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4)報われない恋はやめた方がいい?
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『5年経っても変わらないならこれからも変わらない』
頭の中をぐるぐると回るその言葉はゆっくりまわる毒のように俺の思考を侵食していった。今まで伊月のことしか考えられなかったのが嘘みたいに。
『一度でいいんです。一度でいいから彼から離れてみてください。きっと何かが変わるはずです』
本当に変わるのだろうか。なんか、もし今ここで彼に尽くすのをやめてしまえばこれまでの自分を否定することになりそうで怖くなる。それに伊月に尽くすのはもう習慣になっていて簡単にやめられそうにない。もう俺は伊月に依存しすぎている。
でも、直人の言う通りこれからもずっと変わらないのだとしたら?この5年にも及ぶ片思いに意味はあるのか?
もしかしたらとっくの昔から意味がないことに気づいていたのかもしれない。だからと言って全てを急にやめるのは無理だ。
「でも、少しずつなら…」
この歪んだ関係から一歩踏み出すことができるかもしれない。わかってはいたのだ。俺にとっても伊月にとっても今の関係をずるずる続けていっていいことが無いということが。どちらかが切り出さないと変われない。
「報われない恋はもうやめるべきなのかもしれないな」
俺の中で一つ決まったような気がした。そう、これから俺は『伊月離れ』をする。胸がズキズキと痛むような気がするが、俺が変わらないと何も変わらない。もう社会人にもなったし俺も、そして伊月も一生を共にする人を見つけていかなければいけない。
「相手が俺じゃ無いのは残念だけど、5年間見向きもされなかったんなら諦めるしか無いよな」
急に気持ちが前向きになってきた。昔からそうなのだ。決めてから行動するまでが俺は結構早い方だ。もっと早くに伊月と別れることを考えられていたら今頃同じ会社で働いていないだろう。
というわけで手始めに今日は伊月の朝ごはんを作らないことにした。急に三食分作るのをやめたら伊月も困るだろうから、一食ずつ抜いていって伊月が自分でできるようになったら完全に別で作るようにしよう。これは勝手に俺が始めたことだから、急にやめると、家事全般やったことのない伊月は途方に暮れてしまう。
まあ、伊月は何をするにも器用だしすぐに俺より美味しいものを作れるようになると思うが。彼は顔面が良いだけではなく何事もオールラウンダーなのだ。そんな彼を何もできなくさせたのは俺なんだから、彼が家事全てできるようになるまで見守るというのが筋というものだろう。
少し心をそわそわさせながら伊月がシャワーから上がるのを待つ。ゆっくりできる時間なのに心が落ち着かないのは今までしていたことをやめた反動だろう。この感覚になれなければいけないと思うと気が遠くなってくる。
頭の中をぐるぐると回るその言葉はゆっくりまわる毒のように俺の思考を侵食していった。今まで伊月のことしか考えられなかったのが嘘みたいに。
『一度でいいんです。一度でいいから彼から離れてみてください。きっと何かが変わるはずです』
本当に変わるのだろうか。なんか、もし今ここで彼に尽くすのをやめてしまえばこれまでの自分を否定することになりそうで怖くなる。それに伊月に尽くすのはもう習慣になっていて簡単にやめられそうにない。もう俺は伊月に依存しすぎている。
でも、直人の言う通りこれからもずっと変わらないのだとしたら?この5年にも及ぶ片思いに意味はあるのか?
もしかしたらとっくの昔から意味がないことに気づいていたのかもしれない。だからと言って全てを急にやめるのは無理だ。
「でも、少しずつなら…」
この歪んだ関係から一歩踏み出すことができるかもしれない。わかってはいたのだ。俺にとっても伊月にとっても今の関係をずるずる続けていっていいことが無いということが。どちらかが切り出さないと変われない。
「報われない恋はもうやめるべきなのかもしれないな」
俺の中で一つ決まったような気がした。そう、これから俺は『伊月離れ』をする。胸がズキズキと痛むような気がするが、俺が変わらないと何も変わらない。もう社会人にもなったし俺も、そして伊月も一生を共にする人を見つけていかなければいけない。
「相手が俺じゃ無いのは残念だけど、5年間見向きもされなかったんなら諦めるしか無いよな」
急に気持ちが前向きになってきた。昔からそうなのだ。決めてから行動するまでが俺は結構早い方だ。もっと早くに伊月と別れることを考えられていたら今頃同じ会社で働いていないだろう。
というわけで手始めに今日は伊月の朝ごはんを作らないことにした。急に三食分作るのをやめたら伊月も困るだろうから、一食ずつ抜いていって伊月が自分でできるようになったら完全に別で作るようにしよう。これは勝手に俺が始めたことだから、急にやめると、家事全般やったことのない伊月は途方に暮れてしまう。
まあ、伊月は何をするにも器用だしすぐに俺より美味しいものを作れるようになると思うが。彼は顔面が良いだけではなく何事もオールラウンダーなのだ。そんな彼を何もできなくさせたのは俺なんだから、彼が家事全てできるようになるまで見守るというのが筋というものだろう。
少し心をそわそわさせながら伊月がシャワーから上がるのを待つ。ゆっくりできる時間なのに心が落ち着かないのは今までしていたことをやめた反動だろう。この感覚になれなければいけないと思うと気が遠くなってくる。
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