サスケさん!異世界大奮闘記。

野良猫ワンワン

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雨の日 第4日目 祝 アベル君完勝!-3

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ローゼリアさんを中心に女子学生がまた頭を下げて
「サスケ様、まだ魔核を買い取って頂けますか?」
「農畜ギルドか、王都の麦を扱う小商店は、金貨5枚の買取りを
してくれます」

「でも、私達以外にも今日買取りと回復藥が欲しいと期待して
いる者がいます」

「誰が、望んでいるの?」
「貧乏騎士家、男爵家の男子学生や寄子学生です」

「お金と回復藥を必要な学生全員連れてきなさい。手伝い2人
残し、他の人は広間に戻り楽しんで下さい」

女子学生と入れ違いに、男子学生が入って廊下で待機していた様で、
今日騎士学校からアベル君を送って来てくれた、男子学生の
60%が女子学生3倍の89名が集まっている。

15人づつ新3年生を先頭に順に入って貰い、魔核の買取りを
希望するが金貨4枚以外の残りは回復藥を買いたがるので、
どうして、全員金貨4枚を残して全部回復薬を買って替える
だけで、お小遣いを作らないのか尋ねた?

「毎年午後は街に出られる時間が多く有りましたが、
今年は入学式が終わり次第、武術の授業を組み込むと通知され
怪我する事も多くなりそうです。
金貨4枚の寮費は5の日までに納めなければなりません」

「寮費を納めないペナルティはどんな事?」
「退寮処分です。貧乏騎士家では宿から通えず、友人の部屋に
潜り込みますが長くは続かず結局学校を諦めます」       

「今年も、寮費の払えぬ学生がいるのですか?」
「新3年生で6人、2年生で8人います。去年魔核を売り切って
しまいました。 金貨4枚の寮費は支払えても回復藥や他の物に
使う余裕が無い新入生もいます。
辺境の家の多くは麦や屑魔核が売れず、仕送りに困って特に寄子の
学生は、お金も屑魔核も届いていません」

「今日、この館に来ている人でお金や回復藥で困っている学生が
いましたら、商会で貸し付けます。ここに呼んで来て下さい」

話した学生は急いで部屋から他の学生を呼びに飛び出して行った。
驚いたことに、21人もの学生を揃って連れてこられ部屋に
入り切れないので、廊下に並んでもらい先に用件を説明して
人数分けをする事にした。

「サスケ、ヤマカワは商人です。皆様の成績を伺った上で
お金をお貸しします。
当然利子を頂きます。年10%で返すことが出来ない方は卒業後、
年金貨4枚で商会の護衛隊員をして頂きます。

お金の必要な全員に金貨4枚と回復藥を貸し付けます。
但しマドック市価格で新入年生は回復藥ランクB藥3個・C藥8個・
D藥16個・E藥35個・f藥220個・1学年上がるごとに
B藥1個、C藥1個減らした数で貸し出します。
回復藥だけ必要な方も同じ条件で貸し付けますので希望される方は
申し出て下さい」

後から呼ばれ前に並んでいる学生が、金貨100枚近く
返済するだけの予定が出来ないのでランクB藥、C藥は、減らし
て欲しいと言った瞬間!

「だめ、借りなさい!」
手伝いで残っていた、ローゼリアさんの大声で止められ、
発言した学生の頭を下に押さえつけ、サッサと全員で
お借りするのよ

「お借り致しますのでお願い致します」
無理やり唱和させている。

真っ赤に恥ずかしそうにしてローゼリアさんは下を向いて、
「申し訳有りません。また、出過ぎました」
「ローゼリアさん以外、商人座学の試験落第ですね」
笑いながら言うと、まだ理解の出来ない学生たちに代わって
ローゼリアさんが
「その条件でお貸しください。お願いいたします」
真剣な顔で深々お辞儀をしている間に、残っていたもう1人の
女子学生に催促された男子学生が慌てて頭を下げていた。

魔核の買取り希望の学生を先に部屋に入れ金貨5枚分の重さで
屑魔核を買取り回復藥をマドック市価格で売った学生は半数の
45人で、回復藥を借りた学生は74人、お金と回復藥を借りた
人は、16人もいる。

この人数に少し驚いて回復藥の必要な理由を聞くと、全員の成績は、  
座学は下から上で、武術は中から最下位もいる。
武術の成績は試合成績で決まり、練習で怪我をすると個人治療に
なり治せないし、魔法の使えない者は、身体魔法を掛けられず
勝ち続けられない。

お金の有る家や、魔法使いの従者を連れた家の学生は怪我を
恐れずに、練習も試合も出来、今まで用意で出来ない貧乏学生は
下位に甘んじていた。
試合後怪我は、学校で治療することに成っているが、実際は手が
回らずに大怪我をして領地に帰った学生も出ていると答えられた。

思わず、身体強化魔法ぐらい学生同士で協力出来ないのかと
言ってしまうと、学校から従者は能力の範囲と許されているが、
学生同士は、力を借りている不正行為と判断されている・・??
なんておかしな答えが返って来た。

貴族の不正が学校まで有るのか感心している間に学生の代表が、
「サスケ様、お金の返し方は、どうしたら良いのですか?」
「都合の良い時に、裏にある商館の館長か副館長に渡して下さい、
年内返済は無金利子です」

「いえー、そうではなくー」
「返済は学校に戻ってから私がまとめます。安心してお借り
するのです」
ローゼリアさん男子学生まで仕切ってしまった。

魔核の買取りが終わり、金貨と回復藥を用意して貸し出し明細に
サインを書き終わると順番に学生達は全員深々一礼して部屋から
広間に戻っていく、
代表で残った12人に小容量アイテム袋を学年ごとに4個づつ
金貨420枚と回復藥を分散して入れて預ける。

「サスケ様、料理長に追加をお願いして、メイドには紙袋と
手提げ紙袋を用意させました」
グレーテの気の利いた報告を受けながら、持ってきてくれた、
パンケーキとエールで一休みしてから広間に戻る。

広間は、明るい笑い声に沸き立ち、光草ポットがいつもより明るく
輝いている様に見える。
やがてダンス広間の音楽が止まるとアベル君が台の上に上がり
「僕の為に集まり祝ってくれてありがとう!感激しています」
男爵も隣に上がり吠えている。

騎士学校生の皆さんに、風・水・火・土の魔法が付いている再生
ナイフのお土産を用意し従者やメイドさん達が希望するナイフと
手提げの紙袋を渡し、残ったサンドやパンケーキなどを入れて
渡している。

それ以外のお客様は光草ポットと置きを用意して帰りしなに
渡す準備を始めた。
玄関ホールに先に出たアイテム袋の持っている女子学生は他の学生の
紙袋を集めて入れ終わると、学生達はアベル君を先頭にした隊列を
組み、生徒代表の声に合わせ大声を出し。

マドック男爵家に感謝を。
アベル・マドック新入生に栄光を。
ゼピュロス国騎士学校生。
寮に向かい行進、始め!

先頭に集っている新3年生を中心に、アベル君をまた担ぎ上げ
雨の中を速足で王騎士学校寮まで戻って行った。
雨避けリングも渡したから帰りは濡れ無いだろうと、見送った
僕の耳に帰り客の話し声が聞こえる

「王騎士学校始まって以来の事ね、往復担がれる新入生は」
「卒業生まで1本勝ちと聞きました。アベル様の人気は急上昇ねフフフ」

アベル君は一躍人気者になった様で卒業したらスーパーアイドル
確定ですねぇ。おめでとうアベル君、心からお祝いいたしますぅ・・
・・なんてウソ・・!、   領地と商会をどうするの?   
今から心配して胃が痛くなりますぅ。。。

広間に残っていた、お姫様たちも従者や御者が紙袋を受け取り馬車で
帰り始める所を、交代で見送り、華やかで忙しい宴の時間は終わった。
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