植物人間の子

うてな

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第4章 侵食―エローション―

番外編 セオーネ・バーリン 3

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おやつの時間です。
子供達は部屋に集まり、おやつのゼリーを食べます。

クロマとミンスはと言うと、二人で部屋の隅でゼリーを食べていました。
ミンスはクロマと一緒にいると、この上なくいい笑顔でお喋りを始めます。
ミンスはクロマのゼリーを一口貰って言いました。

「みかんは美味しいですね。わたくしのりんごも美味しいですよ?」

ミンスはそう言って、クロマにゼリーを分けていました。
クロマはいつも通りにおやつを食べています。
クロマはミンスと一緒にいても、グレネと一緒にいても、あまり様子は変わりません。

そしてグレネはと言うと、他の子供達とおやつを楽しみながらも二人を見ていました。
やはり二人だけが部屋の隅にいるのは、見ていられないのでしょう。
グレネは行動を起こし、クロマの前にやってきました。

「クロマにミンス!みんなで一緒に食べようぜ!食べ比べしよう!」

「いいぞ。」

クロマはそう答えますが、ミンスはすぐにグレネを睨みます。
ミンスはクロマの腕を掴もうとしましたが、それよりも先にグレネがクロマの腕を掴んでしまいます。
グレネは笑顔のまま、クロマを引っ張って言いました。

「さあさあ席はこっち~!ミンスも早くおいで!」

それを見ると、ミンスは不貞腐れた顔を見せました。
私は見ていられず、ミンスの元へ向かいました。

「ミンス、みんなでおやつを食べましょうか。」

しかしミンスは顔を背けます。

「嫌です。」

ミンスは冷たくそう言うと、更に遠い場所まで行くと一人でおやつを食べ始めます。
それを見たグレネは眉を困らせてしまいます。

「う~ん…」

グレネは思わず唸っていると、クロマはそんなグレネを見兼ねて言いました。

「気にするな、ミンスが他人を嫌うのはいつもの事だ。」

そう言われると、更に困ってしまうグレネ。
クロマはきっと、グレネの悩みが理解できていないのでしょう。

ミンスの敵意むき出しの態度。
ミンスは母親にそっくりですね…。
気に入っている人以外にはまるで興味がなかったり、好きな人を取られるといじけてしまう所…とか。
やっぱり親子なんでしょうか…。
親友を思い出すと感慨深く感じてしまいます…彼等の子供が、今ここにいる事が…。

って、懐かしがっている場合ではありませんね…。
どうしても、ミンスは母親にそっくりで思い出してしまいます。
そしてクロマも、顔が父親にそっくりで思い出してしまいます。

私はもう一度ミンスの方を見ると、ミンスはグレネを見つめていました。
見つめるというより、怨恨の目で睨みつけていました。
五歳ほどの子供にしてそんな表情をするミンスに、私は少し恐ろしく感じました。



そしておやつが終わると、子供達は部屋でお勉強。
まだまだ小さな子供達は外で遊びますが、年長組は部屋でお勉強をしなければなりません。
グレネはお勉強が苦手みたいで、いつも頭を抱えています。
それでも施設の子供の中で、自分が遅れを取るわけにはなりません。
それ故に一生懸命お勉強をするので、それはそれで良しとしましょう。

一通り勉強を終えると、グレネは机でぐったり。
他の子供達は、勉強を終えるとすぐにまた遊びに出かけてしまいます。
部屋にいるのは、グレネと私だけになりました。
私は今朝の出来事を思い出し、グレネに話しかけました。

「グレネ、ミンスと仲良くなれなくて困っているのですか?」

グレネは私の顔を見ると、すぐに困った顔を見せて言います。

「う~ん…。」

グレネはそう言うと、少し俯いて考え事。
それからグレネは再び私の顔を見て言いました。

「牧師様、ミンスはこれからもあんな感じで俺達と過ごすのかな。」

う~ん…難しいですね。
でもあの様子だと…もしかしたら…。

「どうでしょう。でも、時間が経てばミンスもわかってくれると思いますよ。」

「そうかな…。俺は心配っつーか…」

「優しく接してあげましょう。
ミンスもきっと、いきなり親元を離れて戸惑っているのかもしれません。」

それを聞くと、グレネは目を丸くします。
そして俯いて言います。

「そうだよな。ミンスとクロマは、俺達と違って親と暮らしてた時期があったんだもんな。
きっと家族と離れ離れになって、寂しいだけだ。」

そう言うと、グレネは私の顔を見て笑顔を見せました。

「俺も急に教会を離れて、別の場所で暮らせとか言われたら嫌な気分になる!
ミンスもきっと同じだな!」

私はグレネが元気になったのを見て、安心しました。
私は微笑んで言います。

「ええ。みんなで支えてあげましょう。」

「おう!」
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