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40 ウツギ:秘密
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数日後、レギーナはニコライと共に保育園へやってきていた。
(もう、ガリーナが寝坊するから…)
レギーナは不機嫌そうにしている。
相変わらずレギーナはニコライには馴染めない様で、手を繋ぐこともなくニコライがレギーナを追いかけていた。
「マーマ!マーマ!」
しかも、ガリーナと勘違いしている。
「いい加減親とその妹の区別くらいつくようになりなさいよね!」
基本他人に容赦のないレギーナは、例え幼児であるニコライに対してもキツく当たる。
ニコライはやはり意味を理解できていないのか、保育園の子供を見ると歓喜。
「パプリカトウモロコシサカナー!」
そう言って子供達の方に走っていく。
ニコライに噛み付かれる児童を見て、レギーナは呆れていた。
=======================
ワレリーは今日も畑の整備を村人達としていると、村人の一人は言う。
「知ってるか?最近牧師様の家でさ、数人の女の声が聞こえるんだってよ!」
「え~?牧師様の家には、ガリーナさんしかいないだろう。」
ワレリーはその会話に微妙な顔をしてしまうと、村人は続けた。
「喧嘩してるみたいだってよ。
息子さんの声でもないらしいんだ。」
ワレリーは溜息をつく。
(相当騒がしく喧嘩をしているのですね…)
「てかさ、ニコライは牧師様の子供なんだろ?
牧師様は神様の声を聞くお方なんだし、神の子なんじゃないか?」
「そうなんだけど、牧師様はそうじゃないって言ってるんだよ。」
「え?どういう事だ?」
「牧師様如く、ニコライは生まれる時に神の座を降りたのだとか。」
「へぇ~!そんな事する神の子もいるのかぁ~!」
村人の会話に、ワレリーは更に安心の溜息をついた。
(村の者が単純で助かりました。でもそこが逆に恐ろしいところでもあるのですが…)
「神の子が生まれてくれなきゃ、この村に豊は訪れませんって。
今は魔女が居るし、そのせいでこの猛暑!酷い。」
村人は暑さで腕を捲ると、近くの村人にも腕捲くりを強制。
「こうした方が涼しいぞ~!ほら!パーヴェルも!」
村人はワレリーの元にやってくるので、ワレリーは断る。
「いいや。言うほど暑くないですし。」
すると村人は目を丸くした。
仕事着の下に更に黒い服を着ているワレリー、それよりも薄着の村人達。
村人達は薄着でも暑いのに、厚着のワレリーが暑いわけがない。
「痩せ我慢するなこの~!」
村人はふざけ半分にワレリーの腕を勝手に捲ろうとするが、ワレリーは抵抗。
すると村人はムキになって言った。
「暑さで倒れるぞ!」
「結構です!」
ワレリーはそう言うが、相手の村人に力負けしてしまう。
村人はワレリーの腕を捲ると、ワレリーの腕の傷が見えた。
「な、なんだこれ!」
ワレリーは焦った様子になって隠すと、見ていなかった村人はゾロゾロとやってくる。
「なんだ?」
「き、傷が…!」
別の村人がワレリーの腕を無理に捲ると、その傷を見て驚いた。
「こりゃ…!ひでぇ傷だな…!」
「しかもこんな傷…魔術じゃないとつけないでしょ!」
その言葉を聞いた途端、ワレリーを見る村人の視線が冷める。
ワレリーは血の引いていく感覚がすると、村人達はワレリーを連れて行った。
「パーヴェル、お前やっぱり魔女の仲間なんだろ!」
「そんなパーヴェルが…!?
もしかしたら、パーヴェルがかけた呪いで不作に…!?」
「裏切り者…!もっと早くに気づけばよかった!」
一人の村人は、恐れ慄いた表情で言った。
「早く火刑にしなければ村が大変な事に…!」
一人の村人は、怒りの表情で言う。
「おう!以前準備したものが残ってるから、それを使うぞ!」
村人達は協力して、早速火刑の準備に入った。
ワレリーはこの状況をどう脱するか、静かに考えていた。
=====================
その日の昼、ガリーナは外で洗濯物を干していた。
ガリーナは機嫌が良いみたいだ。
(ニコライ、今日はもうちょっと踊り覚えてくれるかな~?
昨日は、ほんのちょっと踊れたもんね…!)
ニコライが踊った日を思い出し、心を躍らせる。
すると、そこに村人が一人やってきた。
「ガリーナさん!牧師様はどこですか?」
「教会よ?どうかしたの?」
「実は牧師様の弟のパーヴェルが、魔術に手を出してまして…!」
それを聞いたガリーナは、驚きで手を止めてしまう。
(あの傷がバレたんだわ…!)
「あ、俺急いでるんで、では!」
村人はそう言って立ち去ると、ガリーナも走り出す。
立ち去ろうとした村人をガリーナが追い越してしまうので、村人は呆然。
ガリーナは暫く村中を走っていると、畑隣の馬小屋付近でワレリーが捕まっているのを発見。
ワレリーは地中に立てられた木の棒に縛り付けられており、足元には藁と木の枝が積んであった。
(ワレリーさん…!)
ガリーナは近づくと、村人はガリーナに気づいた。
「ガリーナさん、聞いてくださいよ。
この男、実は魔術を使っていまして…」
ガリーナは村人の声も聞こえず、ワレリーを見つめていた。
ワレリーはガリーナに気づくが、視線を落とす。
ガリーナは目に涙を溜めていると、ガリーナはワレリーの手元に目がついた。
ワレリーの手元にはいつも持ち歩いているダガーが。
準備は出来ているものの、相手の目が気になって切るに切れない様子だった。
そしてガリーナが泣いたせいか、先程まで雲がかかっていた空が晴天に。
再び猛暑が襲ってくる。
ワレリーは思った。
(ガリーナ…!皆の気を引く何かを…!)
ガリーナはちゃんとわかっていたのか言う。
「もうやめて!私がレギーナだから!だからパーヴェルは離して!」
と、まさかの自分をレギーナに仕立て上げる作戦。
ワレリーは眉を潜めて唖然。
(それはいくらなんでも危険な賭けでは…)
「レギーナだってぇ!?ガリーナさんじゃないのか!?」
「当たり前よ!」
ガリーナはそう言って近くの石を拾い、
「えいっ」
と畑に投げ入れた。
それを見た村人の怒りを買ってしまう。
「この…!」
ガリーナの方に村人の視線が集中したその時、ワレリーはダガーで縄を切った。
そしてガリーナの元へ走ると、村人に向かって叫ぶ。
「退きなさいッ!」
ダガーを構えて叫ぶので、村人は刃物を恐れて離れてしまう。
ワレリーはガリーナの手を掴むと、そのまま二人で逃走。
先日勇姿を見せてくれたガリーナだが、今はワレリーに引っ張られて走っている。
村人はその後ろをすぐに追いかけてくるので、ワレリーは畑に入るとズカズカと畑を横断。
村人は畑を荒らしたくないのか、回り込んで追いかける。
ガリーナは草が折れる音を聞いて、罪悪感を感じていた。
「畑が…!」
「言ってる場合ですかっ!」
村人と距離を置いた事を確認したワレリーは、近くの馬小屋へ入った。
ガリーナは何をするのかとポカンとしていると、馬小屋にいる一頭の馬にワレリーは近寄る。
「よしよし、怖くないですよ。」
ワレリーはゆっくりと馬に近づき、馬の緊張を解く。
「いい子です。ちょっとお散歩しましょうか。」
それを聞いたガリーナは焦った。
「えっ…!乗馬経験ないですけど…!」
「おや、よく村の者が乗って遊んでますよ。乗馬の真似事で。」
「じゃなくてワレリーさん…!」
するとワレリーはニッコリ。
「私とこの馬を信用してください。」
ガリーナは信じきれないのか恐怖で涙。
ワレリーは馬の背に乗ると、馬は全く抵抗しなかった。
「いい子いい子。
さ、ガリーナも。私に捕まりなさい。」
ワレリーはそう言って、手を伸ばすガリーナの腕を引っ張る。
そして二人は乗馬すると、ワレリーは掛け声を上げた。
「ハイッ!」
すると馬は急にスピードを出して走り出す。
ガリーナは驚いてワレリーにしがみつくと、ワレリーも同じく馬にしがみついた。
「こ、怖いですワレリーさん…!」
ガリーナが言うと、ワレリーは言う。
「暴れ馬さんに乗ってしまったようですね。」
「えぇっ!?」
ガリーナは顔が蒼白すると、ワレリーはクスクスと笑った。
村人は馬で飛び出す二人を見ると驚愕。
「あの暴れ馬に乗ってんぞパーヴェルの野郎…!」
「俺達も馬に乗るんだ!」
そう言って、村人は馬小屋に直行するのであった。
(もう、ガリーナが寝坊するから…)
レギーナは不機嫌そうにしている。
相変わらずレギーナはニコライには馴染めない様で、手を繋ぐこともなくニコライがレギーナを追いかけていた。
「マーマ!マーマ!」
しかも、ガリーナと勘違いしている。
「いい加減親とその妹の区別くらいつくようになりなさいよね!」
基本他人に容赦のないレギーナは、例え幼児であるニコライに対してもキツく当たる。
ニコライはやはり意味を理解できていないのか、保育園の子供を見ると歓喜。
「パプリカトウモロコシサカナー!」
そう言って子供達の方に走っていく。
ニコライに噛み付かれる児童を見て、レギーナは呆れていた。
=======================
ワレリーは今日も畑の整備を村人達としていると、村人の一人は言う。
「知ってるか?最近牧師様の家でさ、数人の女の声が聞こえるんだってよ!」
「え~?牧師様の家には、ガリーナさんしかいないだろう。」
ワレリーはその会話に微妙な顔をしてしまうと、村人は続けた。
「喧嘩してるみたいだってよ。
息子さんの声でもないらしいんだ。」
ワレリーは溜息をつく。
(相当騒がしく喧嘩をしているのですね…)
「てかさ、ニコライは牧師様の子供なんだろ?
牧師様は神様の声を聞くお方なんだし、神の子なんじゃないか?」
「そうなんだけど、牧師様はそうじゃないって言ってるんだよ。」
「え?どういう事だ?」
「牧師様如く、ニコライは生まれる時に神の座を降りたのだとか。」
「へぇ~!そんな事する神の子もいるのかぁ~!」
村人の会話に、ワレリーは更に安心の溜息をついた。
(村の者が単純で助かりました。でもそこが逆に恐ろしいところでもあるのですが…)
「神の子が生まれてくれなきゃ、この村に豊は訪れませんって。
今は魔女が居るし、そのせいでこの猛暑!酷い。」
村人は暑さで腕を捲ると、近くの村人にも腕捲くりを強制。
「こうした方が涼しいぞ~!ほら!パーヴェルも!」
村人はワレリーの元にやってくるので、ワレリーは断る。
「いいや。言うほど暑くないですし。」
すると村人は目を丸くした。
仕事着の下に更に黒い服を着ているワレリー、それよりも薄着の村人達。
村人達は薄着でも暑いのに、厚着のワレリーが暑いわけがない。
「痩せ我慢するなこの~!」
村人はふざけ半分にワレリーの腕を勝手に捲ろうとするが、ワレリーは抵抗。
すると村人はムキになって言った。
「暑さで倒れるぞ!」
「結構です!」
ワレリーはそう言うが、相手の村人に力負けしてしまう。
村人はワレリーの腕を捲ると、ワレリーの腕の傷が見えた。
「な、なんだこれ!」
ワレリーは焦った様子になって隠すと、見ていなかった村人はゾロゾロとやってくる。
「なんだ?」
「き、傷が…!」
別の村人がワレリーの腕を無理に捲ると、その傷を見て驚いた。
「こりゃ…!ひでぇ傷だな…!」
「しかもこんな傷…魔術じゃないとつけないでしょ!」
その言葉を聞いた途端、ワレリーを見る村人の視線が冷める。
ワレリーは血の引いていく感覚がすると、村人達はワレリーを連れて行った。
「パーヴェル、お前やっぱり魔女の仲間なんだろ!」
「そんなパーヴェルが…!?
もしかしたら、パーヴェルがかけた呪いで不作に…!?」
「裏切り者…!もっと早くに気づけばよかった!」
一人の村人は、恐れ慄いた表情で言った。
「早く火刑にしなければ村が大変な事に…!」
一人の村人は、怒りの表情で言う。
「おう!以前準備したものが残ってるから、それを使うぞ!」
村人達は協力して、早速火刑の準備に入った。
ワレリーはこの状況をどう脱するか、静かに考えていた。
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その日の昼、ガリーナは外で洗濯物を干していた。
ガリーナは機嫌が良いみたいだ。
(ニコライ、今日はもうちょっと踊り覚えてくれるかな~?
昨日は、ほんのちょっと踊れたもんね…!)
ニコライが踊った日を思い出し、心を躍らせる。
すると、そこに村人が一人やってきた。
「ガリーナさん!牧師様はどこですか?」
「教会よ?どうかしたの?」
「実は牧師様の弟のパーヴェルが、魔術に手を出してまして…!」
それを聞いたガリーナは、驚きで手を止めてしまう。
(あの傷がバレたんだわ…!)
「あ、俺急いでるんで、では!」
村人はそう言って立ち去ると、ガリーナも走り出す。
立ち去ろうとした村人をガリーナが追い越してしまうので、村人は呆然。
ガリーナは暫く村中を走っていると、畑隣の馬小屋付近でワレリーが捕まっているのを発見。
ワレリーは地中に立てられた木の棒に縛り付けられており、足元には藁と木の枝が積んであった。
(ワレリーさん…!)
ガリーナは近づくと、村人はガリーナに気づいた。
「ガリーナさん、聞いてくださいよ。
この男、実は魔術を使っていまして…」
ガリーナは村人の声も聞こえず、ワレリーを見つめていた。
ワレリーはガリーナに気づくが、視線を落とす。
ガリーナは目に涙を溜めていると、ガリーナはワレリーの手元に目がついた。
ワレリーの手元にはいつも持ち歩いているダガーが。
準備は出来ているものの、相手の目が気になって切るに切れない様子だった。
そしてガリーナが泣いたせいか、先程まで雲がかかっていた空が晴天に。
再び猛暑が襲ってくる。
ワレリーは思った。
(ガリーナ…!皆の気を引く何かを…!)
ガリーナはちゃんとわかっていたのか言う。
「もうやめて!私がレギーナだから!だからパーヴェルは離して!」
と、まさかの自分をレギーナに仕立て上げる作戦。
ワレリーは眉を潜めて唖然。
(それはいくらなんでも危険な賭けでは…)
「レギーナだってぇ!?ガリーナさんじゃないのか!?」
「当たり前よ!」
ガリーナはそう言って近くの石を拾い、
「えいっ」
と畑に投げ入れた。
それを見た村人の怒りを買ってしまう。
「この…!」
ガリーナの方に村人の視線が集中したその時、ワレリーはダガーで縄を切った。
そしてガリーナの元へ走ると、村人に向かって叫ぶ。
「退きなさいッ!」
ダガーを構えて叫ぶので、村人は刃物を恐れて離れてしまう。
ワレリーはガリーナの手を掴むと、そのまま二人で逃走。
先日勇姿を見せてくれたガリーナだが、今はワレリーに引っ張られて走っている。
村人はその後ろをすぐに追いかけてくるので、ワレリーは畑に入るとズカズカと畑を横断。
村人は畑を荒らしたくないのか、回り込んで追いかける。
ガリーナは草が折れる音を聞いて、罪悪感を感じていた。
「畑が…!」
「言ってる場合ですかっ!」
村人と距離を置いた事を確認したワレリーは、近くの馬小屋へ入った。
ガリーナは何をするのかとポカンとしていると、馬小屋にいる一頭の馬にワレリーは近寄る。
「よしよし、怖くないですよ。」
ワレリーはゆっくりと馬に近づき、馬の緊張を解く。
「いい子です。ちょっとお散歩しましょうか。」
それを聞いたガリーナは焦った。
「えっ…!乗馬経験ないですけど…!」
「おや、よく村の者が乗って遊んでますよ。乗馬の真似事で。」
「じゃなくてワレリーさん…!」
するとワレリーはニッコリ。
「私とこの馬を信用してください。」
ガリーナは信じきれないのか恐怖で涙。
ワレリーは馬の背に乗ると、馬は全く抵抗しなかった。
「いい子いい子。
さ、ガリーナも。私に捕まりなさい。」
ワレリーはそう言って、手を伸ばすガリーナの腕を引っ張る。
そして二人は乗馬すると、ワレリーは掛け声を上げた。
「ハイッ!」
すると馬は急にスピードを出して走り出す。
ガリーナは驚いてワレリーにしがみつくと、ワレリーも同じく馬にしがみついた。
「こ、怖いですワレリーさん…!」
ガリーナが言うと、ワレリーは言う。
「暴れ馬さんに乗ってしまったようですね。」
「えぇっ!?」
ガリーナは顔が蒼白すると、ワレリーはクスクスと笑った。
村人は馬で飛び出す二人を見ると驚愕。
「あの暴れ馬に乗ってんぞパーヴェルの野郎…!」
「俺達も馬に乗るんだ!」
そう言って、村人は馬小屋に直行するのであった。
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