植物人間の子

うてな

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第4章 侵食―エローション―

129 妻の心がミンスに

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砂漠の国の王宮では、国民が避難していた。
王宮全体にはバリアが施されており、国民は王宮の中でも普通に暮らしていた。
そのバリアを張っているのは、なんとサウザの父であるテオドール。

「ごめん父上…!
今の俺じゃ国の環境を保ちながら、ミンスの力を防ぐなんてとても無理…!」

サウザはテオドールに謝罪をする。
テオドールはサウザに微笑んだ。

「沢山頼れよ、サウザばかりに負担はかけられない。俺も一応力があるんだし、このくらいは頑張るぜ。
んま、バリアなんて専門外だからすぐへばるけど、そん時ぁサポートよろしくサウザ。」

「勿論だよ父上~!」

するとそこに、国民の子供たちはテオドールを囲う。

「王が戻ってきたからには国は大丈夫だよね!」

笑顔を見せる子供、大人達はミンス達を思って言った。

「あの子…まだ懲りてなかったのね。」

テオドールは子供の頭を撫でる。

「国民を救う為、最善を尽くそう。…サウザ、ちょっと話があるから奥においで。」

「はい今すぐー」

王族しか入れない奥の個室に入ると、テオドールはティーセットを用意していた。
サウザは溜息。

「だいぶ余裕ですね父上。」

「いいから座ってぇ。色々語り合おう。」

「世界の一大事に何を言ってるの~!も~父上ったら昔から全く変わらないんだから~!」

サウザが言うと、テオドールは笑い飛ばす。

「大人になってから急に人柄が変わるなんて滅多にないだろう。
ささ。」

テオドールはサウザを椅子に座らせ、自分も着席する。

「なんですか。」

サウザはお茶を飲んで言うと、テオドールはサウザに寄ってきて言った。

「あまりにも立派な息子になっていたんで驚いた。」

「それはー、十年以上も王様やってたら慣れますよー」

テオドールは満足気に頷いていると、サウザはテオドールを見て言った。

「そう言えば父上はクロマに死霊召喚されたんでしょ?なんでこんなに力が使えるの?というか、全然戻されたりしないよね…。」

するとテオドールはサウザを見て微笑んだ。

「死霊召喚は名前はそうだけど、実際は死霊召喚じゃないんだよ。」

「え?どゆこと?」

「石になった人間を、元の形に戻してあげる事を言うんだ。
つまりね、その力さえあれば今まで植物人間になった人が元に戻るんだよ。」

それを聞いたサウザは目を輝かせた。
テオドールはお茶を飲むと続ける。

「力や姿を多少いじる事はできるみたいだが…どうやら俺は本当にこの世界にただ復活しただけみたいだな。
その上、普通の死霊にはあるクロマの束縛を受けない。」

「なーんでだろ?」

サウザの質問に、テオドールは笑顔を見せた。

「ミンスに贔屓されてるかも俺。」

「どういう意味!?」

「ミンスは妻の分身だからな。もしかしたら俺の事が好きで好きで仕方がない。って可能性もある。」

サウザは顔を引きつった。

「自分で言うそれ。」

「なぜミンスはクロマを作ったと思う?
クロマはミンスの理想の子供なんだ。俺にそっくりな、子供が欲しかった。」

「そんな事ないでしょ、第一顔だけで他が似てないもん!」

サウザが言うと、テオドールはサウザの頭を撫でた。

「ひと個人を全てコピーだなんて、ミンスでも無理だ。だからクロマは、似せようとしただけの別商品。」

サウザはムッとする。

「確かに父上はクロマと違って浮気者。」

「ミンスじゃ俺を理解できないな。クロマがああいう性格なっちゃうのもわかるわかる。」

「随分わかった口しますね。」

サウザが言うと、テオドールは笑った。

「全部想像。」

サウザは面食らった表情。

「も~!」

「はっは~!最近彼女とはどうだ?エッチしてる?」

そう言われると、サウザは顔を赤くした。

「けけけ結婚するまでお預けだもん!」

「本当にサウザは真面目!誰に似たんだお前はも~」

テオドールは愛くるしくサウザを撫でた。
サウザはそっぽ向く。

「こ~んなに女にだらしのない親がいたら、嫌でも真面目になっちゃうもんね!」

「純粋だぞ!このこの~!」

とテオドールはサウザの腹をくすぐる。
サウザは抵抗しながらも笑った。

「あ!駄目!笑っちゃうふふっ、あははっ!も~っ!」

暫く、この親子はじゃれていた。
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