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第4章 侵食―エローション―
168 あの優しさは誠治並み
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一通り健康診断が終わり、皮膚や粘膜や体液などを採取された後にサウザは言われる。
「普通の植物人間の身体構造は人間とあまり変わりません。しかし、サウザ王の身体構造は人間と全く異なるものでした。
試しに採取したサウザ王の皮膚を酸に付けたところ、反応が全く見られませんでした。勿論アルカリの方も試しましたが同じく反応は見られませんでした。」
サウザは怖くない怒り顔を見せる。
「も~!人が痛い思いをしているのに酸につけるってどうなってるんですか~。
俺で遊んでますよね!」
それに対し、研究員は反省の色無しに舌をペロッと出していた。
サウザは「も~!」と言ったが、急に研究員は真面目モードに。
「続いて腸内細菌を調べるために検便調査を行います。」
それを聞いて、サウザは目を丸くした。
「ケンベンチョウサ?」
上の階では綺瑠と誠治が一緒にいる。
綺瑠は生物研究に使う特殊な機械を前にして、頭を抱えていた。
「植物人間の生命エネルギーを奪うのは…それじゃ石になっちゃうでしょ?細胞を人間のものに戻すなら…?
ダメだ、植物人間の身体構造がまだ未知数なせいか考えようがない。…早く王様の研究結果出ないかな?」
「まあまあ、急いでは正確な結果は出ませんよ。」
誠治が言うので、綺瑠は苦笑。
「そ、そうだね。」
すると誠治は咳払いをして言った。
「この研究が成功しなかった時の為に…。ミンスを倒す方法も考えないといけないと思うのですが。」
それを聞くと、綺瑠は反応した。
綺瑠は眉を潜める。
「そうだね。きっとこの研究が成功するより先に、相手が動き出すだろうからね。」
「奈江島さんが作った、石の巫女を殺す機械は使えないんですか?」
「力を得た彼女に、その程度の機械が通用するかねぇ。僕は通用しないと思うよ。
もっと多くのプラズマが……力が必要だよ。」
「どのくらいですか…?」
そう言われると、綺瑠は考える。
そして棚から一冊のファイルを取り出して開いた。
そのファイルは秋田が石の巫女の力を奪った機械の設計図。
設計図に記載されている目盛を見て、綺瑠は言った。
「これは石っ子ちゃんの力を奪った機械の設計図だよ。この機械の目盛じゃ、石っ子ちゃんの力を奪った時はほぼほぼ最大値で…。
石っ子ちゃんを倒すならこの目盛が半分位?例えばクロマのプラズマ、瞬間最大値…予想だけどもこれよりちょっと上行くくらいだね。
かなり必要だ。」
誠治は言った。
「じゃあ、私の力でクロマの力を奪って…」
と言うが、綺瑠は首を横に振った。
「その前に誠治の体が耐えられないよ。
今のクロマの力は、人間の体が持てる力の量じゃない。例え不死身だろうがね。」
それを聞くと、誠治は悔しそうな顔を見せる。
するとそこにサウザがやってきた。
サウザは潤んだ瞳を二人に向ける。
「ど、どうしたの?」
綺瑠が聞くと、サウザは検便の容器を見せる。
「ニホンはこんな事するの…?俺驚きだよ…」
綺瑠は思わず苦笑。
「あー検便ね!やる人はやるよ、僕は経験ないけど。」
そして更にサウザは尿検査の容器も見せる。
「一度に出ないよ。もうショックが大きすぎて…」
「しかしこれらを全て耐え抜けば、人間は植物人間になってしまう恐怖をもう味わう事はないんですよ?」
すると二人の会話に、綺瑠がツッコミを入れた。
「いや、でも検便と尿検査ってちょっと違うよね?半分遊ばれてるよねぇ王様?」
しかしサウザには綺瑠の言葉が聞こえなかった様子。
誠治の言葉に、サウザは急に真剣な顔になって言った。
「そうだよね!俺頑張るよ!」
そう言うとサウザはトイレに駆け込むのであった。
綺瑠は驚きと笑いが混じった顔をしつつ言った。
「あー、この優しさは誠治レベルかな?」
誠治は鼻で笑う。
「そんな、彼の方が上ですよ。」
「まあ、純粋すぎるよね。」
冷静にも息をつく誠治。
そんな誠治を、綺瑠は目を丸くして見ていた。
そこで誠治の携帯が鳴るので、誠治は出た。
「もしもし、九重です。」
そして話を聞くと、誠治は顔色を変える。
「!?
…至急植物人間の確保を!私も今から向かいますので!」
誠治はそう言うと、急いで外へ向かってしまう。
急に誠治が動き出すもので、綺瑠は気になって言った。
「待って!誠治、何があったんだ!」
綺瑠が聞くと、誠治は言うか言わないか躊躇う。
「先日行った避難所の人々が相次いで植物人間になっているんです…!」
「え…!?あんなに設備は万全だったじゃないか!」
綺瑠は言うが、誠治は頭を抱える。
「機械の力が通じなくなっているのか…?それとも…。
…奈江島さんも行きましょう!」
誠治は綺瑠を呼んだので、綺瑠は頷いた。
「勿論だよ。」
綺瑠はそう言って、誠治と共に行くのであった。
「普通の植物人間の身体構造は人間とあまり変わりません。しかし、サウザ王の身体構造は人間と全く異なるものでした。
試しに採取したサウザ王の皮膚を酸に付けたところ、反応が全く見られませんでした。勿論アルカリの方も試しましたが同じく反応は見られませんでした。」
サウザは怖くない怒り顔を見せる。
「も~!人が痛い思いをしているのに酸につけるってどうなってるんですか~。
俺で遊んでますよね!」
それに対し、研究員は反省の色無しに舌をペロッと出していた。
サウザは「も~!」と言ったが、急に研究員は真面目モードに。
「続いて腸内細菌を調べるために検便調査を行います。」
それを聞いて、サウザは目を丸くした。
「ケンベンチョウサ?」
上の階では綺瑠と誠治が一緒にいる。
綺瑠は生物研究に使う特殊な機械を前にして、頭を抱えていた。
「植物人間の生命エネルギーを奪うのは…それじゃ石になっちゃうでしょ?細胞を人間のものに戻すなら…?
ダメだ、植物人間の身体構造がまだ未知数なせいか考えようがない。…早く王様の研究結果出ないかな?」
「まあまあ、急いでは正確な結果は出ませんよ。」
誠治が言うので、綺瑠は苦笑。
「そ、そうだね。」
すると誠治は咳払いをして言った。
「この研究が成功しなかった時の為に…。ミンスを倒す方法も考えないといけないと思うのですが。」
それを聞くと、綺瑠は反応した。
綺瑠は眉を潜める。
「そうだね。きっとこの研究が成功するより先に、相手が動き出すだろうからね。」
「奈江島さんが作った、石の巫女を殺す機械は使えないんですか?」
「力を得た彼女に、その程度の機械が通用するかねぇ。僕は通用しないと思うよ。
もっと多くのプラズマが……力が必要だよ。」
「どのくらいですか…?」
そう言われると、綺瑠は考える。
そして棚から一冊のファイルを取り出して開いた。
そのファイルは秋田が石の巫女の力を奪った機械の設計図。
設計図に記載されている目盛を見て、綺瑠は言った。
「これは石っ子ちゃんの力を奪った機械の設計図だよ。この機械の目盛じゃ、石っ子ちゃんの力を奪った時はほぼほぼ最大値で…。
石っ子ちゃんを倒すならこの目盛が半分位?例えばクロマのプラズマ、瞬間最大値…予想だけどもこれよりちょっと上行くくらいだね。
かなり必要だ。」
誠治は言った。
「じゃあ、私の力でクロマの力を奪って…」
と言うが、綺瑠は首を横に振った。
「その前に誠治の体が耐えられないよ。
今のクロマの力は、人間の体が持てる力の量じゃない。例え不死身だろうがね。」
それを聞くと、誠治は悔しそうな顔を見せる。
するとそこにサウザがやってきた。
サウザは潤んだ瞳を二人に向ける。
「ど、どうしたの?」
綺瑠が聞くと、サウザは検便の容器を見せる。
「ニホンはこんな事するの…?俺驚きだよ…」
綺瑠は思わず苦笑。
「あー検便ね!やる人はやるよ、僕は経験ないけど。」
そして更にサウザは尿検査の容器も見せる。
「一度に出ないよ。もうショックが大きすぎて…」
「しかしこれらを全て耐え抜けば、人間は植物人間になってしまう恐怖をもう味わう事はないんですよ?」
すると二人の会話に、綺瑠がツッコミを入れた。
「いや、でも検便と尿検査ってちょっと違うよね?半分遊ばれてるよねぇ王様?」
しかしサウザには綺瑠の言葉が聞こえなかった様子。
誠治の言葉に、サウザは急に真剣な顔になって言った。
「そうだよね!俺頑張るよ!」
そう言うとサウザはトイレに駆け込むのであった。
綺瑠は驚きと笑いが混じった顔をしつつ言った。
「あー、この優しさは誠治レベルかな?」
誠治は鼻で笑う。
「そんな、彼の方が上ですよ。」
「まあ、純粋すぎるよね。」
冷静にも息をつく誠治。
そんな誠治を、綺瑠は目を丸くして見ていた。
そこで誠治の携帯が鳴るので、誠治は出た。
「もしもし、九重です。」
そして話を聞くと、誠治は顔色を変える。
「!?
…至急植物人間の確保を!私も今から向かいますので!」
誠治はそう言うと、急いで外へ向かってしまう。
急に誠治が動き出すもので、綺瑠は気になって言った。
「待って!誠治、何があったんだ!」
綺瑠が聞くと、誠治は言うか言わないか躊躇う。
「先日行った避難所の人々が相次いで植物人間になっているんです…!」
「え…!?あんなに設備は万全だったじゃないか!」
綺瑠は言うが、誠治は頭を抱える。
「機械の力が通じなくなっているのか…?それとも…。
…奈江島さんも行きましょう!」
誠治は綺瑠を呼んだので、綺瑠は頷いた。
「勿論だよ。」
綺瑠はそう言って、誠治と共に行くのであった。
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