201 / 222
第4章 侵食―エローション―
番外編 セオーネ・バーリン 3
しおりを挟む
おやつの時間です。
子供達は部屋に集まり、おやつのゼリーを食べます。
クロマとミンスはと言うと、二人で部屋の隅でゼリーを食べていました。
ミンスはクロマと一緒にいると、この上なくいい笑顔でお喋りを始めます。
ミンスはクロマのゼリーを一口貰って言いました。
「みかんは美味しいですね。わたくしのりんごも美味しいですよ?」
ミンスはそう言って、クロマにゼリーを分けていました。
クロマはいつも通りにおやつを食べています。
クロマはミンスと一緒にいても、グレネと一緒にいても、あまり様子は変わりません。
そしてグレネはと言うと、他の子供達とおやつを楽しみながらも二人を見ていました。
やはり二人だけが部屋の隅にいるのは、見ていられないのでしょう。
グレネは行動を起こし、クロマの前にやってきました。
「クロマにミンス!みんなで一緒に食べようぜ!食べ比べしよう!」
「いいぞ。」
クロマはそう答えますが、ミンスはすぐにグレネを睨みます。
ミンスはクロマの腕を掴もうとしましたが、それよりも先にグレネがクロマの腕を掴んでしまいます。
グレネは笑顔のまま、クロマを引っ張って言いました。
「さあさあ席はこっち~!ミンスも早くおいで!」
それを見ると、ミンスは不貞腐れた顔を見せました。
私は見ていられず、ミンスの元へ向かいました。
「ミンス、みんなでおやつを食べましょうか。」
しかしミンスは顔を背けます。
「嫌です。」
ミンスは冷たくそう言うと、更に遠い場所まで行くと一人でおやつを食べ始めます。
それを見たグレネは眉を困らせてしまいます。
「う~ん…」
グレネは思わず唸っていると、クロマはそんなグレネを見兼ねて言いました。
「気にするな、ミンスが他人を嫌うのはいつもの事だ。」
そう言われると、更に困ってしまうグレネ。
クロマはきっと、グレネの悩みが理解できていないのでしょう。
ミンスの敵意むき出しの態度。
ミンスは母親にそっくりですね…。
気に入っている人以外にはまるで興味がなかったり、好きな人を取られるといじけてしまう所…とか。
やっぱり親子なんでしょうか…。
親友を思い出すと感慨深く感じてしまいます…彼等の子供が、今ここにいる事が…。
って、懐かしがっている場合ではありませんね…。
どうしても、ミンスは母親にそっくりで思い出してしまいます。
そしてクロマも、顔が父親にそっくりで思い出してしまいます。
私はもう一度ミンスの方を見ると、ミンスはグレネを見つめていました。
見つめるというより、怨恨の目で睨みつけていました。
五歳ほどの子供にしてそんな表情をするミンスに、私は少し恐ろしく感じました。
そしておやつが終わると、子供達は部屋でお勉強。
まだまだ小さな子供達は外で遊びますが、年長組は部屋でお勉強をしなければなりません。
グレネはお勉強が苦手みたいで、いつも頭を抱えています。
それでも施設の子供の中で、自分が遅れを取るわけにはなりません。
それ故に一生懸命お勉強をするので、それはそれで良しとしましょう。
一通り勉強を終えると、グレネは机でぐったり。
他の子供達は、勉強を終えるとすぐにまた遊びに出かけてしまいます。
部屋にいるのは、グレネと私だけになりました。
私は今朝の出来事を思い出し、グレネに話しかけました。
「グレネ、ミンスと仲良くなれなくて困っているのですか?」
グレネは私の顔を見ると、すぐに困った顔を見せて言います。
「う~ん…。」
グレネはそう言うと、少し俯いて考え事。
それからグレネは再び私の顔を見て言いました。
「牧師様、ミンスはこれからもあんな感じで俺達と過ごすのかな。」
う~ん…難しいですね。
でもあの様子だと…もしかしたら…。
「どうでしょう。でも、時間が経てばミンスもわかってくれると思いますよ。」
「そうかな…。俺は心配っつーか…」
「優しく接してあげましょう。
ミンスもきっと、いきなり親元を離れて戸惑っているのかもしれません。」
それを聞くと、グレネは目を丸くします。
そして俯いて言います。
「そうだよな。ミンスとクロマは、俺達と違って親と暮らしてた時期があったんだもんな。
きっと家族と離れ離れになって、寂しいだけだ。」
そう言うと、グレネは私の顔を見て笑顔を見せました。
「俺も急に教会を離れて、別の場所で暮らせとか言われたら嫌な気分になる!
ミンスもきっと同じだな!」
私はグレネが元気になったのを見て、安心しました。
私は微笑んで言います。
「ええ。みんなで支えてあげましょう。」
「おう!」
子供達は部屋に集まり、おやつのゼリーを食べます。
クロマとミンスはと言うと、二人で部屋の隅でゼリーを食べていました。
ミンスはクロマと一緒にいると、この上なくいい笑顔でお喋りを始めます。
ミンスはクロマのゼリーを一口貰って言いました。
「みかんは美味しいですね。わたくしのりんごも美味しいですよ?」
ミンスはそう言って、クロマにゼリーを分けていました。
クロマはいつも通りにおやつを食べています。
クロマはミンスと一緒にいても、グレネと一緒にいても、あまり様子は変わりません。
そしてグレネはと言うと、他の子供達とおやつを楽しみながらも二人を見ていました。
やはり二人だけが部屋の隅にいるのは、見ていられないのでしょう。
グレネは行動を起こし、クロマの前にやってきました。
「クロマにミンス!みんなで一緒に食べようぜ!食べ比べしよう!」
「いいぞ。」
クロマはそう答えますが、ミンスはすぐにグレネを睨みます。
ミンスはクロマの腕を掴もうとしましたが、それよりも先にグレネがクロマの腕を掴んでしまいます。
グレネは笑顔のまま、クロマを引っ張って言いました。
「さあさあ席はこっち~!ミンスも早くおいで!」
それを見ると、ミンスは不貞腐れた顔を見せました。
私は見ていられず、ミンスの元へ向かいました。
「ミンス、みんなでおやつを食べましょうか。」
しかしミンスは顔を背けます。
「嫌です。」
ミンスは冷たくそう言うと、更に遠い場所まで行くと一人でおやつを食べ始めます。
それを見たグレネは眉を困らせてしまいます。
「う~ん…」
グレネは思わず唸っていると、クロマはそんなグレネを見兼ねて言いました。
「気にするな、ミンスが他人を嫌うのはいつもの事だ。」
そう言われると、更に困ってしまうグレネ。
クロマはきっと、グレネの悩みが理解できていないのでしょう。
ミンスの敵意むき出しの態度。
ミンスは母親にそっくりですね…。
気に入っている人以外にはまるで興味がなかったり、好きな人を取られるといじけてしまう所…とか。
やっぱり親子なんでしょうか…。
親友を思い出すと感慨深く感じてしまいます…彼等の子供が、今ここにいる事が…。
って、懐かしがっている場合ではありませんね…。
どうしても、ミンスは母親にそっくりで思い出してしまいます。
そしてクロマも、顔が父親にそっくりで思い出してしまいます。
私はもう一度ミンスの方を見ると、ミンスはグレネを見つめていました。
見つめるというより、怨恨の目で睨みつけていました。
五歳ほどの子供にしてそんな表情をするミンスに、私は少し恐ろしく感じました。
そしておやつが終わると、子供達は部屋でお勉強。
まだまだ小さな子供達は外で遊びますが、年長組は部屋でお勉強をしなければなりません。
グレネはお勉強が苦手みたいで、いつも頭を抱えています。
それでも施設の子供の中で、自分が遅れを取るわけにはなりません。
それ故に一生懸命お勉強をするので、それはそれで良しとしましょう。
一通り勉強を終えると、グレネは机でぐったり。
他の子供達は、勉強を終えるとすぐにまた遊びに出かけてしまいます。
部屋にいるのは、グレネと私だけになりました。
私は今朝の出来事を思い出し、グレネに話しかけました。
「グレネ、ミンスと仲良くなれなくて困っているのですか?」
グレネは私の顔を見ると、すぐに困った顔を見せて言います。
「う~ん…。」
グレネはそう言うと、少し俯いて考え事。
それからグレネは再び私の顔を見て言いました。
「牧師様、ミンスはこれからもあんな感じで俺達と過ごすのかな。」
う~ん…難しいですね。
でもあの様子だと…もしかしたら…。
「どうでしょう。でも、時間が経てばミンスもわかってくれると思いますよ。」
「そうかな…。俺は心配っつーか…」
「優しく接してあげましょう。
ミンスもきっと、いきなり親元を離れて戸惑っているのかもしれません。」
それを聞くと、グレネは目を丸くします。
そして俯いて言います。
「そうだよな。ミンスとクロマは、俺達と違って親と暮らしてた時期があったんだもんな。
きっと家族と離れ離れになって、寂しいだけだ。」
そう言うと、グレネは私の顔を見て笑顔を見せました。
「俺も急に教会を離れて、別の場所で暮らせとか言われたら嫌な気分になる!
ミンスもきっと同じだな!」
私はグレネが元気になったのを見て、安心しました。
私は微笑んで言います。
「ええ。みんなで支えてあげましょう。」
「おう!」
0
あなたにおすすめの小説
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?
別に要りませんけど?
ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」
そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。
「……別に要りませんけど?」
※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。
※なろうでも掲載中
【完結】勘違いしないでください!
青空一夏
恋愛
自分の兄の妻に憧れすぎて妻を怒らせる夫のお話です。
私はマドリン・バーンズ。一代限りの男爵家の次女ですが、サマーズ伯爵家の次男ケントンと恋仲になりました。あちらは名門貴族なので身分が釣り合わないと思いましたが、ケントンは気にしないと言ってくれました。私たちは相思相愛で、とても幸せな結婚生活を始めたのです。
ところが、ケントンのお兄様が結婚しサマーズ伯爵家を継いだ頃から、ケントンは兄嫁のローラさんを頻繁に褒めるようになりました。毎日のように夫はローラさんを褒め続けます。
いいかげんうんざりしていた頃、ケントンはあり得ないことを言ってくるのでした。ローラさんは確かに美人なのですが、彼女の化粧品を私に使わせて・・・・・・
これは兄嫁に懸想した夫が妻に捨てられるお話です。あまり深く考えずにお読みください💦
※二話でおしまい。
※作者独自の世界です。
※サクッと読めるように、情景描写や建物描写などは、ほとんどありません。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる