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5話「妹たちと温泉旅行」2日目前編
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「ふぁー」
「陽ちゃんどうしたの? 眠そうだねえ~」
「ああ、あんま眠れなくてさ」
「それは大変! 今日は早く寝なきゃね!」
「おう、そうさせてもらうよ」
悪夢にうなされてたのだ。
俺は茜に首輪をつけられ犬小屋へ放り込まれるという夢。
狭い犬小屋の中で俺は助けを呼ぶのだが、何故か犬の鳴き声しか出せず、無駄に一人で吠えているだけなのだ。
智咲も菜摘も俺を睨みつけてるだけで助けてくれないという最悪な夢だ。
夜中にそんな悪夢にうなされて起きて、しばらく寝れなかったがしばらくすると徐々に眠くなり再び眠りについた。
そして今朝、茜に起こされたわけだ。
今は朝食を終え、旅館から外出するところだ。
今日は昨日の夜に皆で決めた行程で観光する予定だ。
皆で旅行雑誌を見ながら、それぞれ一人一つ行きたいところを選んだ。
まずは菜摘の行きたいところから回る。
「はーい、今からは私のターン! 来宮神社に行くよ~!」
菜摘がいつもにも増して張り切る。
こいつのこういう明るさはとても可愛いと思う。 余計なことを言うところはどうにかしてほしいところだが。
俺たちは徒歩20分かけて来宮神社に到着した。
今日も例によって暑く、今朝見た朝のニュースによると猛暑日だという。
今日も嫌になるほどの雲ひとつない青空だ。
パワースポットとして有名な来宮神社は多くの観光客で溢れていた。
なんか……パワースポットを選ぶのがなんとも菜摘らしい。
「はい、ここ来宮神社には樹齢二千年になる木があります! そして誰にも願い事を言わずに幹を回ると願い事が叶う、また幹を1周すると寿命が1年伸びるとも言われています!」
菜摘が旅行雑誌を見ながら俺たちに解説していく。
「けっ。 パワースポットとかババくさーい」
茜がしかめっ面でそう漏らす。
「バ、ババ……嫌だなあー茜ちゃん。 私はまだピチピチの16歳だよ~! さあ気を取り直して大楠までレッツゴー!」
鳥居から本殿までの道は竹林に包まれており少しだけ涼しく感じた。
「まずは本殿からお参りするよ~、皆! 二礼二拍手一礼 だよ!」
俺たちは菜摘に言われた通りに二礼二拍手一礼をした。
そして本殿のお参りが終わり、お目当の大楠へと移動した。
「うお! でっけえー!」
「おっきいね陽兄!」
「なんか貫禄あるわね……」
でかい大楠を目の前に驚愕する俺たち兄妹。
なんだかこの木を見てるだけでもパワーをもらえそうな気がする。
二千年以上も落雷とか天変地異とか色んなものに耐えただけあって堂々とした佇まいだ。
深く息を吸う。 ここ一体の空気は澄んでいて美味しい気がする。
近くを流れる川の音を聞きながら俺は普段はあまり味わえない自然を感じていた。
「さあ皆! 幹を回ろう!」
菜摘が張り切って俺たちに呼びかける。
大楠の幹の周りを願い事を心に込めながら回ると願いが叶うらしい。 そうでなくても回るだけで寿命が一年延びるのだとか。
俺の願い事は……そんなのは決まっている。
「仲の良い兄妹でずっと過ごすこと」だ。
俺たちはそれぞれ思い思いに幹の周りを一周した。
「陽ちゃんとイチャイチャできますように! あ、いけない! 願い事言っちゃった!」
と菜摘は思い切り叫びながら幹を回っていた。
案の定、茜と智咲はそれを見てイラついていた。
今にもキレそうな勢いで……
それをヒヤヒヤしながら見てる俺の身にもなってほしいぜ。
「陽兄とまたチューできますように!」
「おい茜。 やめなさい!」
周りの人が見てるだろ! それに願い事口にしたら叶わないぞ?
…………俺は別にいいんだけどね?
智咲は恥ずかしいのか何も言わなかった。
いや、それが普通なのだが。
その後、参拝を終えた俺たちは神社を後にした。
「陽ちゃんどうしたの? 眠そうだねえ~」
「ああ、あんま眠れなくてさ」
「それは大変! 今日は早く寝なきゃね!」
「おう、そうさせてもらうよ」
悪夢にうなされてたのだ。
俺は茜に首輪をつけられ犬小屋へ放り込まれるという夢。
狭い犬小屋の中で俺は助けを呼ぶのだが、何故か犬の鳴き声しか出せず、無駄に一人で吠えているだけなのだ。
智咲も菜摘も俺を睨みつけてるだけで助けてくれないという最悪な夢だ。
夜中にそんな悪夢にうなされて起きて、しばらく寝れなかったがしばらくすると徐々に眠くなり再び眠りについた。
そして今朝、茜に起こされたわけだ。
今は朝食を終え、旅館から外出するところだ。
今日は昨日の夜に皆で決めた行程で観光する予定だ。
皆で旅行雑誌を見ながら、それぞれ一人一つ行きたいところを選んだ。
まずは菜摘の行きたいところから回る。
「はーい、今からは私のターン! 来宮神社に行くよ~!」
菜摘がいつもにも増して張り切る。
こいつのこういう明るさはとても可愛いと思う。 余計なことを言うところはどうにかしてほしいところだが。
俺たちは徒歩20分かけて来宮神社に到着した。
今日も例によって暑く、今朝見た朝のニュースによると猛暑日だという。
今日も嫌になるほどの雲ひとつない青空だ。
パワースポットとして有名な来宮神社は多くの観光客で溢れていた。
なんか……パワースポットを選ぶのがなんとも菜摘らしい。
「はい、ここ来宮神社には樹齢二千年になる木があります! そして誰にも願い事を言わずに幹を回ると願い事が叶う、また幹を1周すると寿命が1年伸びるとも言われています!」
菜摘が旅行雑誌を見ながら俺たちに解説していく。
「けっ。 パワースポットとかババくさーい」
茜がしかめっ面でそう漏らす。
「バ、ババ……嫌だなあー茜ちゃん。 私はまだピチピチの16歳だよ~! さあ気を取り直して大楠までレッツゴー!」
鳥居から本殿までの道は竹林に包まれており少しだけ涼しく感じた。
「まずは本殿からお参りするよ~、皆! 二礼二拍手一礼 だよ!」
俺たちは菜摘に言われた通りに二礼二拍手一礼をした。
そして本殿のお参りが終わり、お目当の大楠へと移動した。
「うお! でっけえー!」
「おっきいね陽兄!」
「なんか貫禄あるわね……」
でかい大楠を目の前に驚愕する俺たち兄妹。
なんだかこの木を見てるだけでもパワーをもらえそうな気がする。
二千年以上も落雷とか天変地異とか色んなものに耐えただけあって堂々とした佇まいだ。
深く息を吸う。 ここ一体の空気は澄んでいて美味しい気がする。
近くを流れる川の音を聞きながら俺は普段はあまり味わえない自然を感じていた。
「さあ皆! 幹を回ろう!」
菜摘が張り切って俺たちに呼びかける。
大楠の幹の周りを願い事を心に込めながら回ると願いが叶うらしい。 そうでなくても回るだけで寿命が一年延びるのだとか。
俺の願い事は……そんなのは決まっている。
「仲の良い兄妹でずっと過ごすこと」だ。
俺たちはそれぞれ思い思いに幹の周りを一周した。
「陽ちゃんとイチャイチャできますように! あ、いけない! 願い事言っちゃった!」
と菜摘は思い切り叫びながら幹を回っていた。
案の定、茜と智咲はそれを見てイラついていた。
今にもキレそうな勢いで……
それをヒヤヒヤしながら見てる俺の身にもなってほしいぜ。
「陽兄とまたチューできますように!」
「おい茜。 やめなさい!」
周りの人が見てるだろ! それに願い事口にしたら叶わないぞ?
…………俺は別にいいんだけどね?
智咲は恥ずかしいのか何も言わなかった。
いや、それが普通なのだが。
その後、参拝を終えた俺たちは神社を後にした。
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