相剋のドゥエット

うてな

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08 天使がやってくる

079 裁判から免れる為には…?

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突然ケリスに呼ばれる一同。
フューレンは困った顔をしながらも言った。

「最近ケリスに呼び出されるのが多い気がするんだが?」

「気のせいです!」

するとフューレンの隣を歩いていたキリエルも苦笑して言う。

「僕もそんな感じする…かも。」

「今度はなんだよ。」

フューレンは呆れた様子で聞くと、ケリスは慌てた様子で言った。

「じ、実は近々天使の裁判が行われるらしくて…!」

それを聞いた瞬間、フューレンは眉を潜める。
キリエルは首を傾げた。

「天使の裁判?何それ。」

「うぅ…お父さんから聞いた事ないんですかキリエルは。」

「え~、悪魔に詳しくても天使に詳しいワケじゃないからな~」

「それもそうですね…この世界に天使は基本的にはいませんから…」

ケリスはそう言うと、キリエルは苦笑。
すると言った。

「で、なんかヤバイの?その裁判って。」

するとケリスはキリエルに向けて前屈みになりながらも言った。

「ヤバイも何も!裁判で極刑を食らってしまったらどうするんですか!」

「極刑…?」

キリエルはその言葉に目を丸くした。
どうやらしっくり来ていない様子。
フューレンは言った。

「人殺ししてきた奴等に、死を持ってそれを償ってもらうんだよ。」

それを聞いた瞬間、キリエルは驚いてしまう。

「裁判でそんなのが決まっちゃうの!?」

フューレンは呆れてしまう。

「そんなのが決まっちゃうって…この世界には裁判ってものが機能してないのか?」

ケリスに聞くと、ケリスは少し考える。
ケリスは上の空で言った。

「確かに他の世界と比べたら、機能していませんね。この世界の裁判は、仲介に近いものなので。」

フューレンは首を傾げていたが、キリエルは慌てた様子で言った。

「生物を一人でも殺したらその、死刑なの!?」

「さあ。」

フューレンが言うので、キリエルは震えていた。

「そんな事だったら死んじゃう…!この教会の人も、親も…!」

「そう言や悪魔も殺害人数に入るのか。」

フューレンは落ち着いた様子で言うので、キリエルは思わず涙目。
キリエルはフューレンに言った。

「もう!フューレンは落ち着きすぎだよ!!」

「これが落ち着いているように見えるのか?」

「見えるよ!」

確かにフューレンの様子は、傍から見たら落ち着いているように見えるだろう。
しかしフューレンも内心は焦っている。
フューレンだって知り合いが極刑にされても、気分がいいわけないのだから。

そこにモルビスとワレリーがやってくる。

「おや、ケリス。何の用ですか?」

ワレリーが言うと、モルビスは言った。

「天使の裁判がどうのーって言ってましたが。」

それを聞くと、ワレリーは反応を見せる。
するとキリエルはワレリーに泣きついた。

「どうしよう牧師様!僕達死刑にされちゃうよ…!」

「キリエルは極刑の対象にはならないとは思いますがね。」

「なんで!?悪魔を一人殺しちゃったよ!?」

「そこに悪意はありませんからね。
キリエルが賞金目的で狩りを行ったものなら、経歴はこれだけでは終わらないはずですから。」

ワレリーにそう言われると、キリエルは納得したのか少し落ち着いた様子に。
しかしキリエルはすぐに焦った表情。

「でもでも!他のみんなが…!」

「天使の裁判は本当に起こるのですか?誰がそんな噂を流したというのです。」

ワレリーが言うので、そこにスピムがやってきた。
スピムは新聞の見出しを見せて言う。

「これです牧師様!革命派が、ついに本格的に動き出したんです!」

ワレリーは新聞を見ると険しい表情。

「魔術科学園で裁判…?」

「ヴァレリカも裁判にかけられるんでしょうか?」

スピムが言うと、ワレリーは考えた。
フューレンは言う。

「裁判にかけなきゃ公平な裁判とは言えないが、生憎裁けるような生物じゃないからなヴァレリカは。」

「天使を殺せてしまいますからね。」

と言ったのはケリス。
それに対し、ワレリーは小さく頷いた。

そこへ、更にフェオドラがやってきた。

「ケリスー!話って何ー?」

するとモルビスは微妙な反応をしてケリスに言う。

「おいおいケリス、フェオドラには言わない方が…」

「ど、どうしてですか?」

ケリスが困ると、モルビスは続けた。

「いやだって子供だし…」

そう言われると、フェオドラは膨れた。

「子供じゃないもん!!」

するとワレリーは微笑む。

「安心なさい。例え裁判が始まっても、処刑などされませんよ。」

「どうして?」

キリエルが目を丸くして聞くと、ワレリーは微笑んだまま言った。

「大丈夫。信じなさい。」

その言葉に、一同は目を丸くした。
フューレンは目を細めながら言った。

「牧師らしい一言だが、ワレリーが言うと違和感を拭えないな。」

するとワレリーは鼻で笑う。

「おやおや、酷いですね。」

スピムは苦笑してしまうと言った。

「牧師様の事ですもの、何か考えがあるんだわ。」

「考えって?」

フューレンが聞くと、スピムは首を横に振る。

「その時にならないと言わないのよ、牧師様は。頑なにね。」

それを聞くとフューレンはワレリーを見た。
ワレリーは一同に微笑んでいるだけ。
フューレンは考えた。

(死刑から免れるなんて…経歴を騙すか、それ層の反省を行動に示してないと駄目じゃないか…?)

難しくもフューレンは、そんな事を考えていた。
キリエルは気になるのか、頬を膨らませて言う。

「くぅ…!こういうのすっごい気になっちゃうんだよね~!」

フレノアも呆れた様子で言う。

「もう、こういうのは早めに言ってもらえないと、アタシ達も気が気でないのに。」

ワレリーはそれに対し、クスクスと笑う。
そんなワレリーを見て、一同は溜息をついてしまった。

すると、ワレリーは手を叩いて言う。

「ほらほら解散ですよ。皆さん、自分の時間は大切にしなさい。」

そう言って、そそくさとワレリーは部屋に戻っていく。
フューレンはそんなワレリーの後ろ姿を、怪しく思うあまりに睨んでしまっていた。





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