サスケさん!異世界大奮闘記。

野良猫ワンワン

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喜んでいいの?アベル君 ―1

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喜んでいいの?アベル君 ―1

樹の館の裏口に移動して中に入ると今日もエドガーさんが待っていた。
「皆様お帰りなさい、男爵様とエマ様のお帰りが少し遅れるそうで、
お着替えが済みましたら談話室にセシル様がお待ちです」
セシルさんが待っているなんて珍しい。何か用が有るといけないので、
急いで部屋に戻り着替えると4人で談話室に入った。

「アベル、どうしたのぉ?」
エメリーさんは本当に驚いて部屋に入るなり叫ぶように
アベル君に声をかける。
セシルさんとアベル君とローゼリアさんが部屋の中にいて
僕たちをにこやかに向かい入れてくれる。

今日1番のアクシデント?いやイベントだよ。

セシリアさんとエメリーさんが交互にアベル君を質問攻めにしている。
僕も聞きたかった王騎士学校の話は
入学式の早朝寮から上級生に呼び出され裏の訓練場に行くと
卒業生を含む180人位に囲まれ、入学試合を辞退しろと強要されたが
断ったところ、お決まり後ろから練習剣で不意打ちをされたが
逆に奪い取り腕を切り落とした。

その後は乱闘になったが練習剣で切りつけて来た者は腕を切り落とし、
構えるだけの者は腕を折るだけに止めていたが、卒業生は小剣を
帯剣していて真剣で切りかかってきたので腕の切断と両足を砕き
制圧して寮の部屋に戻った。

流石、天才アベル君!期待した以上に強くなっていましたぁ。
先生うっれしいぃぃぃ~。

入学式が始る時間になっても2年生以上の生徒が全員集まらず、卒業生
代表の近衛入隊者も欠席している状態で当然大騒ぎになりました。

原因がアベル君との乱闘騒ぎの結果と分かると生徒の父母達から抗議を
受けた学校長がアベル君を退学にして収めようとした。
抗議したのは当然上級貴族が中心なので、エマ様が怒り再抗議を翌日
しようとした所、王宮に事態が届いていてダリルさんが国王の命令で
学校に調査に入ったのでエマ様は静観することにする。

アベル君は退寮を求められたので当日から王都館に戻り商会の手伝いを
ロゼリアさんとしながら今日まで王都生活を楽しんでいた。

次の日に近衛兵と試合をダリルさんに強要され、全勝したご褒美に
今日国王陛下から王騎士を授爵して、学校はローゼリアさんと同様に
退学処分とされた。

ローゼリアさんが退学処分になったのは、入学式当日の朝
ローゼリアさんと女子学生の一部は、校門清掃の為に集まっていた前を
アベル君を痛めつけようとした団体を見て、心配になり後をつけ乱闘を
目撃して、怪我をした人達に回復薬を売る交渉を持ちかけた。

前の試合で回復薬を買った事の有る腕を負った程度の人達は
ランクD薬を銀貨40枚で買い取ったが、ランクC薬や B薬を
必要とする人達は無料で提供するようにローゼリアさんを脅したので
その場から逃げ去った。

最終的にはほとんどの人はローゼリアさんから回復薬ランクC薬を
小金貨45枚でランクB 薬は金貨50枚で買い求めることになる。
何しろ騒ぎを陰護衛から聞いたマリーヌ商館長は回復薬を片付けて
品切れにしてしまい、王都の商店も次の買い付けの為に、C薬や
ランクB薬の手持ちはほとんど無かった。

回復薬を使って支払う段階になると、ダリルさんの事情聴取で
目撃者として事実を話したせいか、高すぎる商売をしている生徒として
学校に苦情が行き事情を聴かれ、騎士として慈悲が無いと
ローゼリアさんは退学処分を受けた。

王都の商人はアベル君を商会の代表として知っているから、回復薬を
持っていても簡単に売らなかっただろうし、手持ちもなかっただろう。
それにしても卑劣な貴族が多いな。
僕の気持ちを察したのかアベル君は
「ローゼリアさんの話は国王陛下の耳に入り、王騎士待遇を授爵しました」
「アベル様が近衛兵に勝ったご褒美に何が欲しいと聞かれ、私の事を話して
下さったので王騎士待遇を授爵されました」

*アベル君漢(おとこ)だねぇー*

「退学処分の代わりの授爵だから大したことが無いけれど」
「王騎士待遇は大したものです。感謝しきれません」

「ローゼリアさんも退寮になってしまい昨日まで王都商館の手伝いを
して貰ていました。サスケ兄さんたちの許しがあれば商会職員として
雇って欲しいのですが、お願いします」
「お願いします」
ローゼリアさんが頭を下げる前に、エメリーさんが幹部候補として
雇いますと宣言をして僕たちも即了承するとセシルさんは人材が増えて
良かったと嬉しそうに言ってくれた。

僕たちのところに男爵とエマ様が王都から戻り、一緒に食堂に入り
話の多い食事が始まる。

食事が始まり普段は話さないエマ様から話し出した
「王都の魔法師ギルドの会長を頼まれたのじゃが断った。
アベルの事は残念じゃが王宮も頭の痛い問題を抱えているようじゃた
ので、実質卒業扱いで収めたのじゃがダリルに飛び火してしもうた」

「ダリルお兄様に何かあったのですか?」
「セシリア、母上の話を聞きなさい。ダリルの事は儂からも話す」

「儂の知っている王宮は消えてしまったのじゃ、貴族の地位と権力は
絶対だと思い込んでいる者達が残念じゃが動かしていたのじゃ。
サスケ、魔法師ギルドの頼みで王都と旧ブルーノ市間の移動石2ライン
設置私的だのじゃ、領地境の見張り小屋から人荷車に乗って
いったのじゃが、快適に行けたのじゃ。同行した者達の探知にも
小型魔物以外何も探知出来なかったようじゃ。
ブルーノ邸は結界が2重に張られていたので探知は出来なかったがな。
国王陛下にお会いしたが覇気を失われ老いてしまわれていたのじゃ・・・」

遠くを見る目で悲しそうなエマ様のお話は終わり食事が進み終わるころに
「儂からほかの話もあるが後にして、アベルとダリルの話を少ししよう。
アベルは16才の誕生日を迎えると正式に王騎男爵を授爵する。
それまでは王騎士待遇で王騎士を名乗ることになった。
証言をしてアベルを助けたローゼリア嬢も王騎士待遇を授爵して残念だが
このまま王騎士待遇を名乗ることに決まった。
但し2人とも王騎士学校は未入学として扱い名前を残さない。
当然、乱闘騒ぎは無く各家間の問題も無かった事になる。
金銭的な損失は学校が返済するので入学金が返ってくる」

男爵の厳めしい顔が少し大貴族を馬鹿にしたような顔に変わっていて
「ローゼリア嬢の回復薬の売掛金は、学校が返済をして学生に貸し付ける。
卒業生の返済金は王宮が負担して各家に貸し付ける事になった。
もう返済は受けたと思うが、マドック家も保証する。

ダリルは王からの勅命で事件を1日で調べ上げ、翌日にはアベルを
使って3年以内に入った近衛兵と練習試合をさせ無様な78名を
強制除隊させ、この事実を近衛兵採用係と学校に突きつけ今年の
採用者は白紙として再試験をすること決めた。

独断と究明する王宮内と大貴族家の不快を買いダリルは近衛副隊長から
王騎士学校臨時校長と臨時近衛兵採用係を国王陛下から命じられ、
王騎士の授爵と子爵の襲爵を今日認められた。
もっとも臨時校長は半年間だけで、その間に学校を立て直すことを
命じられたから王宮貴族連中の嫌がらせだな。

学校教職員代行者を母上と冒険者・工芸・商業・農畜ギルドマスターの
協力で王都以外からも目星をつけた人選リストをダリルに渡したから、
後は入れ替えるだけだ、安心してみていなさい。
そのうえダリルは体制が整うまで50日間をほかの長期休暇と入れ替え
臨時休校にしてしまい、全学生に金貨1枚の小遣いを与え、社会経験を
学びレポート提出を義務づけ残す教師職員も金貨2枚渡して学校は空だ。

ダリルの奴は今のマドック家は学校の再建に金貨5千枚くらい出すことは
簡単でしょうと言いおって出させられた、ワッハァハ」

良かった学校が終わるとダリルさんも領地に帰ってくるし万々歳だな。
僕の計算はタヌキの皮算ならぬ毛にもならなかった・・

「お父様、学校が再建した後にダリルお兄様は何をなさるのですか?」
「しばらくセシリアたちに領地を任せ、エリス達を入れて5人で墓場
ダンジョンに潜ってダリルを鍛える、3~4年は冒険者をやりたいと
言っていた」

「お帰りなさらないのですか?奥様を連れて」
「首にした近衛に東公のアベルが腕を切り落とした生徒の中に西公の
孫や子供がいたので無理だろう」

「お兄様は?」
「セシリア心配する必要はないのじゃ、ダリルは王宮に肌が合わんのじゃ。
男爵家も面倒でアベルが継げと強要していたくらいじゃ。
冒険者になって世界を見て来ることも必要なのじゃ」

エマ様の話で食事は終わり、お茶室で家族会議が開かれることになり、
ローゼリアさんも参加するようにセシルさんから言われて、
足をお茶室に運んだ。

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