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2巻
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3 公爵家にお邪魔した
ストライト公爵家は町の中心部から少しはずれた場所にあった。
立派な門構えの入り口を通過すると広い庭園があり、その奥に白塗りの豪邸が居を構えている。庭には冒険者らしき格好のやつが五、六人集まっていた。近くには兵団所属らしき男女も数名いるな。
「あっ、ジャーじゃない!」
俺を見つけるなり駆けつけてきたのはルシルだ。
「おう、邪魔するぜ」
「昼食はちゃんと用意させてあるから安心して」
「期待しちまうな。ところでルシル、俺と前にどっかで会ったことないか?」
「……昨日が初めてのはずよ?」
どうも初めて会った気がしなかったのだが、俺の気のせいだったみたいだ。
「ならいい。ところでよ、これ何の集まりだ?」
「えっとね、これからちょっとした試験があるのよ」
「試験、ねぇ」
「それについては私から説明します」
遅れて姿を現したのはラステラだった。今日も重そうなメイルは健在だ。いい女なのに、色気が殺されてるのは残念である。
「単刀直入に言いましょう。私たちは近日、竜を討ちに行きます。ストライト領にあるミネロ山の麓に村があるのですが、そこが竜による被害を受けているのです」
そこまで説明されりゃ話の筋が読める。予想していた展開から大きく外れることもないだろう。とりあえず質問をぶつけてみる。
「竜って確か、階級あるんじゃないっけ。どれ?」
「下位竜です」
「なるほどな。それを倒しに行くから手伝えってことか。ここに集めたのは、ちゃんと使えるやつかどうかテストするためと」
「話が早くて助かります。もちろん貴方には拒否する権利もあります。ですが、私としてはぜひ試験を受けていただきたいのです」
「でも下位竜だろ? 兵団だけでどうにかなんないのか?」
「下位といえど竜ですから、本当に命がけなんです。上位でなくて我々もホッとしているくらいで」
邪竜時代、何度かほかの竜に襲われて返り討ちにしたことがある。あいつらあんまり同族意識とかないのか、同じ竜なのに普通に攻めかかってきた。
たぶん下位だと思うが、「ど・け・よ」みたいな感じでブレスを放って葬ったんだよな。
瞬殺だったから強敵とは思ってなかったけど、今やったらやっぱり強く感じるんだろうか。
同じ竜でも俺を見るなりビビって逃げるやつとかいたし、やっぱ個体の性格もあるんだろう。
「もちろん、それなりの謝礼は出します。試験に合格し、戦闘に加わってもらえるなら確定報酬として五十万リゼ。活躍に応じて報酬の追加も可能です。金銭だけでなく、竜の部位が分け前として与えられることもありますよ」
「竜の部位って、高く買い取ってもらえるのか?」
「そうですね。とくに魔力の豊富な竜の肉は絶品です。自分で食すのもありかと」
「絶品……、か」
「ご主人様、食べてみたいですね」
「だな。どんだけ美味いんだよ」
グラグラと俺の心が傾きかけている。
肉食いてえ……。それに報酬も悪くない。
腕相撲で稼いだとはいえ、まだ所持金は三十万にも届かない。今後生活していく上では心許ない金額だ。今回活躍すれば、しばらく楽して暮らせそうな気がする。しかしイレーヌはどうすっか。
そう考えた俺はラステラに尋ねてみる。
「一つ条件がある」
「なんでしょう」
「イレーヌも雇ってくれねえかな」
「イレーヌも、ですか」
「こいつはこう見えて弓の名手なんだ。もちろん試験ありでいい」
「……わかりました。弓はまた別の試験になります」
「よろしくお願いしますっ」
遠距離なら比較的安全だろうし、俺が近接で適当に頑張ってりゃ怪我もしないだろう。
ラステラはイレーヌを少し離れた場所に連れて行った。
「ルシル、おまえは見学か?」
「う~ん、あたしもついて行きたいんだけどね。こう見えて、あたし、魔法の腕は一流なのよ」
「へー魔法か。そういやイレーヌも弓魔法使えるし、俺も覚えたいんだよな」
「今度教えてあげましょうか?」
「いいのか? じゃあ頼むわ」
「いいわよ、あたしに任せなさい」
ありがたやーありがたやーと感謝してたら、短髪で目つきの悪い兵士らしき男が近づいてくる。今にも腰の剣を抜きそうな、剣呑な雰囲気を放ちながら俺の前に立った。
「オイテメエ、試験希望者か?」
「ああ。つーかさ、顔近くねえかい」
「馬鹿面さげてラステラと仲良く話してやがったが、ちょっと声かけられたからって勘違いすんじゃねえぞ」
「特に勘違いはしてないつもりだ。二度目だけど顔近けぇよ」
「ラステラは俺様の女なんだ。一秒でも口説こうとしたら俺の剣がテメエの喉元を突き抜くだろうな。もっとも貴様ごときにラステラが振り向くはずもねえんだが、テメエは頭悪そうだから先に忠告しておいてやるよ。わかったら、この特攻部隊隊長のゲイル様にひざまずけやカス」
「……」
なんだこいつ? こうまで敵愾心剥き出しだと、こっちも反応に困っちまうな。ドン引きしていると、見かねたルシルが声を上げる。
「ゲイル、あんたねえ……、なんでそうやってすぐ突っかかってくるのよ!」
「ルシルお嬢様、俺はこいつみたいな顔だけのフニャチン野郎が大嫌いでして。そもそもこんな銀髪アホがここにいること事態が、不思議で不思議でしょうがないんですよ。オイわかったら、とっとと帰ってママのおっぱいでも飲んでろや」
「いい加減にしなさい! ジャーはこう見えて、ラステラに腕相撲で勝ったのよ!」
「絶対なにか細工してますって。そうだろ、あ? ああ? どうなんだ言ってみろや」
「細工なんてしてねえっつうの。信じられねえなら試してみるか?」
「ほお、このゲイル様に盾突くとはおもしれぇ。ところでさっきのエルフはなんだ? テメエの仲間か奴隷か? テメエごときがあんないい女連れ回してるとか言語道断、死刑確定な?」
胸ぐらを掴もうと腕を伸ばしてきたから、俺は手でそれを払う。
「ふ、二人ともそこまで! やめなさいって! ガルバスー、ちょっと来なさいよー」
ルシルが叫ぶと、ガルバスと呼ばれた四十前後くらいの威厳のある兵士がやって来る。体格はガッシリとしていて口に髭を薄く生やし、落ち着きがある。背中には大盾を背負っていた。
「お嬢様、どうされましたかな」
「またゲイルのバカが突っかかってるのよ!」
「ゲイル! いい加減にしろ」
「……チッ。……わかりましたよ。元はといえばこの雑魚が先に突っかかってきたんですけどねえ」
「またそうやって嘘ばっかり。もうどっか行きなさいよ」
「へいへい、じゃあ弓の試験でも見てきますわ。せいぜい頑張れよ、落第者」
ゲイルは言いたい放題まき散らしてから、イレーヌたちのほうへと向かっていった。
生きてりゃ性格悪いやつになんていくらでも会うけど、あれはかなり上位に食い込んでくるかも。
「すまんな。あいつはラステラが絡むとああなんだ」
「そうなのよ。ラステラにベタ惚れで」
俺はゲイルの背中を目で追いかけながら尋ねる。
「俺の女とか言ってたけど付き合ってんのか?」
「まっさか。ラステラも迷惑してるのよ。めーーっちゃくちゃしつこいのあいつ。毎日のようにデートに誘ってるのよ」
「部下からもストーカー行為が激しいと報告があってな。団長の俺としても対応に困ってるんだ……。腕は確かだから尚更な」
ん、団長? もしかしてこのおっさん、偉い人なのか?
「そういうことね。ところで、あんた団長なのか」
「名乗り遅れたな。ガルバスだ」
「ガルバスね。俺はジャーだ」
俺が名乗ると、ガルバスは改まったように頭を下げてきた。
「ジャー、部下の非礼は代わって俺が詫びよう」
「別にいいよ。もう忘れることにしたわ」
ああいうのに構ってても疲労が溜まるだけだもんな。
視線を移すと、イレーヌのほうも順調にやってるみたいだった。
遠くに小さな的を置き、それを矢で撃ち抜く試験を実施中なのだが、百発百中のようでラステラが目を丸くしている。
……ん?
ゲイルがイレーヌのほうに歩み寄っていく。そして何やら会話を始めて――。イレーヌがゲイルに弓を向けたんだが……。
おーいイレーヌ、おまえ何してんだって突っ込みたい。
顔つきが見たことないくらい怒っている。ラステラが宥めているようだが、耳に入らない様子だ。
「撤回してください! さもなければ――」
イレーヌの怒声が庭に響いた。さすがにみんな、ただ事じゃないと気づき始める。
「ッ……。またあいつ……」
「やれやれ、行きましょうか、お嬢様」
ルシルとガルバスがゲイルのほうへ走って行く。俺もあとを追う。ひどく興奮したイレーヌがそこにいた。
「ちょ、やめろって、テメエ本気で俺を撃つ気かよ?」
「貴方が発言を撤回しないなら、私は……」
「ねえやめてイレーヌ! 何があったのよ!」
二人の間にルシルが割って入るも、イレーヌの赫怒の濃度は薄まらない。
「どいてください。その人は私の……、ご主人様のことを侮辱したんです!」
「侮辱って、ちっと悪口言っただけだろうが」
「私のことは侮辱されても構いません、ですが、ご主人様をあんな風に言うなんて許せませんっ」
俺が出て行かないと収まりそうにないな。
「その辺にしとけ、イレーヌ」
「ご主人様、でも!」
「いいから弓を下げろ」
「…………はい」
イレーヌの怒りが鎮まったのを見計らって、ガルバスがゲイルの頭に強烈なゲンコツを落とす。
「ってぇ!?」
「馬鹿者! せっかく集まってくれた者たちに対して無礼なことばかりするな!」
「……クッ」
「イレーヌと言ったな。すまなかった。これで許してもらえないだろうか」
深く腰を折ってガルバスが頭を下げ続ける。それを目にして、イレーヌもどうにか気持ちの整理がついたようだ。
地位のある人間にここまでされりゃ、水に流すしかない。
「顔を上げてください。私のほうこそ取り乱してすみませんでした」
お返しとばかりにイレーヌが頭を下げると、ようやくその場は落ち着きを取り戻した。ラステラがタイミングを見て告げる。
「兵団にもイレーヌほどの技量がある者はいません。文句なしの合格です。次は近接戦闘タイプの者たちの試験に移ります。庭の中央へ集まってください」
ゾロゾロとみんなが移動し始める中、俺は不意打ち気味にイレーヌの頭を撫でてやった。
「俺のことなら気にすんな」
「すみませんでした……」
シュンとしおらしくしているので、弱点の耳をしばらくいじり倒してやる。
「だ、だめですぅ、ご主人さまぁぁ。どうかそのへんでっ……」
息を荒くして膝をカクカクさせ始めたところで―――周囲の視線が俺に集まっていることに気づく。
大の男が少女をいじり攻める。
まあ、うん、確かに変態っぽかったわ。
もっと場所を選んでやるべきだった。
異世界でもTPOが大事ってことだな。
4 怪力剣のラステラ
近接武器使用者の試験はラステラが請け負うらしい。
受験者はラステラと一対一で闘う。相手を殺すことは禁止だが、それ以外はなんでもありらしい。審判はガルバスが務めるということだ。
「では、誰から始めましょうか」
俺を含めて候補は四人いる。他のやつらが顔を見合わせていたので、俺は一歩前へ出た。
「じゃあ俺から頼むわ」
「ジャーですね。わかりました」
ラステラが大剣を抜き、俺もまた抜き身の聖剣を構える。俺たちから離れるように皆が移動する。
「貴方を練達の剣士と判断して、最初から全力でいかせてもらいます」
「そうしたほうがいいだろうな」
「その余裕、やはり私に勝つ気なのですね?」
「負けるつもりで闘ったりはしねえな」
「ラステラ、俺のためにもそいつをボロボロにしてくれや!」
どうも反省の色が足りないゲイルが会話に参加する。
と、そのとき、屋敷から兵士らしき男が現れ、ゲイルの元へ駆け寄ってきた。
「ゲイル隊長、ストライト様がお呼びです」
「ハアァ!? 俺は今からあいつが負けるとこ見るんだよ!」
「先日ゲイル隊長が壊してしまった器について、話があるそうです」
「グゥ、……チィ。ラステラ、おまえならやってくれるって信じてるぜ。俺のためにも頼んだぜ!」
「……何が貴方のためかわかりかねますが、手を抜くつもりはありません」
「ヒュー! それでこそラステラだ。ちょっと行ってくる。寂しいだろうが少しの辛抱だぜ! コラ、どけや!」
近くにいた兵を突き飛ばすと、ゲイルは屋敷の中へと消えていった。
うるさい外野がいなくなって集中しやすくなったな。
「では気を取り直して、二人とも準備はいいな?」
「はい、団長」
「俺もいつでもいいぜ」
「ジャー、腕相撲とはいえラステラに勝利した君の力には期待している。それでは――、始め!」
戦闘開始とともに、強いプレッシャーが俺にのしかかった。
……覇気ね。
俺の技じゃん。ふーん、あんたも使えんのね。
牽制のつもりか、俺の精神を削るつもりか。どっちにしろラステラの覇気は大したものだった。
普通のやつなら一歩踏み出すこともできないだろう。これだけで強い相手だってのがわかっちまう。
けど。
個人的にはどうかと思う。俺はあまり覇気を多用しない。相手がずっと格下で戦いを避けたいときに使うくらいだ。
なぜか? それは覇気が、ある程度実力のあるやつにはそれほど意味がないのが一点。そしてもう一点は――。
「――なッ!?」
ラステラが瞠目する。俺の移動速度が彼女の想像を上回り、簡単に接近を許してしまったからだ。
「とう」
前蹴りを放つと、ラステラは反応できず、胸に衝撃をモロに食らって数メートル後退。踵を地面に立てて踏ん張っていたらしく、ズズーッと二本、足の線が引かれた。
――覇気を発するのはあれでけっこう集中力が必要だ。それゆえ覇気中に奇をてらう行動などをされると対応が遅れる。
今のも覇気さえ使っていなけりゃ、モロに受けることはなかっただろうな。
ラステラは百戦錬磨なんだろう。すぐに無意味と判断して覇気を解いた。仕切り直しってところか。
俺は剣を肩に担ぐようにする。一見隙だらけに映るだろう。実際、誘っているのだが。ラステラにはぜひ大剣を振り回してもらいたい。
その隙間を狙って斬りつけさせてもらうつもりだ。
「―――」
口元で何か唱えているな。魔法だろうかね。一度言葉を切ったあと、少し間をおいてから再び口を動かす。
二種類の魔法を使ったのかもしれない。なんの現象も起きていないことから、自身に作用するタイプだと俺は見当をつけた。
ラステラは瞳の照準を俺に合わせたまま膝を曲げた。ガシャンと鎧が音を立て――、ラステラは大跳躍を行う。十メートル前後、舞い上がった。
そして鎧を纏っているとは思えないほどの跳躍力から、重力を味方につけて落下してくる。
「流星墜撃剣!」
ご丁寧に技名を叫びつつ、落下に合わせて重量のある大剣を振り落ろす。これを受けるのは悪手。俺は切っ先が届かない範囲までバックステップを踏み――。
ドゴォォォォオオオ!
常識外れの重撃は地面を大きく削り、圧力をかけられた土砂が俺のほうへ一斉に逃げてきた。
「ちっ」
俺の目の中にいくらか砂が侵入する。視界が潰された。技剣による一撃は当たれば良し、当たらずとも良しの狙いで放たれたのだとここで気づく。
微かにまぶたを開けた瞬間、銀閃が目に飛び込んだ。水平に薙がれた大刃が俺の胴を両断しようとしていた。
剣で素早くこれを受けた瞬間、俺はあの日のことを思い出した。
そう、俺の死因。猛スピードで車に衝突され、何メートルも吹っ飛ばされたあの日を。
それくらいの力はあった。ボールをバットで打ったみたいに俺の体が軽々と浮き上がる。
俺は見た目の割に体重が重い。その俺を一体何メートル移動させりゃ気が済むんだよ。
あの大剣またはラステラ自身に、並々ならない力が働いているのは一目瞭然だった。
宙でくるくると回転し、俺は無事着地を決める。
これが新体操だったら満点もらってもいいはずだ。
だが、残念ながら相手は身体芸などまるで興味なしと、畳みかけるようにラッシュ。
重量など感じさせない速度で大剣を縦横無尽に暴れさせてくる。俺は避けられるところは避け、無理なときは剣でガードする。
これは普通じゃないな。いくら大剣に質量があるとはいえ、剣の重さと破壊力が異常だ。
ただ、ひと太刀目を受けたときに比べると、だいぶ力が落ちたようにも感じる。
リーチが長いのは有利だろうが、やはり取り回しは中小剣には劣る。
攻撃と攻撃のつなぎ目を狙って、プロテクトされていないラステラの指を斬りつける。相手がひるんだところで、無理をせず距離を取った。
今、一瞬俺の剣が光ったような気がしたが気のせいか?
「……どう、して剣魔法が……解けている……? いいえ、付与魔法も……ですね」
なにかぶつぶつと呟いている。
「解除魔法を使ったようには見えませんでしたが、なにをしたのですか?」
「ん、なんの話だ?」
「なるほど、簡単に手の内は明かさないということですね」
なんか勘違いしてるな。俺は本当になにもしてないんだけど。そもそも魔法とか使えないのだ。ラステラは俺の剣を注視して、眉をぴくりと吊り上げる。
「え、まさかその剣は……?」
ラステラが動揺してる? あいつだけじゃない。審判のガルバスまで「もしやその武器は」なんて驚いてやがる。
「それは、聖剣カラドボルグではないのですか?」
その名が出るなり、周囲からどよめきが起こる。「聖教皇国のあの剣かよ?」「神剣だよな確か」なんて話している。
「神器十選の一つで、聖教皇国の秘宝として伝えられていた武器。しかし数年前、魔王軍に強襲され、その際に奪われてしまったと聞いていたのですが」
「その情報は間違いないはずだ。俺もそう聞いている。その昔、邪竜に破れた十神が完全消滅を避けるため、死ぬ前に自らの魂を武器に封印した。それを神器十選というのだが……神の魂を宿すゆえに特殊な力を発揮すると言われているな」
ガルバスが合いの手を入れて、ラステラの認識を補助する。
あ~、たぶんラステラの言うとおり、この剣はカラドボルグとやらなんだろう。
前にクロエも似たようなこと言ってた気がするわ。
特殊な効果もなさそうだから、俺の中ではよく斬れる剣くらいの認識だったんだが、聖剣ってばれると……、ちょっとやべえんだよな。
ストライト公爵家は町の中心部から少しはずれた場所にあった。
立派な門構えの入り口を通過すると広い庭園があり、その奥に白塗りの豪邸が居を構えている。庭には冒険者らしき格好のやつが五、六人集まっていた。近くには兵団所属らしき男女も数名いるな。
「あっ、ジャーじゃない!」
俺を見つけるなり駆けつけてきたのはルシルだ。
「おう、邪魔するぜ」
「昼食はちゃんと用意させてあるから安心して」
「期待しちまうな。ところでルシル、俺と前にどっかで会ったことないか?」
「……昨日が初めてのはずよ?」
どうも初めて会った気がしなかったのだが、俺の気のせいだったみたいだ。
「ならいい。ところでよ、これ何の集まりだ?」
「えっとね、これからちょっとした試験があるのよ」
「試験、ねぇ」
「それについては私から説明します」
遅れて姿を現したのはラステラだった。今日も重そうなメイルは健在だ。いい女なのに、色気が殺されてるのは残念である。
「単刀直入に言いましょう。私たちは近日、竜を討ちに行きます。ストライト領にあるミネロ山の麓に村があるのですが、そこが竜による被害を受けているのです」
そこまで説明されりゃ話の筋が読める。予想していた展開から大きく外れることもないだろう。とりあえず質問をぶつけてみる。
「竜って確か、階級あるんじゃないっけ。どれ?」
「下位竜です」
「なるほどな。それを倒しに行くから手伝えってことか。ここに集めたのは、ちゃんと使えるやつかどうかテストするためと」
「話が早くて助かります。もちろん貴方には拒否する権利もあります。ですが、私としてはぜひ試験を受けていただきたいのです」
「でも下位竜だろ? 兵団だけでどうにかなんないのか?」
「下位といえど竜ですから、本当に命がけなんです。上位でなくて我々もホッとしているくらいで」
邪竜時代、何度かほかの竜に襲われて返り討ちにしたことがある。あいつらあんまり同族意識とかないのか、同じ竜なのに普通に攻めかかってきた。
たぶん下位だと思うが、「ど・け・よ」みたいな感じでブレスを放って葬ったんだよな。
瞬殺だったから強敵とは思ってなかったけど、今やったらやっぱり強く感じるんだろうか。
同じ竜でも俺を見るなりビビって逃げるやつとかいたし、やっぱ個体の性格もあるんだろう。
「もちろん、それなりの謝礼は出します。試験に合格し、戦闘に加わってもらえるなら確定報酬として五十万リゼ。活躍に応じて報酬の追加も可能です。金銭だけでなく、竜の部位が分け前として与えられることもありますよ」
「竜の部位って、高く買い取ってもらえるのか?」
「そうですね。とくに魔力の豊富な竜の肉は絶品です。自分で食すのもありかと」
「絶品……、か」
「ご主人様、食べてみたいですね」
「だな。どんだけ美味いんだよ」
グラグラと俺の心が傾きかけている。
肉食いてえ……。それに報酬も悪くない。
腕相撲で稼いだとはいえ、まだ所持金は三十万にも届かない。今後生活していく上では心許ない金額だ。今回活躍すれば、しばらく楽して暮らせそうな気がする。しかしイレーヌはどうすっか。
そう考えた俺はラステラに尋ねてみる。
「一つ条件がある」
「なんでしょう」
「イレーヌも雇ってくれねえかな」
「イレーヌも、ですか」
「こいつはこう見えて弓の名手なんだ。もちろん試験ありでいい」
「……わかりました。弓はまた別の試験になります」
「よろしくお願いしますっ」
遠距離なら比較的安全だろうし、俺が近接で適当に頑張ってりゃ怪我もしないだろう。
ラステラはイレーヌを少し離れた場所に連れて行った。
「ルシル、おまえは見学か?」
「う~ん、あたしもついて行きたいんだけどね。こう見えて、あたし、魔法の腕は一流なのよ」
「へー魔法か。そういやイレーヌも弓魔法使えるし、俺も覚えたいんだよな」
「今度教えてあげましょうか?」
「いいのか? じゃあ頼むわ」
「いいわよ、あたしに任せなさい」
ありがたやーありがたやーと感謝してたら、短髪で目つきの悪い兵士らしき男が近づいてくる。今にも腰の剣を抜きそうな、剣呑な雰囲気を放ちながら俺の前に立った。
「オイテメエ、試験希望者か?」
「ああ。つーかさ、顔近くねえかい」
「馬鹿面さげてラステラと仲良く話してやがったが、ちょっと声かけられたからって勘違いすんじゃねえぞ」
「特に勘違いはしてないつもりだ。二度目だけど顔近けぇよ」
「ラステラは俺様の女なんだ。一秒でも口説こうとしたら俺の剣がテメエの喉元を突き抜くだろうな。もっとも貴様ごときにラステラが振り向くはずもねえんだが、テメエは頭悪そうだから先に忠告しておいてやるよ。わかったら、この特攻部隊隊長のゲイル様にひざまずけやカス」
「……」
なんだこいつ? こうまで敵愾心剥き出しだと、こっちも反応に困っちまうな。ドン引きしていると、見かねたルシルが声を上げる。
「ゲイル、あんたねえ……、なんでそうやってすぐ突っかかってくるのよ!」
「ルシルお嬢様、俺はこいつみたいな顔だけのフニャチン野郎が大嫌いでして。そもそもこんな銀髪アホがここにいること事態が、不思議で不思議でしょうがないんですよ。オイわかったら、とっとと帰ってママのおっぱいでも飲んでろや」
「いい加減にしなさい! ジャーはこう見えて、ラステラに腕相撲で勝ったのよ!」
「絶対なにか細工してますって。そうだろ、あ? ああ? どうなんだ言ってみろや」
「細工なんてしてねえっつうの。信じられねえなら試してみるか?」
「ほお、このゲイル様に盾突くとはおもしれぇ。ところでさっきのエルフはなんだ? テメエの仲間か奴隷か? テメエごときがあんないい女連れ回してるとか言語道断、死刑確定な?」
胸ぐらを掴もうと腕を伸ばしてきたから、俺は手でそれを払う。
「ふ、二人ともそこまで! やめなさいって! ガルバスー、ちょっと来なさいよー」
ルシルが叫ぶと、ガルバスと呼ばれた四十前後くらいの威厳のある兵士がやって来る。体格はガッシリとしていて口に髭を薄く生やし、落ち着きがある。背中には大盾を背負っていた。
「お嬢様、どうされましたかな」
「またゲイルのバカが突っかかってるのよ!」
「ゲイル! いい加減にしろ」
「……チッ。……わかりましたよ。元はといえばこの雑魚が先に突っかかってきたんですけどねえ」
「またそうやって嘘ばっかり。もうどっか行きなさいよ」
「へいへい、じゃあ弓の試験でも見てきますわ。せいぜい頑張れよ、落第者」
ゲイルは言いたい放題まき散らしてから、イレーヌたちのほうへと向かっていった。
生きてりゃ性格悪いやつになんていくらでも会うけど、あれはかなり上位に食い込んでくるかも。
「すまんな。あいつはラステラが絡むとああなんだ」
「そうなのよ。ラステラにベタ惚れで」
俺はゲイルの背中を目で追いかけながら尋ねる。
「俺の女とか言ってたけど付き合ってんのか?」
「まっさか。ラステラも迷惑してるのよ。めーーっちゃくちゃしつこいのあいつ。毎日のようにデートに誘ってるのよ」
「部下からもストーカー行為が激しいと報告があってな。団長の俺としても対応に困ってるんだ……。腕は確かだから尚更な」
ん、団長? もしかしてこのおっさん、偉い人なのか?
「そういうことね。ところで、あんた団長なのか」
「名乗り遅れたな。ガルバスだ」
「ガルバスね。俺はジャーだ」
俺が名乗ると、ガルバスは改まったように頭を下げてきた。
「ジャー、部下の非礼は代わって俺が詫びよう」
「別にいいよ。もう忘れることにしたわ」
ああいうのに構ってても疲労が溜まるだけだもんな。
視線を移すと、イレーヌのほうも順調にやってるみたいだった。
遠くに小さな的を置き、それを矢で撃ち抜く試験を実施中なのだが、百発百中のようでラステラが目を丸くしている。
……ん?
ゲイルがイレーヌのほうに歩み寄っていく。そして何やら会話を始めて――。イレーヌがゲイルに弓を向けたんだが……。
おーいイレーヌ、おまえ何してんだって突っ込みたい。
顔つきが見たことないくらい怒っている。ラステラが宥めているようだが、耳に入らない様子だ。
「撤回してください! さもなければ――」
イレーヌの怒声が庭に響いた。さすがにみんな、ただ事じゃないと気づき始める。
「ッ……。またあいつ……」
「やれやれ、行きましょうか、お嬢様」
ルシルとガルバスがゲイルのほうへ走って行く。俺もあとを追う。ひどく興奮したイレーヌがそこにいた。
「ちょ、やめろって、テメエ本気で俺を撃つ気かよ?」
「貴方が発言を撤回しないなら、私は……」
「ねえやめてイレーヌ! 何があったのよ!」
二人の間にルシルが割って入るも、イレーヌの赫怒の濃度は薄まらない。
「どいてください。その人は私の……、ご主人様のことを侮辱したんです!」
「侮辱って、ちっと悪口言っただけだろうが」
「私のことは侮辱されても構いません、ですが、ご主人様をあんな風に言うなんて許せませんっ」
俺が出て行かないと収まりそうにないな。
「その辺にしとけ、イレーヌ」
「ご主人様、でも!」
「いいから弓を下げろ」
「…………はい」
イレーヌの怒りが鎮まったのを見計らって、ガルバスがゲイルの頭に強烈なゲンコツを落とす。
「ってぇ!?」
「馬鹿者! せっかく集まってくれた者たちに対して無礼なことばかりするな!」
「……クッ」
「イレーヌと言ったな。すまなかった。これで許してもらえないだろうか」
深く腰を折ってガルバスが頭を下げ続ける。それを目にして、イレーヌもどうにか気持ちの整理がついたようだ。
地位のある人間にここまでされりゃ、水に流すしかない。
「顔を上げてください。私のほうこそ取り乱してすみませんでした」
お返しとばかりにイレーヌが頭を下げると、ようやくその場は落ち着きを取り戻した。ラステラがタイミングを見て告げる。
「兵団にもイレーヌほどの技量がある者はいません。文句なしの合格です。次は近接戦闘タイプの者たちの試験に移ります。庭の中央へ集まってください」
ゾロゾロとみんなが移動し始める中、俺は不意打ち気味にイレーヌの頭を撫でてやった。
「俺のことなら気にすんな」
「すみませんでした……」
シュンとしおらしくしているので、弱点の耳をしばらくいじり倒してやる。
「だ、だめですぅ、ご主人さまぁぁ。どうかそのへんでっ……」
息を荒くして膝をカクカクさせ始めたところで―――周囲の視線が俺に集まっていることに気づく。
大の男が少女をいじり攻める。
まあ、うん、確かに変態っぽかったわ。
もっと場所を選んでやるべきだった。
異世界でもTPOが大事ってことだな。
4 怪力剣のラステラ
近接武器使用者の試験はラステラが請け負うらしい。
受験者はラステラと一対一で闘う。相手を殺すことは禁止だが、それ以外はなんでもありらしい。審判はガルバスが務めるということだ。
「では、誰から始めましょうか」
俺を含めて候補は四人いる。他のやつらが顔を見合わせていたので、俺は一歩前へ出た。
「じゃあ俺から頼むわ」
「ジャーですね。わかりました」
ラステラが大剣を抜き、俺もまた抜き身の聖剣を構える。俺たちから離れるように皆が移動する。
「貴方を練達の剣士と判断して、最初から全力でいかせてもらいます」
「そうしたほうがいいだろうな」
「その余裕、やはり私に勝つ気なのですね?」
「負けるつもりで闘ったりはしねえな」
「ラステラ、俺のためにもそいつをボロボロにしてくれや!」
どうも反省の色が足りないゲイルが会話に参加する。
と、そのとき、屋敷から兵士らしき男が現れ、ゲイルの元へ駆け寄ってきた。
「ゲイル隊長、ストライト様がお呼びです」
「ハアァ!? 俺は今からあいつが負けるとこ見るんだよ!」
「先日ゲイル隊長が壊してしまった器について、話があるそうです」
「グゥ、……チィ。ラステラ、おまえならやってくれるって信じてるぜ。俺のためにも頼んだぜ!」
「……何が貴方のためかわかりかねますが、手を抜くつもりはありません」
「ヒュー! それでこそラステラだ。ちょっと行ってくる。寂しいだろうが少しの辛抱だぜ! コラ、どけや!」
近くにいた兵を突き飛ばすと、ゲイルは屋敷の中へと消えていった。
うるさい外野がいなくなって集中しやすくなったな。
「では気を取り直して、二人とも準備はいいな?」
「はい、団長」
「俺もいつでもいいぜ」
「ジャー、腕相撲とはいえラステラに勝利した君の力には期待している。それでは――、始め!」
戦闘開始とともに、強いプレッシャーが俺にのしかかった。
……覇気ね。
俺の技じゃん。ふーん、あんたも使えんのね。
牽制のつもりか、俺の精神を削るつもりか。どっちにしろラステラの覇気は大したものだった。
普通のやつなら一歩踏み出すこともできないだろう。これだけで強い相手だってのがわかっちまう。
けど。
個人的にはどうかと思う。俺はあまり覇気を多用しない。相手がずっと格下で戦いを避けたいときに使うくらいだ。
なぜか? それは覇気が、ある程度実力のあるやつにはそれほど意味がないのが一点。そしてもう一点は――。
「――なッ!?」
ラステラが瞠目する。俺の移動速度が彼女の想像を上回り、簡単に接近を許してしまったからだ。
「とう」
前蹴りを放つと、ラステラは反応できず、胸に衝撃をモロに食らって数メートル後退。踵を地面に立てて踏ん張っていたらしく、ズズーッと二本、足の線が引かれた。
――覇気を発するのはあれでけっこう集中力が必要だ。それゆえ覇気中に奇をてらう行動などをされると対応が遅れる。
今のも覇気さえ使っていなけりゃ、モロに受けることはなかっただろうな。
ラステラは百戦錬磨なんだろう。すぐに無意味と判断して覇気を解いた。仕切り直しってところか。
俺は剣を肩に担ぐようにする。一見隙だらけに映るだろう。実際、誘っているのだが。ラステラにはぜひ大剣を振り回してもらいたい。
その隙間を狙って斬りつけさせてもらうつもりだ。
「―――」
口元で何か唱えているな。魔法だろうかね。一度言葉を切ったあと、少し間をおいてから再び口を動かす。
二種類の魔法を使ったのかもしれない。なんの現象も起きていないことから、自身に作用するタイプだと俺は見当をつけた。
ラステラは瞳の照準を俺に合わせたまま膝を曲げた。ガシャンと鎧が音を立て――、ラステラは大跳躍を行う。十メートル前後、舞い上がった。
そして鎧を纏っているとは思えないほどの跳躍力から、重力を味方につけて落下してくる。
「流星墜撃剣!」
ご丁寧に技名を叫びつつ、落下に合わせて重量のある大剣を振り落ろす。これを受けるのは悪手。俺は切っ先が届かない範囲までバックステップを踏み――。
ドゴォォォォオオオ!
常識外れの重撃は地面を大きく削り、圧力をかけられた土砂が俺のほうへ一斉に逃げてきた。
「ちっ」
俺の目の中にいくらか砂が侵入する。視界が潰された。技剣による一撃は当たれば良し、当たらずとも良しの狙いで放たれたのだとここで気づく。
微かにまぶたを開けた瞬間、銀閃が目に飛び込んだ。水平に薙がれた大刃が俺の胴を両断しようとしていた。
剣で素早くこれを受けた瞬間、俺はあの日のことを思い出した。
そう、俺の死因。猛スピードで車に衝突され、何メートルも吹っ飛ばされたあの日を。
それくらいの力はあった。ボールをバットで打ったみたいに俺の体が軽々と浮き上がる。
俺は見た目の割に体重が重い。その俺を一体何メートル移動させりゃ気が済むんだよ。
あの大剣またはラステラ自身に、並々ならない力が働いているのは一目瞭然だった。
宙でくるくると回転し、俺は無事着地を決める。
これが新体操だったら満点もらってもいいはずだ。
だが、残念ながら相手は身体芸などまるで興味なしと、畳みかけるようにラッシュ。
重量など感じさせない速度で大剣を縦横無尽に暴れさせてくる。俺は避けられるところは避け、無理なときは剣でガードする。
これは普通じゃないな。いくら大剣に質量があるとはいえ、剣の重さと破壊力が異常だ。
ただ、ひと太刀目を受けたときに比べると、だいぶ力が落ちたようにも感じる。
リーチが長いのは有利だろうが、やはり取り回しは中小剣には劣る。
攻撃と攻撃のつなぎ目を狙って、プロテクトされていないラステラの指を斬りつける。相手がひるんだところで、無理をせず距離を取った。
今、一瞬俺の剣が光ったような気がしたが気のせいか?
「……どう、して剣魔法が……解けている……? いいえ、付与魔法も……ですね」
なにかぶつぶつと呟いている。
「解除魔法を使ったようには見えませんでしたが、なにをしたのですか?」
「ん、なんの話だ?」
「なるほど、簡単に手の内は明かさないということですね」
なんか勘違いしてるな。俺は本当になにもしてないんだけど。そもそも魔法とか使えないのだ。ラステラは俺の剣を注視して、眉をぴくりと吊り上げる。
「え、まさかその剣は……?」
ラステラが動揺してる? あいつだけじゃない。審判のガルバスまで「もしやその武器は」なんて驚いてやがる。
「それは、聖剣カラドボルグではないのですか?」
その名が出るなり、周囲からどよめきが起こる。「聖教皇国のあの剣かよ?」「神剣だよな確か」なんて話している。
「神器十選の一つで、聖教皇国の秘宝として伝えられていた武器。しかし数年前、魔王軍に強襲され、その際に奪われてしまったと聞いていたのですが」
「その情報は間違いないはずだ。俺もそう聞いている。その昔、邪竜に破れた十神が完全消滅を避けるため、死ぬ前に自らの魂を武器に封印した。それを神器十選というのだが……神の魂を宿すゆえに特殊な力を発揮すると言われているな」
ガルバスが合いの手を入れて、ラステラの認識を補助する。
あ~、たぶんラステラの言うとおり、この剣はカラドボルグとやらなんだろう。
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特殊な効果もなさそうだから、俺の中ではよく斬れる剣くらいの認識だったんだが、聖剣ってばれると……、ちょっとやべえんだよな。
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