あの空の向こう

麒麟

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診察室

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「コンコン」

(健介)「はーい。どうぞー。」

陸斗さんがドアをノックすると、中からいかにも男の人とという低い声が返ってきた。

僕の手に恐怖で力が入る。

「大丈夫だよ。」と安心させるように陸斗さんが僕を抱きなおして、僕達は診察室の中に入った。

「ガラッ」

(健介)「はい、こんにちは。今日はどうしたんだ?」

中に入ると白衣を着たがたいのいい医者は、僕の方を見ることなく言いはなった。

僕の主治医の第一印象は失礼な奴で決まりだ。

僕が何も言わずにいるものだから、医者は不思議に思い僕の方に顔を上げてきた。

でも、そこにいたのは同じ職場の看護師。

驚いてすっとんきょうな顔になっている。

(ざまあみろ!)

(健介)
「あれ、北村。
どうしたんだ?お前、今日は受付と外来処置だろう?」

(陸斗)「はい、そうなんですけど、、、、」

陸斗さんがこれまでのことを説明しようとした時、

(健介)
「んっ?なんだ、その小さいの?あ、それが小山蒼か?」

(小さい!?
確かに僕のはこの年齢にしては小さいかもしれないけど、初対面で言う?普通(怒))

僕が一人、恐怖と怒りとわけのわからない感情でグルグルしてると、陸斗さんがいきさつを説明しながら患者椅子に腰かけた。

(陸斗)「実は、、、、、、」

(健介)
「ふーん、なるほどなぁ。
病院嫌いかぁ、じゃあ、白衣は脱ぐかぁ。」

おもむろに白衣を脱ぎ始め、不覚にも僕は陸斗さんの胸からその医者の方に顔をあげてしまった。
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