シャ・ベ クル

うてな

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プロローグ 憧れの『ヤポーニヤ』

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 日本は素敵な国だ。


約三十年以上前、

この国は戦争に負け、
大事な人を失い、
家を失くし、
強い屈辱を受けた。

荒廃した町並みと、空虚が人々の心を苛ましたはずだ。


それから、
 ニッポンという国は急速な発展を遂げた。

今では都会の繁華街、夜はキラキラしている。

大学に合格した学生達が、黄電話で親に報告したり。

駅には多くの車やタクシー、街の歩道には沢山自転車が止まっていた。


大きな建物も増えた。
コンビニができた、
自動販売機ができた、
今では買い物に紙袋なんて使わない、ビニール袋も普及した。

…公害が起きて沢山の犠牲を、
 悲しい事件が起こる事もあるけれど。


それでも、それでも大きな成長を遂げた、
ある種革命だった。



俺はこの国に希望を抱いて、数年前にやってきた。
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