屍人の陰陽師

うてな

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ヨミ編

060 邸宅へお邪魔します

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そして韻は、とある邸宅に着いた。映画やドラマで出てくるような大きな家を見ると、韻は感嘆の声を上げる。

「すっげー大きい家だなぁ…。」

「ふふ、喜んでもらえて何よりさ。」

そして屋内へ入ると、まずは廊下でなく広間があり驚く韻。どう掃除しているかわからないほど広い家に呆気を取られつつ、美輝に連れられリビングへと入室。一般と比べて広い方だが無理に高級感は出さず、普通のリビングを再現しているようだった。
そこにはマイもおり、マイはエプロン姿でお菓子作りをしている。韻はそれを見て、頬を赤らめた。マイは気づくと言う。

「いらっしゃい、神木間くん。」

韻は嬉しさを隠す為に視線を逸らすが、全く隠せず表情が嬉しそうである。

「よ、よお!尾崎まい!」

しかし次の瞬間、韻はマイのエプロンが視界に飛び込み驚いた。エプロンにはボクサーパンツ姿のマッチョな男性が印刷されている。ポーズも大人向けであり、なんとも際どい男性の印刷。
韻は思わず白目を剥いて愕然としてしまった。
一方、美輝はマイを見ると喜んでマイに飛びついた。そして頬をすりすりとするので、韻は更に驚いた様子を見せる。マイも少し困っている様子だったが、美輝は言った。

「ただいまマイ!ただいまのチューは?」

「チュー!?」

と驚いたのは韻。マイはそれを聞かれると顔を赤らめて、小さい声ながらも精一杯否定する。

「ひ、額によ…!別に、本当のキスじゃないから…!」

「外国人?」

韻が言うと、マイは首を横に振った。韻は美輝が変に思える。美輝は体で覆い隠すようにマイに抱きついてベッタリで、これが親子と思うと変に感じた。マイは抵抗できない様子で困っていたので、韻は美輝の方へやって来て言う。

「あの、娘さんが恥ずかしがってるんで離れた方が…」

「嫌だよ~。…あ、そうだ。」

美輝はそう言うと、片腕をマイから離す。離したかと思うと、今度は韻も巻き込んで抱擁した。

「え!?」

韻は驚いた様子でいて、それでもってマイと至近距離にいるためか頬を赤らめた。マイは恥ずかしさで完全に俯いてしまっている。すると美輝は言った。

「君はマイの大切な友達…。でも僕はね、君はマイの友達以上の存在になれるって信じてる。」

「友達以上…って…それって…」

韻は頬を赤くして目を丸くした。するとオーブンが鳴ったので、マイは言う。

「ご、ごめんなさい…料理があるので…!」

そう言ってマイは美輝を突き放し、オーブンへと向かった。韻はそんなマイを心配の眼差しで見ていたが、まだ美輝の抱擁が取れない。韻は微妙な様子になると言う。

「えっと…娘さん離れましたが?いつまで抱擁するんですか?」

すると美輝は今度は韻を強く抱擁するので、韻は仰天。美輝は笑顔で言う。

「何言ってるの韻くん!君がマイと結婚したら、君は僕の息子になるんだから!今からでも抱擁させて欲しいな!」

「け、けけけ、結婚…!?」

韻は呆然としてしまうと、キッチンから物音が鳴った。二人がその方を見ると、そこには顔色を暗くしてマイが俯いている。怒りを溜め込んだ様子に見えたが、顔を上げた表情はいつも通り落ち着いていた。

「急に結婚とか抱擁とか…神木間くんが困るからやめてください、お父さん。」

どうやらマイは、韻の為にそう言ったようだ。異様に冷静で冷たくも感じる視線を美輝に向けるマイ。すると美輝は自然と韻から離れるので、韻は気不味い様子になる。しかし韻はマイを見ながら目を丸くした。

(尾崎まい、カッケー…!普段は大人しくてか弱い感じなのに、いざって時は凛として…!)

どうやら感心している様子。美輝は怒られたことに落ち込んだ様子になると、マイは気にせず韻に言った。

「クッキー作ったの。…飲み物用意するから、一緒にお話でもしましょう。」

「お、おう。」

韻はマイの気に圧倒されながらも、マイの言う通りにするのだった。
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