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四章 ~決意と決別~
神童の真の姿
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「‥‥‥あまり驚いてないみたいね」
鏡華は子供っぽくむくれながら、アレクシアをその場に座らせた。
実際、アレクシアはさほど驚きを感じていなかった。疲労感のせいで鈍くなっているせいもあるが、今思えば、鏡華に傷らしい傷は一つも無かった。
「鏡華は、簡単に死ぬ人ジャナイ。それに、心臓と脈を少しの間ダケ止メル技がアルって、蒼真が言ってタ」
心臓と脈は、本当に止まっていたため、半信半疑ではあったが──その技は、実在していたらしい。
「蒼真も余計なことペラペラと‥‥‥まあ良いわ」
と、鏡華はつまらなそうに肩をすくめると、気を失ったエリッサに目を向け、
「こっちも良い感じに落としたみたいだし、起きる前に封じましょう」
小脇に抱えていた塊を広げる──むしろ、そちらの方にアレクシアは驚いた。
施された術によって、手足の自由のみならず法力をも封じ込める、法術師用拘束衣一式だった。アレクシアも、神聖帝国で捕まった際にはこれを着せられた──つまりこれは、陽出にはあり得ない、神聖帝国の法具である。
だというのに、エリッサに着せていく鏡華に手つきは、実に慣れたもので、終えるまでに一分とかからなかった。
『っ? これは‥‥‥どうなってっ』
アレクシアが疑問を発しようとしたところで、エリッサが目を覚ました。手足も法力も封じられていては、喋ることくらいしか出来ないが。
「あら、お目覚めのようね。丁度良いわ、色々と話もあったし‥‥‥よっこらせ」
鏡華は軽々とエリッサを肩に担ぎ、重さなど感じさせない動きで、軽快に下り坂を下っていく。アレクシアが、疲れ切った体に鞭打って早足にならなければならないほどに。
『は、離せっ! 下民如きが私に触れるなっ!』
『離せって‥‥‥そんな芋虫同然の状態で放り出せって言うの?』
神聖帝国語に切り替えた鏡華の言い様は、軽い調子ながらとても乾いていた。
『そうでなくても、体も法力もだいぶ消耗してるのに? ねえ貴方、まさか忘れてないでしょうね? この場所が、神聖帝国曰く──野蛮人と魔物が跋扈する〝混沌の東地〟の只中だってことを』
乾いた声で脅すように鏡華は言うが、陽出の治安は神聖帝国よりも遥かに良く、人類も魔族も程度の差こそあれど、気性の穏やかな者ばかり。よほど運が無いか、エリッサ自身がよほどの下手を打たない限り、酷い扱いを受けるということはないだろう。
とはいえ、そんなことをエリッサが知る由もなく、
『‥‥‥っ』
『お利口なことで結構よ』
真っ青になって黙り込んだエリッサに、鏡華はさも鷹揚に頷いて見せた。
明らかにエリッサの無知を弄って遊んでいた。
「悪い人‥‥‥」
エリッサに悟られないよう、陽出語で非難するアレクシア。鏡華は、アレクシアだけに見えるように小さく舌を突き出し、
『安心しなさい。仮にも四大賢人はシュトルメアのご令嬢様だもの。そうやってお利口にしていれば、悪い様にはならないわ』
『‥‥‥そうだ、私はシュトルメアに連なる者‥‥‥』
鏡華への肯定というより、自分に言い聞かせるような呟きが、エリッサの口から洩れる。それで少しだけ余裕を取り戻したらしい。エリッサは、顔は青いままながら睨みつけてきた。
『例え私がここで果てようと、我が一族は決して黙っていないっ! 神の御名の元、必ずや貴様らには断罪が下されるっ!』
『別に果てはしないわよ』
エリッサの怒鳴り声に、鏡華は淡々と返した。
『細かい手続きとかいろいろあるだろうけど、いずれ貴方はおウチに帰れるわ』
『小賢しい善行か、恩を売っているつもりか知らんが‥‥‥このような屈辱を決して忘れることはないぞっ! 私を今殺さなかったことを、貴様らは必ず後悔するだろうっ! それまでせいぜい思い上がっているがいいっ!』
エリッサの耳障りな哄笑に、ただでさえ減退していたアレクシアの気力は、更に落ち込んでいく。とはいえ、さすがに見過ごせない。
『‥‥‥エリッサ、もういい加減にしときなさい』
出来るだけ刺激しないように、とても穏やかに──結果として、幼い聞かん坊でも相手にするかのようなアレクシアの言い様は、今のエリッサには逆効果だったようだ。
『貴様が言うなっ!』
エリッサは、顔を上げてアレクシアを睨む。魔眼の類なら、それだけで射殺さんばかりの殺意を乗せて。
『そうだ‥‥‥貴様のせいだ‥‥‥貴様のような出来損のせいでっ!』
『そんなの』
エリッサの身勝手極まりない言い様に、言い返そうとしたアレクシアだったが、すぐに押し黙った。
『何言ってんのよ。元は自分の撒いた種でしょうに』
こっそり振り返った鏡華が、アレクシアに黙ってろとばかりに口元に指を立てて見せながら、呆れるように言った。
『大体の事情は聞いてるけど、どう考えても貴方の自業自得──いらない欲を出して、使っちゃいけない禁術を使ったりしたのが、そもそもの原因じゃないのよ』
『より大きな法術を求めて何が悪いっ!』
『それでお友達を犠牲にした、と‥‥‥その向上心だか探究心は感服するけど、正直共感は出来ないわね』
『違うっ! その出来損ないに使ったんだっ! なのに』
『アレクシアちゃんじゃなくて、何故かお友達に術がかかった‥‥‥何にしても、術を使ったのが貴方なら、失敗したのも貴方でしょ』
『違う違う違うっ! 全てそいつのせいだっ! 出来損ないの分際で術にかからずさっさと死ななかったそいつが、何もかも悪いんだっ! 悪いのは私じゃないっ!』
だいぶ錯乱しているとはいえ、本人を前にしてこの言い分──アレクシアの口は、開いたまま塞がらない。
『その理屈だと~‥‥‥逆に、仮に、何もかもが貴方の思い通りに上手く行ったとしたら~‥‥‥』
何かを考えるかのように、わざとらしく唸って見せながら、鏡華は訊ねた。
『何もかもアレクシアちゃんに全てを擦り付けるって事になるわけで、ここに来たのも、それっぽい大義名分はあるんだろうけど、貴方個人で言えば〝口封じ〟ってことになるわよ?』
『何がおかしいっ? そんな出来損ないのクズ、泥を被る以外に何の役に立つっ! 仮にも貴族の端くれなら、役に立って死んでいける分、ただ捨てるより遥かに良いではないかっ! そんなモノが私の経歴に傷をつけようなど、ふざけるなっ!』
『‥‥‥よく分かったわ』
鏡華は、打って変わって無表情に相槌を打ちながら、懐に手を突っ込み、
『ということだそうだけど、聞こえた?』
取り出した薄板の械に向かって、訊ねた。
『ああ。しっかり聞かせてもらったよ』
機械が発した声を耳にして、アレクシアは全てを理解した。
正確には──理解したというよりは、燻っていたいくつかの疑問が一気氷解したというべきか。
鏡華は子供っぽくむくれながら、アレクシアをその場に座らせた。
実際、アレクシアはさほど驚きを感じていなかった。疲労感のせいで鈍くなっているせいもあるが、今思えば、鏡華に傷らしい傷は一つも無かった。
「鏡華は、簡単に死ぬ人ジャナイ。それに、心臓と脈を少しの間ダケ止メル技がアルって、蒼真が言ってタ」
心臓と脈は、本当に止まっていたため、半信半疑ではあったが──その技は、実在していたらしい。
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と、鏡華はつまらなそうに肩をすくめると、気を失ったエリッサに目を向け、
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小脇に抱えていた塊を広げる──むしろ、そちらの方にアレクシアは驚いた。
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だというのに、エリッサに着せていく鏡華に手つきは、実に慣れたもので、終えるまでに一分とかからなかった。
『っ? これは‥‥‥どうなってっ』
アレクシアが疑問を発しようとしたところで、エリッサが目を覚ました。手足も法力も封じられていては、喋ることくらいしか出来ないが。
「あら、お目覚めのようね。丁度良いわ、色々と話もあったし‥‥‥よっこらせ」
鏡華は軽々とエリッサを肩に担ぎ、重さなど感じさせない動きで、軽快に下り坂を下っていく。アレクシアが、疲れ切った体に鞭打って早足にならなければならないほどに。
『は、離せっ! 下民如きが私に触れるなっ!』
『離せって‥‥‥そんな芋虫同然の状態で放り出せって言うの?』
神聖帝国語に切り替えた鏡華の言い様は、軽い調子ながらとても乾いていた。
『そうでなくても、体も法力もだいぶ消耗してるのに? ねえ貴方、まさか忘れてないでしょうね? この場所が、神聖帝国曰く──野蛮人と魔物が跋扈する〝混沌の東地〟の只中だってことを』
乾いた声で脅すように鏡華は言うが、陽出の治安は神聖帝国よりも遥かに良く、人類も魔族も程度の差こそあれど、気性の穏やかな者ばかり。よほど運が無いか、エリッサ自身がよほどの下手を打たない限り、酷い扱いを受けるということはないだろう。
とはいえ、そんなことをエリッサが知る由もなく、
『‥‥‥っ』
『お利口なことで結構よ』
真っ青になって黙り込んだエリッサに、鏡華はさも鷹揚に頷いて見せた。
明らかにエリッサの無知を弄って遊んでいた。
「悪い人‥‥‥」
エリッサに悟られないよう、陽出語で非難するアレクシア。鏡華は、アレクシアだけに見えるように小さく舌を突き出し、
『安心しなさい。仮にも四大賢人はシュトルメアのご令嬢様だもの。そうやってお利口にしていれば、悪い様にはならないわ』
『‥‥‥そうだ、私はシュトルメアに連なる者‥‥‥』
鏡華への肯定というより、自分に言い聞かせるような呟きが、エリッサの口から洩れる。それで少しだけ余裕を取り戻したらしい。エリッサは、顔は青いままながら睨みつけてきた。
『例え私がここで果てようと、我が一族は決して黙っていないっ! 神の御名の元、必ずや貴様らには断罪が下されるっ!』
『別に果てはしないわよ』
エリッサの怒鳴り声に、鏡華は淡々と返した。
『細かい手続きとかいろいろあるだろうけど、いずれ貴方はおウチに帰れるわ』
『小賢しい善行か、恩を売っているつもりか知らんが‥‥‥このような屈辱を決して忘れることはないぞっ! 私を今殺さなかったことを、貴様らは必ず後悔するだろうっ! それまでせいぜい思い上がっているがいいっ!』
エリッサの耳障りな哄笑に、ただでさえ減退していたアレクシアの気力は、更に落ち込んでいく。とはいえ、さすがに見過ごせない。
『‥‥‥エリッサ、もういい加減にしときなさい』
出来るだけ刺激しないように、とても穏やかに──結果として、幼い聞かん坊でも相手にするかのようなアレクシアの言い様は、今のエリッサには逆効果だったようだ。
『貴様が言うなっ!』
エリッサは、顔を上げてアレクシアを睨む。魔眼の類なら、それだけで射殺さんばかりの殺意を乗せて。
『そうだ‥‥‥貴様のせいだ‥‥‥貴様のような出来損のせいでっ!』
『そんなの』
エリッサの身勝手極まりない言い様に、言い返そうとしたアレクシアだったが、すぐに押し黙った。
『何言ってんのよ。元は自分の撒いた種でしょうに』
こっそり振り返った鏡華が、アレクシアに黙ってろとばかりに口元に指を立てて見せながら、呆れるように言った。
『大体の事情は聞いてるけど、どう考えても貴方の自業自得──いらない欲を出して、使っちゃいけない禁術を使ったりしたのが、そもそもの原因じゃないのよ』
『より大きな法術を求めて何が悪いっ!』
『それでお友達を犠牲にした、と‥‥‥その向上心だか探究心は感服するけど、正直共感は出来ないわね』
『違うっ! その出来損ないに使ったんだっ! なのに』
『アレクシアちゃんじゃなくて、何故かお友達に術がかかった‥‥‥何にしても、術を使ったのが貴方なら、失敗したのも貴方でしょ』
『違う違う違うっ! 全てそいつのせいだっ! 出来損ないの分際で術にかからずさっさと死ななかったそいつが、何もかも悪いんだっ! 悪いのは私じゃないっ!』
だいぶ錯乱しているとはいえ、本人を前にしてこの言い分──アレクシアの口は、開いたまま塞がらない。
『その理屈だと~‥‥‥逆に、仮に、何もかもが貴方の思い通りに上手く行ったとしたら~‥‥‥』
何かを考えるかのように、わざとらしく唸って見せながら、鏡華は訊ねた。
『何もかもアレクシアちゃんに全てを擦り付けるって事になるわけで、ここに来たのも、それっぽい大義名分はあるんだろうけど、貴方個人で言えば〝口封じ〟ってことになるわよ?』
『何がおかしいっ? そんな出来損ないのクズ、泥を被る以外に何の役に立つっ! 仮にも貴族の端くれなら、役に立って死んでいける分、ただ捨てるより遥かに良いではないかっ! そんなモノが私の経歴に傷をつけようなど、ふざけるなっ!』
『‥‥‥よく分かったわ』
鏡華は、打って変わって無表情に相槌を打ちながら、懐に手を突っ込み、
『ということだそうだけど、聞こえた?』
取り出した薄板の械に向かって、訊ねた。
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