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第4章 侵食―エローション―
135 スペシャル料理
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暫く時間が経ち…。
ミンスは静かになった頃を見計らってリビングに出てみると、コタツの上には料理が並んでいた。
「あら…!クロマとテオドールが作ってくれたのですか?」
ミンスが聞くと、クロマは黙って頷いた。
テオドールは席に着く。
「早くみんなで食べよ?ミィシェルはどこー?」
「Michel!!ココ!」
ミィシェルはコタツから出てきた。
ミンスは座ろうとしていた時にミィシェルが出てきたのでつい驚いてしまうが、すぐに落ち着いて席に着く。
「ワー!おいしおいしです~!」
ミィシェルは食べてもないのに朝ごはんを見て喜んでいた。
クロマは近くにテオドールがいるだけで不機嫌である。
「騒いでないで食べろ。」
「いただきます。」
ミンスが目を光らせて言うと、クロマはその顔に見とれているのかマジマジと見つめてしまう。
テオドールは微笑む。
「どうぞ、召し上がれ。」
「Michelもイッタダキー!!」
ミィシェルは箸で唐揚げを刺そうと思い切り箸を振りかぶるが、唐揚げがクロマに向けて一個飛んでしまう。
クロマは飛んできた唐揚げを口でキャッチするとそのまま食べた。
「うん、旨い。」
と口を閉じてもぐもぐ。
ミィシェルは涙目になる。
「クロマ兄様…Michelのチキン…」
クロマは完全に無視をしているが、テオドールは言った。
「自分で作った唐揚げは旨いか?」
「当たり前だ。」
ミンスはしょんぼり。
「わたくし、鳥は食べられません。」
「肉は使っていない。小麦を丸めた物を揚げただけだ。」
それを聞いたミンスは笑顔を見せて、手を合わせてから唐揚げを食べてみる。
「お醤油の味、小麦さんがいい弾力で、中に…何か入ってますね。」
「小麦だけでは面白味に欠けるからな、具を入れた。安心しろ、野菜だ。」
クロマが答えると、ミンスは嬉しくて笑顔を見せた。
「ドやって作るです?」
ミィシェルが難しい顔をする。
「片栗粉に醤油と生姜、衣の代わりだ。」
ミィシェルは想像がつかないのか首を傾げる。
それを見ているテオドールもニコニコ。
「ミンス、じゃあ俺の料理も食べて?」
「シチューですね。」
「そ!牛乳入れないで豆乳で作ってみたよ!」
テオドールが言うので、ミンスはクスッと笑った。
「あら、わたくしは牛乳は飲めるんですがね。」
「え~!」
テオドールが言うと、ミンスはニコニコした。
「でも、美味しそうです。いただきます。」
ミンスはシチューをスプーンの上で冷ましてから飲もうとしたが、まだ熱かったのか「あつっ」と言って口を離してしまう。
「本当に猫舌だな。」
クロマが言うと、ミンスはヒリヒリする舌を心配していた。
更にミィシェルも「ン!アツイ!」と言ってしまうので、クロマは溜息をついた。
「アッハハー!みんな子猫なんだな!」
テオドールは笑った。
ミンスは口元を手で煽りながらも言う。
「にしても、朝から唐揚げとはクロマも凄いものをチョイスしますね。」
「私が食べたいと思ったものを作ったまでだ。」
それにミンスはクスッと笑う。
「クロマらしい。」
するとテオドールは言った。
「国を作る前、砂漠ではパンにスープを染みこませて食べたもんだよな!ミンス。」
それに対し、ミンスは笑った。
「そんな事もありましたね。」
こうして、暫くリビングは賑やかな雰囲気が広がった。
その日の夜。
第二故郷病院の会議室テントにて。
数男は寝る準備をしつつも思う。
(最近、あの夢を見なくなった。)
あの夢とは数男がよく見ていた、男の子と手を繋いで歩く夢である。
(…ミンスが力を取り戻してからだ。
……思えばあのガキは、たまに秀也にくっついてる研究所のボンボンに似ている気がする…。)
数男はそう思いながらも、綺瑠を思い出していた。
数男は思わず溜息。
(考えても仕方ない。…寝るか。)
ミンスは静かになった頃を見計らってリビングに出てみると、コタツの上には料理が並んでいた。
「あら…!クロマとテオドールが作ってくれたのですか?」
ミンスが聞くと、クロマは黙って頷いた。
テオドールは席に着く。
「早くみんなで食べよ?ミィシェルはどこー?」
「Michel!!ココ!」
ミィシェルはコタツから出てきた。
ミンスは座ろうとしていた時にミィシェルが出てきたのでつい驚いてしまうが、すぐに落ち着いて席に着く。
「ワー!おいしおいしです~!」
ミィシェルは食べてもないのに朝ごはんを見て喜んでいた。
クロマは近くにテオドールがいるだけで不機嫌である。
「騒いでないで食べろ。」
「いただきます。」
ミンスが目を光らせて言うと、クロマはその顔に見とれているのかマジマジと見つめてしまう。
テオドールは微笑む。
「どうぞ、召し上がれ。」
「Michelもイッタダキー!!」
ミィシェルは箸で唐揚げを刺そうと思い切り箸を振りかぶるが、唐揚げがクロマに向けて一個飛んでしまう。
クロマは飛んできた唐揚げを口でキャッチするとそのまま食べた。
「うん、旨い。」
と口を閉じてもぐもぐ。
ミィシェルは涙目になる。
「クロマ兄様…Michelのチキン…」
クロマは完全に無視をしているが、テオドールは言った。
「自分で作った唐揚げは旨いか?」
「当たり前だ。」
ミンスはしょんぼり。
「わたくし、鳥は食べられません。」
「肉は使っていない。小麦を丸めた物を揚げただけだ。」
それを聞いたミンスは笑顔を見せて、手を合わせてから唐揚げを食べてみる。
「お醤油の味、小麦さんがいい弾力で、中に…何か入ってますね。」
「小麦だけでは面白味に欠けるからな、具を入れた。安心しろ、野菜だ。」
クロマが答えると、ミンスは嬉しくて笑顔を見せた。
「ドやって作るです?」
ミィシェルが難しい顔をする。
「片栗粉に醤油と生姜、衣の代わりだ。」
ミィシェルは想像がつかないのか首を傾げる。
それを見ているテオドールもニコニコ。
「ミンス、じゃあ俺の料理も食べて?」
「シチューですね。」
「そ!牛乳入れないで豆乳で作ってみたよ!」
テオドールが言うので、ミンスはクスッと笑った。
「あら、わたくしは牛乳は飲めるんですがね。」
「え~!」
テオドールが言うと、ミンスはニコニコした。
「でも、美味しそうです。いただきます。」
ミンスはシチューをスプーンの上で冷ましてから飲もうとしたが、まだ熱かったのか「あつっ」と言って口を離してしまう。
「本当に猫舌だな。」
クロマが言うと、ミンスはヒリヒリする舌を心配していた。
更にミィシェルも「ン!アツイ!」と言ってしまうので、クロマは溜息をついた。
「アッハハー!みんな子猫なんだな!」
テオドールは笑った。
ミンスは口元を手で煽りながらも言う。
「にしても、朝から唐揚げとはクロマも凄いものをチョイスしますね。」
「私が食べたいと思ったものを作ったまでだ。」
それにミンスはクスッと笑う。
「クロマらしい。」
するとテオドールは言った。
「国を作る前、砂漠ではパンにスープを染みこませて食べたもんだよな!ミンス。」
それに対し、ミンスは笑った。
「そんな事もありましたね。」
こうして、暫くリビングは賑やかな雰囲気が広がった。
その日の夜。
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数男は寝る準備をしつつも思う。
(最近、あの夢を見なくなった。)
あの夢とは数男がよく見ていた、男の子と手を繋いで歩く夢である。
(…ミンスが力を取り戻してからだ。
……思えばあのガキは、たまに秀也にくっついてる研究所のボンボンに似ている気がする…。)
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