳でルーナ嬢は僕のことを称賛する。確かに中等部の時ルーナ嬢に手料理を振る舞ったことがある。なぜかって?
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