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30話「修学旅行」 中編その3
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こんなに胸が高鳴るのはいつぶりだろうか。
まったく、唯ってやつはいつも俺の気持ちを揺さぶってくる。 嬉しいことも悲しいことも唯の手に握られているような、なんか男としては情けないけどそれも悪くない。
俺は唯の犬でいい。
そうだな、もし俺が犬だったら何犬がいいだろうか。 ここはオーソドックスなミニチュアダックスか? いや、唯が好きなコーギーだ! そうだ俺はコーギーだ。 唯の元へと尻尾を振って忠実に向かうコーギーだ。
「あれ、淳一君!?」
誰かに名前を呼ばれ思わず振り返るとそこには見覚えのある顔があった。
「は!? 何で真柴がここにいるんだ?」
「それはこっちのセリフだよ! あれ、もしかして淳一君も修学旅行?」
「ああ、ってことは真柴もそうなのか?」
俺がそう言うと真柴は子供みたいに目をキラキラさせた。
「やったあああああ! よかったー、あそこでジャンケン負けて」
「ジャンケン?」
「うん、うちの学校ちょっと特殊で先生とジャンケンして行き先決めるんだよね。 勝ったら北海道、あいこは沖縄、負けたら京都なの」
「負けは随分安上がりだな」
「まあねー、お母さんは喜んでたけど。 でもよかったー、淳一君がいるなら京都でよかったよー。 それに北海道と沖縄は前に行ったからね」
そう言って笑う真柴は本当に嬉しそうで素直に可愛いと思った。
「今日は自由行動なんだけど、よかったら淳一君一緒に回ろうよ」
満面の笑みの真柴。 しかし俺には唯との約束がある。
「すまん、先約があってな」
「あ、そうだよねごめんね」
珍しく潔いというかあっさりと真柴は身を引いた。
「それじゃあまたね」
真柴はそう言ってホテルの出口へと去って行った。
真柴、いつもと様子が違ったな。 ……まあいっか。
俺は唯の元へと急いだ。
*
ホテルの入り口へ着くと唯が携帯を弄りながら入り口付近に立っていた。
「よう、待ったか」
内心唯に会えて、この後のことのことを考えると顔がニヤけてしまうのだが必死に耐え平然を装う。
「う、うん今来たとこ。 じゃなかった淳一遅い!」
最初は恥ずかしそうに答えたくせにいきなりキレやがったまったく女ってやつはよくわからない。
「悪いって。 まあ、その……なんだ……いくぞ」
「……うん」
唯がそう答えたのを確認し、俺は外へと出た。
ホテルを出ると歩いてすぐにある街路樹の紅葉がまるで俺たちを待ってくれていたかのように暖かく迎えてくれた。 綺麗な赤色に染まった紅葉はその綺麗さで俺たちの緊張をほどよく和らげてくれた。
「綺麗だね紅葉」
「ああ、この坂ずっとこの景色が続いてるらしいぞ」
「へえ、何で知ってるの?」
「まあ、ちょっと調べたからな」
「ふーん、淳一のくせに珍しい。 いっつも行き当たりばったりなのに」
「うっせ」
俺がそう答えると唯はふふっと微笑んだ。 たったそれだけのことなのに俺の心は温かくなる。 我ながらなんて単純なんだって思うがかまうもんか。 暖かい日差しを浴びながら、確かな幸せを感じながら俺と唯は歩き続けた。
「当てもなくまっすぐ進んでるけど、どこ向かってるの?」
「とりあえず、駅に向かってる。 嵐山とか行きたいなって思ってる」
「ふーん、あのさ……そこ行ったあと私が行きたいとこ行ってもいい?」
「いいけど、どこ行きたいんだ?」
「んー、まあ後で分かるわよ。 詮索するなエロ淳一」
「お前なあ俺のどこがエロなんだよ」
「淳一、顏やらしいもん」
まあ、確かに昨夜クラスメイトたちと有料チャンネルを見ようとしたが……
結局見てないし我慢したから俺は潔白だ! なんて言っても白い目で見られるのは分かってるのでやめておこう。
俺たちは電車を乗り継ぎ、嵐山へと到着した。
まったく、唯ってやつはいつも俺の気持ちを揺さぶってくる。 嬉しいことも悲しいことも唯の手に握られているような、なんか男としては情けないけどそれも悪くない。
俺は唯の犬でいい。
そうだな、もし俺が犬だったら何犬がいいだろうか。 ここはオーソドックスなミニチュアダックスか? いや、唯が好きなコーギーだ! そうだ俺はコーギーだ。 唯の元へと尻尾を振って忠実に向かうコーギーだ。
「あれ、淳一君!?」
誰かに名前を呼ばれ思わず振り返るとそこには見覚えのある顔があった。
「は!? 何で真柴がここにいるんだ?」
「それはこっちのセリフだよ! あれ、もしかして淳一君も修学旅行?」
「ああ、ってことは真柴もそうなのか?」
俺がそう言うと真柴は子供みたいに目をキラキラさせた。
「やったあああああ! よかったー、あそこでジャンケン負けて」
「ジャンケン?」
「うん、うちの学校ちょっと特殊で先生とジャンケンして行き先決めるんだよね。 勝ったら北海道、あいこは沖縄、負けたら京都なの」
「負けは随分安上がりだな」
「まあねー、お母さんは喜んでたけど。 でもよかったー、淳一君がいるなら京都でよかったよー。 それに北海道と沖縄は前に行ったからね」
そう言って笑う真柴は本当に嬉しそうで素直に可愛いと思った。
「今日は自由行動なんだけど、よかったら淳一君一緒に回ろうよ」
満面の笑みの真柴。 しかし俺には唯との約束がある。
「すまん、先約があってな」
「あ、そうだよねごめんね」
珍しく潔いというかあっさりと真柴は身を引いた。
「それじゃあまたね」
真柴はそう言ってホテルの出口へと去って行った。
真柴、いつもと様子が違ったな。 ……まあいっか。
俺は唯の元へと急いだ。
*
ホテルの入り口へ着くと唯が携帯を弄りながら入り口付近に立っていた。
「よう、待ったか」
内心唯に会えて、この後のことのことを考えると顔がニヤけてしまうのだが必死に耐え平然を装う。
「う、うん今来たとこ。 じゃなかった淳一遅い!」
最初は恥ずかしそうに答えたくせにいきなりキレやがったまったく女ってやつはよくわからない。
「悪いって。 まあ、その……なんだ……いくぞ」
「……うん」
唯がそう答えたのを確認し、俺は外へと出た。
ホテルを出ると歩いてすぐにある街路樹の紅葉がまるで俺たちを待ってくれていたかのように暖かく迎えてくれた。 綺麗な赤色に染まった紅葉はその綺麗さで俺たちの緊張をほどよく和らげてくれた。
「綺麗だね紅葉」
「ああ、この坂ずっとこの景色が続いてるらしいぞ」
「へえ、何で知ってるの?」
「まあ、ちょっと調べたからな」
「ふーん、淳一のくせに珍しい。 いっつも行き当たりばったりなのに」
「うっせ」
俺がそう答えると唯はふふっと微笑んだ。 たったそれだけのことなのに俺の心は温かくなる。 我ながらなんて単純なんだって思うがかまうもんか。 暖かい日差しを浴びながら、確かな幸せを感じながら俺と唯は歩き続けた。
「当てもなくまっすぐ進んでるけど、どこ向かってるの?」
「とりあえず、駅に向かってる。 嵐山とか行きたいなって思ってる」
「ふーん、あのさ……そこ行ったあと私が行きたいとこ行ってもいい?」
「いいけど、どこ行きたいんだ?」
「んー、まあ後で分かるわよ。 詮索するなエロ淳一」
「お前なあ俺のどこがエロなんだよ」
「淳一、顏やらしいもん」
まあ、確かに昨夜クラスメイトたちと有料チャンネルを見ようとしたが……
結局見てないし我慢したから俺は潔白だ! なんて言っても白い目で見られるのは分かってるのでやめておこう。
俺たちは電車を乗り継ぎ、嵐山へと到着した。
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