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11話「妹たちと運動会」 前編
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すっかり秋も深まってきた10月の中旬。
読書の秋、食欲の秋、運動の秋……と、まあ秋と言えば色々あるわけで。
俺は今、愛する我が妹たちの運動会を見に来ている。
愛する我が妹たちが活躍する姿を一目見ようと俺はビデオカメラ片手に、親バカな保護者のごとく猛烈に張り切っていた。
そんな俺の隣には……
「ほら! ほら、あそこにちーちゃんが! あ、隣に茜たんもいるわよ! ちょっとあんた、ちゃんとカメラ回してる? ちゃんと撮らないとただじゃおかないから!」
「うるせえな! シスコンな俺がそんな失態を犯すわけないだろうが。 さっきからお前の声ばっか拾ってんだよ! 俺の「愛しの妹ビデオ」のためにも少しは静かにしてくれ」
「くっ……そんなこと言われたら黙るしかないじゃない」
レナはそう言うと反省したかのように口を閉じた。
時は遡り一週間前、俺は妹たちに運動会にお招きされたのだった。
中学生になった二人の晴れ舞台だ。 行かないわけがない。
そんな浮かれた俺は思わずレナにそのことを話してしまったわけだ。
例のごとくあることないことを言いふらすとレナに脅迫され仕方なくこうしてレナと我が愛しの妹たちの運動会を見に来たのである。
「陽兄~!」
一連の騒ぎで俺たちのことに気付いた茜が笑顔で手を振ってきた。
赤いハチマキを額に着けた茜。 小学生のような幼さが残る笑顔。
我が妹ながら……いや我が妹よ、可愛すぎる。
思わず大声で茜と智咲の名前を叫び手を振った。
笑顔で応える茜。 勿論可愛い。 その隣で恥ずかしそうにこっちを睨む智咲。 くっそ可愛い。
「ちょっとあんた、レナには静かにしろって言っておいて何よそれ。 ……「ちーあか」可愛いから許すけど」
何だよ「ちーあか」って。 あ、智咲と茜のことか。 ……なんだその名づけ方。 単純すぎるだろ。
開会式が終わり、恒例のラジオ体操が終わり、徒競走が始まった。
茜と智咲の出番は借り物競争、二人三脚、クラス別リレーだ。
だから妹たちの出番ではない今は休憩時間みたいなものだ。
俺は一旦カメラを止め、ビニールシートに腰を下ろした。
「しばらくは休戦ってことね」
「お前な、これは戦争じゃねえんだよ」
「戦争みたいなもんよ。 一秒でも長く妹ちゃんの姿を目に焼きつけたいじゃない。 瞬きする暇さえだってないわよ。 だから今のうちに体を休ませないといけないわ」
「お前な……確かにそうだな」
俺とレナは拳を握り、戦に備えることにした。
「おーい、陽ちゃーん」
背後から名前を呼ばれ握っていた拳を解き振り返るとそこには菜摘の姿があった。
読書の秋、食欲の秋、運動の秋……と、まあ秋と言えば色々あるわけで。
俺は今、愛する我が妹たちの運動会を見に来ている。
愛する我が妹たちが活躍する姿を一目見ようと俺はビデオカメラ片手に、親バカな保護者のごとく猛烈に張り切っていた。
そんな俺の隣には……
「ほら! ほら、あそこにちーちゃんが! あ、隣に茜たんもいるわよ! ちょっとあんた、ちゃんとカメラ回してる? ちゃんと撮らないとただじゃおかないから!」
「うるせえな! シスコンな俺がそんな失態を犯すわけないだろうが。 さっきからお前の声ばっか拾ってんだよ! 俺の「愛しの妹ビデオ」のためにも少しは静かにしてくれ」
「くっ……そんなこと言われたら黙るしかないじゃない」
レナはそう言うと反省したかのように口を閉じた。
時は遡り一週間前、俺は妹たちに運動会にお招きされたのだった。
中学生になった二人の晴れ舞台だ。 行かないわけがない。
そんな浮かれた俺は思わずレナにそのことを話してしまったわけだ。
例のごとくあることないことを言いふらすとレナに脅迫され仕方なくこうしてレナと我が愛しの妹たちの運動会を見に来たのである。
「陽兄~!」
一連の騒ぎで俺たちのことに気付いた茜が笑顔で手を振ってきた。
赤いハチマキを額に着けた茜。 小学生のような幼さが残る笑顔。
我が妹ながら……いや我が妹よ、可愛すぎる。
思わず大声で茜と智咲の名前を叫び手を振った。
笑顔で応える茜。 勿論可愛い。 その隣で恥ずかしそうにこっちを睨む智咲。 くっそ可愛い。
「ちょっとあんた、レナには静かにしろって言っておいて何よそれ。 ……「ちーあか」可愛いから許すけど」
何だよ「ちーあか」って。 あ、智咲と茜のことか。 ……なんだその名づけ方。 単純すぎるだろ。
開会式が終わり、恒例のラジオ体操が終わり、徒競走が始まった。
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だから妹たちの出番ではない今は休憩時間みたいなものだ。
俺は一旦カメラを止め、ビニールシートに腰を下ろした。
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「お前な、これは戦争じゃねえんだよ」
「戦争みたいなもんよ。 一秒でも長く妹ちゃんの姿を目に焼きつけたいじゃない。 瞬きする暇さえだってないわよ。 だから今のうちに体を休ませないといけないわ」
「お前な……確かにそうだな」
俺とレナは拳を握り、戦に備えることにした。
「おーい、陽ちゃーん」
背後から名前を呼ばれ握っていた拳を解き振り返るとそこには菜摘の姿があった。
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