146 / 222
第4章 侵食―エローション―
128 はじめてのおつかい
しおりを挟む
秋田宇宙生物研究所にて。
そこには入院中の綺瑠に代わって、誠治がやってきていた。
誠治は研究所の白衣を着て、ヒヤヒヤした様子だった。
(うっ…ここが天下の秋田財閥が動かす研究所…!
先日お使いでエンジェルスネイティブ本社に足を運んだ時もそうだけど…やっぱり天下の財閥が動かす会社に来ると場違いな感じがして…)
誠治は完全に圧倒されていた。
誠治は研究所廊下を歩いていると、研究員の話が耳に入る。
「おいおい、代表が死んだらしいぜ?坊ちゃんも重症だって…」
「えぇ…ここはどうなってしまうんだ?」
「坊ちゃんはこのまま療養すれば退院できるって聞いたけど…」
「嫌だよ、坊ちゃんがここを動かすのさ。
秋田代表の時はちょっとお使いしたら給料プラスしてくれたけど、坊ちゃんが代表になった瞬間に戻った。
お金もっと積んでくれないかなぁ。」
「あー…わかるかも…。秋田代表はお金の融通利いたもんな。
対し坊ちゃんは、ルーズに見えて契約や管理に厳しーからなあ。」
誠治はつい気になって、話を聴きに行ってしまう。
「あのー新参者ですが…お使いとはなんですか?」
「おお、新人か!この時期に就職なんてついてないなー!」
「お使いってね、秋田代表から下される給料アップミッションさ。
自分の場合はそうだな、人間にウィルスを投与するだけのミッションだった。
十四年前の事なんだけどな、これだけで給料爆上がりしてるんだよ!」
「ウィルス…?」
誠治はそれを聞いて、呆然。
「うん。ウィルスを打たれるとな、身体の作りが人間じゃなくなってしまうんだと。
打たれた人間はどうなったか知らないが、いい仕事だろ?」
誠治は顔を真っ青にしていた。
(そんな恐ろしいお使いが…!?)
すると別の研究員が言う。
「おいおい、話すのまずかったんじゃねぇの?」
「いいだろ、別に坊ちゃんの耳に入るわけじゃないんだし。」
誠治はそれを聞いて、相手に軽く礼をした。
「教えていただきありがとうございました。今日から頑張ります。」
「おう!頑張れ新人!」
それから数十分後。
ここは研究所にある会議室。
多くのグループの班長が集まる中、誠治は緊張した様子でいる。
(大丈夫、指示する内容は全部奈江島さんから聞いたし…!大丈夫、伝言するだけだ…!)
「今回はお集まりいただきありがとうございます。
初めまして、奈江島会ちょ…奈江島代表から秘書を任されました、九重誠治と申します。
本日は、各グループに代表からの伝言を伝えさせていただきます。」
一部の人間を除き、研究所のみんなの視線が冷たい。
「なぜこんな若い男が秘書なんだ」というような顔だ。
誠治はその圧迫感に冷汗を流すと、出席していた上郷が手を挙げた。
「秘書を任されても研究所の事、何も知らないだろう。
これでも俺は秋田前代表の補佐していた、わからない事はなんでも聞いてくれ。
あ、俺は第三研究グループ二班の班長、上郷善光。よろしく。」
「あっ、あ、ありがとうございます…!よろしくお願いします…!」
誠治は頭を下げると、上郷は頷いた。
すると、別のグループのある程度歳を重ねた男性が言った。
「私は第五研究グループ、リーダーの篠田です。
今日は第二研究グループリーダーの久坂がおりませんが、後で私から連絡しておきます。」
「え…あ、はい。恐れ入ります。」
誠治は目を丸くした。
(久坂さんは第二研究グループのリーダーさんだったんですね…)
誠治は息を整えて、話を始めた。
「世界中の生物が今、植物人間にされつつあるのは皆さんご存知ですよね?
奈江島代表は、植物人間になった生物を元に戻す方法を見つけ出そうと考えています。
つまり、この研究所のこれからの目的は、それとなります。」
一同は顔を見合わせる。
誠治は続けた。
「各グループ、有志を集めてください。
第四グループは二つに別れ、片方は植物人間の花粉除去製品の改良をお願いします。製品は出来次第、各電化製品会社に生産の掛け合い、世界中に広めます。
第一グループは、各避難所の花粉量を計測、及びまとめ、植物人間の驚異やデータを各メディア等に情報提供してあげてください。
第二グループは、根無し植物人間を観ている者はすぐに植物人間を隔離してください。そうでない場合は、研究を続行してください。
第三グループと第五グループは、第四グループの残りと協力して植物人間を戻す方法を研究してもらいます。
良い成績を収めた方は、それ相応の待遇を今後約束するそうです。
慣れない場での作業が続く事が予想されますので、各班ミーティングや報告書作成を怠らないように。
どんなに小さな事でも報告書に書いて と、代表からのお言葉です。
事務の方、全国の秋田宇宙生物研究所に今の話をご連絡お願いします。
皆さん、今日からもっと忙しくなります。一緒に頑張りましょう…!」
誠治がここまで言うと、第五グループの五班の班長が手を挙げた。
「えっと…五班は謹慎中ですが…研究に混ざってもよろしいのでしょうか…?」
すると誠治は言う。
「申し訳ありませんが、五班にはやって頂きたい事があります。
今まで研究でウィルスを投与した人間を全員、炙りだしていただきたいのです。」
すると、第一グループのとある班は言った。
「あ、人探しなら得意だから協力するよー」
「本当ですか…!」
五班の班長が言うと、誠治は微笑んで頷く。
それと同時に他の研究員もこれからについてを話し始め、会議は円滑に進む。
一気に緊張が解れ、温和になる会議室。
誠治は所々メモを取りながらも、その会議を微笑ましく見ていた。
(研究員って、とてもお堅いイメージですが…素敵な方ばかりいるんですね。)
そこには入院中の綺瑠に代わって、誠治がやってきていた。
誠治は研究所の白衣を着て、ヒヤヒヤした様子だった。
(うっ…ここが天下の秋田財閥が動かす研究所…!
先日お使いでエンジェルスネイティブ本社に足を運んだ時もそうだけど…やっぱり天下の財閥が動かす会社に来ると場違いな感じがして…)
誠治は完全に圧倒されていた。
誠治は研究所廊下を歩いていると、研究員の話が耳に入る。
「おいおい、代表が死んだらしいぜ?坊ちゃんも重症だって…」
「えぇ…ここはどうなってしまうんだ?」
「坊ちゃんはこのまま療養すれば退院できるって聞いたけど…」
「嫌だよ、坊ちゃんがここを動かすのさ。
秋田代表の時はちょっとお使いしたら給料プラスしてくれたけど、坊ちゃんが代表になった瞬間に戻った。
お金もっと積んでくれないかなぁ。」
「あー…わかるかも…。秋田代表はお金の融通利いたもんな。
対し坊ちゃんは、ルーズに見えて契約や管理に厳しーからなあ。」
誠治はつい気になって、話を聴きに行ってしまう。
「あのー新参者ですが…お使いとはなんですか?」
「おお、新人か!この時期に就職なんてついてないなー!」
「お使いってね、秋田代表から下される給料アップミッションさ。
自分の場合はそうだな、人間にウィルスを投与するだけのミッションだった。
十四年前の事なんだけどな、これだけで給料爆上がりしてるんだよ!」
「ウィルス…?」
誠治はそれを聞いて、呆然。
「うん。ウィルスを打たれるとな、身体の作りが人間じゃなくなってしまうんだと。
打たれた人間はどうなったか知らないが、いい仕事だろ?」
誠治は顔を真っ青にしていた。
(そんな恐ろしいお使いが…!?)
すると別の研究員が言う。
「おいおい、話すのまずかったんじゃねぇの?」
「いいだろ、別に坊ちゃんの耳に入るわけじゃないんだし。」
誠治はそれを聞いて、相手に軽く礼をした。
「教えていただきありがとうございました。今日から頑張ります。」
「おう!頑張れ新人!」
それから数十分後。
ここは研究所にある会議室。
多くのグループの班長が集まる中、誠治は緊張した様子でいる。
(大丈夫、指示する内容は全部奈江島さんから聞いたし…!大丈夫、伝言するだけだ…!)
「今回はお集まりいただきありがとうございます。
初めまして、奈江島会ちょ…奈江島代表から秘書を任されました、九重誠治と申します。
本日は、各グループに代表からの伝言を伝えさせていただきます。」
一部の人間を除き、研究所のみんなの視線が冷たい。
「なぜこんな若い男が秘書なんだ」というような顔だ。
誠治はその圧迫感に冷汗を流すと、出席していた上郷が手を挙げた。
「秘書を任されても研究所の事、何も知らないだろう。
これでも俺は秋田前代表の補佐していた、わからない事はなんでも聞いてくれ。
あ、俺は第三研究グループ二班の班長、上郷善光。よろしく。」
「あっ、あ、ありがとうございます…!よろしくお願いします…!」
誠治は頭を下げると、上郷は頷いた。
すると、別のグループのある程度歳を重ねた男性が言った。
「私は第五研究グループ、リーダーの篠田です。
今日は第二研究グループリーダーの久坂がおりませんが、後で私から連絡しておきます。」
「え…あ、はい。恐れ入ります。」
誠治は目を丸くした。
(久坂さんは第二研究グループのリーダーさんだったんですね…)
誠治は息を整えて、話を始めた。
「世界中の生物が今、植物人間にされつつあるのは皆さんご存知ですよね?
奈江島代表は、植物人間になった生物を元に戻す方法を見つけ出そうと考えています。
つまり、この研究所のこれからの目的は、それとなります。」
一同は顔を見合わせる。
誠治は続けた。
「各グループ、有志を集めてください。
第四グループは二つに別れ、片方は植物人間の花粉除去製品の改良をお願いします。製品は出来次第、各電化製品会社に生産の掛け合い、世界中に広めます。
第一グループは、各避難所の花粉量を計測、及びまとめ、植物人間の驚異やデータを各メディア等に情報提供してあげてください。
第二グループは、根無し植物人間を観ている者はすぐに植物人間を隔離してください。そうでない場合は、研究を続行してください。
第三グループと第五グループは、第四グループの残りと協力して植物人間を戻す方法を研究してもらいます。
良い成績を収めた方は、それ相応の待遇を今後約束するそうです。
慣れない場での作業が続く事が予想されますので、各班ミーティングや報告書作成を怠らないように。
どんなに小さな事でも報告書に書いて と、代表からのお言葉です。
事務の方、全国の秋田宇宙生物研究所に今の話をご連絡お願いします。
皆さん、今日からもっと忙しくなります。一緒に頑張りましょう…!」
誠治がここまで言うと、第五グループの五班の班長が手を挙げた。
「えっと…五班は謹慎中ですが…研究に混ざってもよろしいのでしょうか…?」
すると誠治は言う。
「申し訳ありませんが、五班にはやって頂きたい事があります。
今まで研究でウィルスを投与した人間を全員、炙りだしていただきたいのです。」
すると、第一グループのとある班は言った。
「あ、人探しなら得意だから協力するよー」
「本当ですか…!」
五班の班長が言うと、誠治は微笑んで頷く。
それと同時に他の研究員もこれからについてを話し始め、会議は円滑に進む。
一気に緊張が解れ、温和になる会議室。
誠治は所々メモを取りながらも、その会議を微笑ましく見ていた。
(研究員って、とてもお堅いイメージですが…素敵な方ばかりいるんですね。)
0
あなたにおすすめの小説
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる