植物人間の子

うてな

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第4章 侵食―エローション―

131 お風呂入るです!

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ミンスはミィシェルに人差し指を向け、淡い光を放つ。
目の前に透明の小石が現れ、金色に光った。
その小石はミィシェルの額に向かい、そのままミィシェルの中に入っていく。
ミィシェルは首を傾げていると、すぐにその光は治まった。

「これで、ミィシェルは力を手に入れました。どんな力かは…お楽しみに。」

ミンスが言うので、ミィシェルは早速力を発揮しようとした。

するとミィシェルの体は強く発光する。
ミンスとクロマは目を丸くしていると、ミィシェルは力を放った。
ミィシェルの目の前に眩い光が現れ、光の剣が象られるのでそれをミィシェルは持った。

「剣?」

「光を司る力でしょうか。」

ミィシェルは喜んで跳ねた。

「ヤッタです!!クロマ兄様みたいなピカッピカ!ミンスみたいなキラッキラ!ミィシェルも使エるです!!」

ミンスはクスッと笑うと続ける。

「この力は、人を人ならざる者にします。
ミィシェルが力を操れるようになればなるほど、あなたは人間の体から程遠くなり、私達と同じ種へと変わっていきます。
ミィシェルが人間のままでいたいと思うのなら、力はあまり使わない方がいいですよ。」

ミィシェルにとっては難しい話なのか、首を傾げていた。
するとクロマは言った。

「ミィシェルは頼りなさそうだな。」

ミィシェルはそれを聞くと涙目になってしまう。

「あらクロマ、デリカシーがありませんね全く。」

ミィシェルは下を向くと言った。

「Michel、家でAnjel兄とヨク騎士ゴッコしてたです。Michel一度も勝つコトできない。」

「あらら。」

ミンスが一緒になって困った顔をすると、涙目になるミィシェルを見てクロマは言う。

「それだけの事で泣くな。」

「Michel、Anjel兄に勝ッテないです。全部。」

クロマは興味なさそうに聞いていたが、ミンスは微笑んでミィシェルに言った。

「あら、優しさはきっとミィシェルの方が上に決まっています。」

それを聞いて、ミィシェルはまた跳ねて喜ぶ。

「ソウデス!Michelは家族イチ優しい男の子です!!」

「本当に単純だな。」

クロマはそう言ってまたこたつで暖まろうと寝転がると、ミィシェルは言った。

「ミンス!クロマ兄様!お風呂入るです!」

二人は驚き、クロマは呆れた様子で言う。

「狭いだろ。」

しかしミンスはそれ以前の問題を感じていた。

「いえ、まず性別が…」

それでもミィシェルは首を横に振った。

「お風呂入るですー!!」

クロマは何気なくミンスに視線を向け、それによってミンスが女性である事を思い出した。
ミンスが共に風呂に入りたがらない理由を知り、動揺しつつも視線を逸らす。
ミィシェルはそれでもお構いなしと言った様子で、クロマがミィシェルの服を引っ張って「やめろ」と伝えていた。
そんな二人を見てられず、ミンスは困った顔を見せて「もう…」と呟いた。



三人は入浴中。
秋田の家の風呂場は一般のと比べたら広いが、三人で入ったら狭いものとなってしまう。
真ん中に挟まれたクロマはアイマスクを付けられ、ミンスは体にバスタオルを巻いていた。

「クロマはすぐに狼になりますのでこのくらい。」

ミンスが得意気になって言うと、ミィシェルは狭い風呂の中言う。

「キツキツです!クロマ兄様!ガタイイイケド背低いです!」

とさり気なく文句。
クロマは「黙れ滅するぞ。」と言った。

「Michelと大きサ比べするです!」

とミィシェルは風呂の中で暴れる。

「暴れるなミィシェル!」

「いけません、こんな狭い湯船ではしゃぐのは。」

「立ってクロマ兄様!!」

ミィシェルは言うので、クロマは立ち上がる。
ミンスはその光景に目を逸していた。

「Michelなんで低いです?」

「貴様はまだ子供だからだ。」

ミィシェルがしょんぼりすると、ミンスは目を逸らしたまま言う。

「それよりも落ち着いてお風呂に入りませんか?二人共立ってしまうと湯のかさが減ってしまうので冷えます。」

すると二人は湯船に浸かる。
ミィシェルは大人しく風呂場を観察。
風呂場に置いてあるシャンプーとリンスとボディソープが二種類あるのを見て、ミィシェルは言った。

「この家、何人暮らしてたです?」

「一人暮らしなはずですが…」

とミンス。
ミィシェルは眉を潜めて言う。

「この家、怖いです。
部屋、ベッド、沢山あります。開かずの間、あります。怖いビデオ、アルバム、道具、沢山あります。
でも靴、一人分です。怖いです。」

それを聞くと、その理由を知っているのか表情を暗くし黙ってしまうミンス。
ミンスは胸に手を当て、首を横に振った。
話に興味がなかったクロマは言った。

「目隠しを外しても良いか。」

すると…

「駄目です。」

とミンスは、少し大きめの声で言うのであった。





一方、綺瑠が入院している病院。
綺瑠は自分の白衣の胸ポケットを探っていた。

(やっぱり無い…)

そう、綺瑠は小さい頃に石の巫女から貰った、透明な赤い小石をなくしてしまったのだ。
綺瑠は頭を抱えた。

(はあ…どこへ消えたんだか…。
あの小石は結局、植物人間のエネルギーの塊って事で良かったのかな…?)

すると、白衣から黒い煙が細く上がる。
綺瑠は驚いて白衣を見た。

白衣は焦げていて、そこは丁度綺瑠が触っていた所だった。
綺瑠は驚いたまま白衣の焦げを見た。

(さっき燃えたように見えた……おかしいな、疲れてるのかな?)

綺瑠の白衣は以前クロマに攻撃されて一部焦げていたので、綺瑠はあまり気にしないでいた。
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