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ヨミ編
064 黄泉の正体
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場面は戻り、神木間家。
韻の部屋では、韻がベッドに寝かされていた。額に冷却シートを貼り、悪夢にうなされる様に寝苦しい表情だった。そしてそれを、ポチが心配そうに見守っていた。
部屋の外の扉前では、翔太郎と父とレフの姿があった。そしてコッソリ、父の肩の上にナメクジもいる。父は韻の部屋に札を貼ると、霊力を使った。更に数枚の札をばら蒔くと、その札は人型へと変化。どうやらこれは、父の扱う式神の様だ。翔太郎は感心した様子でそれを見ていると、父は翔太郎に言う。
「韻の部屋には結界を貼っておいた。これで韻の霊力が暴走する心配はない。一応、韻の様態が急変した時の為に式神もつかせておこう。」
「ありがとうございます、父さん…。」
父はそれに深く頷くと、それから視線をレフにやった。レフはそれに頭を下げると、父は言う。
「韻が、レフを『黄泉』と…そう呼んだのだな。」
その口ぶりを聞き、翔太郎は父に聞く。
「父さん、何か知っているんですか?黄泉の事。」
「知っているも何も…私は実際に黄泉に会った事がある。」
その言葉に翔太郎は目を剥くと、レフは父に隠れて言った。
「あの、翔太郎さん…。知られてしまった以上、伝えなければならない事があります…。」
「レフさん?」
翔太郎はレフの方を見ると、レフは顔を出してから言いづらそうにして口を開く。それでも声が出ないので、父が言った。
「レフが黄泉だ。」
「ちょっと【正晃(マサアキ)】さん…!」
その言葉に翔太郎は仰天すると、正晃が更に加える。
「レフの正体は、あの世を護る女王。黄泉の国のトップ、それがレフなんだ。」
信じられない様な告白に、翔太郎は思わず呆然としていた。
「れ…レフさんが女王…」
「だが、人々を死に至らしめようとしている黄泉は…レフとは別人だろう。」
それを聞いて、翔太郎は目を丸くした。
「それはつまり、黄泉を名乗っている別人がいるって事ですか?」
「私はそう考える。…レフ、どう思う。」
レフはそれについて黙り込んだ。翔太郎はレフの様子を伺いながら言う。
「レフさんがまさか、魂の終着地点である黄泉…その女王様だとは思いもしませんでした…。でも今考えれば、レフさんはただの幽霊にしては霊力の扱い方や、霊力以外の力の存在も知っていて…そう考えたら納得と感じます。」
翔太郎が真摯な様子で言う。俯いていたレフは心に決めた様子になり顔を上げた。
「…黄泉は二人います。」
「黄泉が二人…!?」
翔太郎は驚いた様子を見せていたが、正晃は落ち着いた様子のままだった。レフはそれに頷くと、話を続ける。
「いいえ、正しく言うと…私には弟が居るのです。彼らの言う黄泉は、きっと弟の事です…。」
「弟さん…ですか?」
すると正晃も話し始めた。
「レフの弟さんには、何度かお会いした事がある。レフさんに似て穏やかな方で、人を殺めようなどと考える様には見えなかったが…。」
「なぜ弟がそんな暴挙に出たのか、私にもわからないのです…。弟を止める為に、私は地上へ来たのです。」
二人の話を聞き、翔太郎は話を整理した。
(なるほど…。つまり初めて会った時に言っていたレフさんの頼みとは、その弟さんを止める事なのか。
…レフさんは今まで多くの事を黙ってただろうし…僕が持つ情報と食い違いがあるかもしれない。
レフさんは『黄泉は霊能者の力を一箇所に集めたがっている』と言っていたが…黄泉の目的と何か関連が?)
翔太郎はそう考えていると、レフは翔太郎の背に体をくっつける。レフの大きな胸が背につくので、翔太郎は思わず顔が真っ赤に。しかしレフの考えが、翔太郎に伝わる。
『腕がない為、こうして体に密着するご無礼…お許し下さい。翔太郎さん…翔太郎さんは今、屍人の霊能者について知りたがっていますね…?』
(え…?僕の考えが筒抜け…!?)
翔太郎は驚いていると、レフは続けた。
『翔太郎さんの人の考えを読める力…。実は私も使えるのです…私には翔太郎さんの考えている事がわかります。』
その声に翔太郎は納得する。
(だから今まで、心を見透かした様な言葉を言っていたのか…。ではなくて、あの…話して頂けるんですか?)
『はい。霊能者はあの世から力を授かったと言いましたよね。あの世と言うのは少し、表現が違いました…。
本当は…既に故人となっている、『光の陰陽師』の力を授かっています。』
(『光の陰陽師』…?)
『もっと正しく言えば、その陰陽師が弟子に自分の力を分け与えたものです。その弟子の子孫が霊能一族…『屍人の陰陽師』となります。その陰陽師は、私達黄泉と同等の力を持っていました。弟は何を面白がってなのか、一人の屍人にその力を集中させたがっています。』
(そんな強力な陰陽師がいたんですね…。では、レフさんが屍人同士の消し合いを助長した訳じゃないんですね。あくまで弟さんの策略と。)
『はい。そして…その陰陽師の力を持つ霊能一族の中に、更に別の力を得た霊能一家もいます。
…いいえ、一つだけ…。』
(一つ…?)
『…その一つの一家だけは、私の力も貰っているのです。』
レフの言葉に、翔太郎はピンと来た。するとレフは笑みを浮かべる。
『そう…。その霊能一家こそ…ここ、神木間家なのです。』
韻の部屋では、韻がベッドに寝かされていた。額に冷却シートを貼り、悪夢にうなされる様に寝苦しい表情だった。そしてそれを、ポチが心配そうに見守っていた。
部屋の外の扉前では、翔太郎と父とレフの姿があった。そしてコッソリ、父の肩の上にナメクジもいる。父は韻の部屋に札を貼ると、霊力を使った。更に数枚の札をばら蒔くと、その札は人型へと変化。どうやらこれは、父の扱う式神の様だ。翔太郎は感心した様子でそれを見ていると、父は翔太郎に言う。
「韻の部屋には結界を貼っておいた。これで韻の霊力が暴走する心配はない。一応、韻の様態が急変した時の為に式神もつかせておこう。」
「ありがとうございます、父さん…。」
父はそれに深く頷くと、それから視線をレフにやった。レフはそれに頭を下げると、父は言う。
「韻が、レフを『黄泉』と…そう呼んだのだな。」
その口ぶりを聞き、翔太郎は父に聞く。
「父さん、何か知っているんですか?黄泉の事。」
「知っているも何も…私は実際に黄泉に会った事がある。」
その言葉に翔太郎は目を剥くと、レフは父に隠れて言った。
「あの、翔太郎さん…。知られてしまった以上、伝えなければならない事があります…。」
「レフさん?」
翔太郎はレフの方を見ると、レフは顔を出してから言いづらそうにして口を開く。それでも声が出ないので、父が言った。
「レフが黄泉だ。」
「ちょっと【正晃(マサアキ)】さん…!」
その言葉に翔太郎は仰天すると、正晃が更に加える。
「レフの正体は、あの世を護る女王。黄泉の国のトップ、それがレフなんだ。」
信じられない様な告白に、翔太郎は思わず呆然としていた。
「れ…レフさんが女王…」
「だが、人々を死に至らしめようとしている黄泉は…レフとは別人だろう。」
それを聞いて、翔太郎は目を丸くした。
「それはつまり、黄泉を名乗っている別人がいるって事ですか?」
「私はそう考える。…レフ、どう思う。」
レフはそれについて黙り込んだ。翔太郎はレフの様子を伺いながら言う。
「レフさんがまさか、魂の終着地点である黄泉…その女王様だとは思いもしませんでした…。でも今考えれば、レフさんはただの幽霊にしては霊力の扱い方や、霊力以外の力の存在も知っていて…そう考えたら納得と感じます。」
翔太郎が真摯な様子で言う。俯いていたレフは心に決めた様子になり顔を上げた。
「…黄泉は二人います。」
「黄泉が二人…!?」
翔太郎は驚いた様子を見せていたが、正晃は落ち着いた様子のままだった。レフはそれに頷くと、話を続ける。
「いいえ、正しく言うと…私には弟が居るのです。彼らの言う黄泉は、きっと弟の事です…。」
「弟さん…ですか?」
すると正晃も話し始めた。
「レフの弟さんには、何度かお会いした事がある。レフさんに似て穏やかな方で、人を殺めようなどと考える様には見えなかったが…。」
「なぜ弟がそんな暴挙に出たのか、私にもわからないのです…。弟を止める為に、私は地上へ来たのです。」
二人の話を聞き、翔太郎は話を整理した。
(なるほど…。つまり初めて会った時に言っていたレフさんの頼みとは、その弟さんを止める事なのか。
…レフさんは今まで多くの事を黙ってただろうし…僕が持つ情報と食い違いがあるかもしれない。
レフさんは『黄泉は霊能者の力を一箇所に集めたがっている』と言っていたが…黄泉の目的と何か関連が?)
翔太郎はそう考えていると、レフは翔太郎の背に体をくっつける。レフの大きな胸が背につくので、翔太郎は思わず顔が真っ赤に。しかしレフの考えが、翔太郎に伝わる。
『腕がない為、こうして体に密着するご無礼…お許し下さい。翔太郎さん…翔太郎さんは今、屍人の霊能者について知りたがっていますね…?』
(え…?僕の考えが筒抜け…!?)
翔太郎は驚いていると、レフは続けた。
『翔太郎さんの人の考えを読める力…。実は私も使えるのです…私には翔太郎さんの考えている事がわかります。』
その声に翔太郎は納得する。
(だから今まで、心を見透かした様な言葉を言っていたのか…。ではなくて、あの…話して頂けるんですか?)
『はい。霊能者はあの世から力を授かったと言いましたよね。あの世と言うのは少し、表現が違いました…。
本当は…既に故人となっている、『光の陰陽師』の力を授かっています。』
(『光の陰陽師』…?)
『もっと正しく言えば、その陰陽師が弟子に自分の力を分け与えたものです。その弟子の子孫が霊能一族…『屍人の陰陽師』となります。その陰陽師は、私達黄泉と同等の力を持っていました。弟は何を面白がってなのか、一人の屍人にその力を集中させたがっています。』
(そんな強力な陰陽師がいたんですね…。では、レフさんが屍人同士の消し合いを助長した訳じゃないんですね。あくまで弟さんの策略と。)
『はい。そして…その陰陽師の力を持つ霊能一族の中に、更に別の力を得た霊能一家もいます。
…いいえ、一つだけ…。』
(一つ…?)
『…その一つの一家だけは、私の力も貰っているのです。』
レフの言葉に、翔太郎はピンと来た。するとレフは笑みを浮かべる。
『そう…。その霊能一家こそ…ここ、神木間家なのです。』
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