あやとり

近江由

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六本の糸~地球編~

17.透き間風

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 信じられなかった。いや、信じるものかと何度も言い聞かせた。



 これ以上ここにいると他の乗組員に気が付かれる。



「・・・・コウヤ君。」

 後ろから声がかかった。思わずその声に縋りそうになり、勢いよく振り向いた。



「ニ・・・ニシハラ大尉。」



「ここでは艦長だ。だが、どうした?」

 声をかけたハクトは自分から話しかけた癖に気まずそうだ。



「・・・別に、・・・か・・・艦長こそ、俺に何か・・・・」

 歯を食いしばって嗚咽を堪えるのが精一杯だった。言葉もうまく発せられない。



「本当にどうした?おい。何が・・・」

 コウヤの様子に尋常ならないものを感じたハクトはよろめくコウヤの肩を掴んだ。



 縋るようにその手をコウヤは掴んだ。



「どうし・・・」



「死んだって・・・本当か?」

 コウヤは縋るようにハクトを見た。



 ハクトは目を見開き、口元を震わせていた。どうして知っているというような顔をしていた。



「アリアが・・・・訓練の時に聞いたって、嘘だよな。」

 コウヤは否定の言葉を聞きたくてハクトに質問した。気休めでも否定して欲しかった。



 ハクトは誠実というべきか、嘘がつけない性格のようで迷っているのがわかった。

「・・・・行方不明だ。それしか言えない。」

 やはり嘘は付けない様で、ハクトはコウヤから目を逸らした。



「何で、あいつは何も恨まれることをしていないだろ。あいつが恨んでいても・・・・」

 コウヤは足元から崩れ落ちそうだった。



「・・・大切な者が亡くなるのは、足元から全てが崩れるような感覚に陥る。」

 ハクトはたった今コウヤが感じたものを知っているように言った。



 驚いてハクトの方を見ると、ふざけている様子は全くなく、真面目に何かを言おうとしているのが分かった。



「寒いような、血の気が引いていくんだ。最初は自分の中の何かを失った気がする。間違いないが、時間がその感覚を薄めていく。」



「・・・・時が経てば、忘れるとでも言いたいのか?」

 コウヤは投げやりに鼻で笑い、ハクトを責めるように見た。



「違う。」

 ハクトは強い語気で否定した。



「薄まっていくような気がしても、喪失感は蘇る。ずっと、ずっとついて回る。思い出すと苦しくなるし、それこそ永遠に付き合っていくしかない。時間が解決するというのは気休めで痛み止めを飲むのと同じようなことだ。ずっと心は蝕まれ続けるんだ。」



 今度はハクトがコウヤを責めるように見た。何を言いたいのかコウヤは分かった気がした。





「・・・お前は、どうやって過ごした?」

 もっと強気な口調で言いたかったが、ハクトの表情を見ると、声は震えてしまった。



「俺は幼かった。ただ、俺には傍にも大切な家族がいた。いや、他にも自分にとって大切な人がいた。・・・・最初は喚いたりもした。新しい生活が悲しみを誤魔化してくれたのもある。」

 ハクトはその大切な人たちの顔を思い浮かべているのだろう。優しい笑みを浮かべていた。



「でも、消えない。だが、俺は大切な人がいる。自分が、何を出来るかを考えた。」





「・・・すげーな。俺には出来そうもない。」





「できなくていい。」

 ハクトはゆっくりと首を振った。



「だが、お前を大切に思っている人を忘れるな。お前が死んで悲しむ人間がいることを・・・」

 ハクトはコウヤの目を見て言った。



 ハクトは「希望」破壊の知らせを聞いた時のことを言っているだろうとコウヤは分かった。



「お前は、憎いとか考えなかったのか?」



「考えたに決まっているだろう。」

 ハクトは当然の様に答えた。



「お前から憎しみが感じられないし、大人な感じで信じられない。」

 最早コウヤはハクトに敬語を使っていなかった。





「それは隠しているからな。俺は必死に生きている。・・・・憎いか?ゼウス共和国が」





「それは当然だろ。両親に加え・・・・シンタロウまで殺されたんだから。」

 コウヤは両親が死んだときのことを思い出した。





「・・・・両親?」

 ハクトが顔色を変えてその言葉に食いついた。





「・・・キースさんにしか言っていなかったけど、俺の実の両親がどうやって死んだか思い出したんだ。二人とも、ゼウス共和国の兵士から俺を庇って・・・・」

 その光景を思い出すと今でも憎しみが湧き上がる。やるせなくて、悔しくて。



 制御できるものではないと感じた。



 ふと顔を上げると顔面を蒼白にしたハクトがいた。



「・・・どうした?」



「い・・・いや。」

 ハクトは慌てて首を振った。やっぱりハクトはコウヤが何かを思い出すことを恐れていると思った。





「無理するな。ドールに乗れなくても誰も責めない。」

 ハクトはコウヤの肩を勇気づけるように叩くと、律義にポケットからティッシュを取り出し、渡した。



「鼻水はかめよ。鼻詰まりは三半規管を鈍らせる。」

 ハクトは鼻をすすりながら涙をこらえていたコウヤに言った。



 本当はハクトに対して何を隠しているのか聞きたかったし、数少ない聞ける機会だったのだろう。だが、先ほどハクトが言った大切な人を失った時の感覚を聞くと何も言えなくなった。



「・・・ありがとう。」

 おとなしく受け取ったのを確認すると、ハクトは少しだけ安心したような顔をして立ち去った。











「貴方に色のこだわりがあったなんて意外よ。マーズ研究員。」

 白衣の女は目の前の黒銀に輝く大きなドールを見て言った。



「この前のは、なんか色てきに弱そうだったので。皮肉ですが、黒は強そうなので、より強そうな銀を混じらせて輝かせました。」

 マックスは手元の端末をドールに繋げて何やら操作している。



「黒銀といえばいいのね。それとも黒光り?」



「黒銀で・・・黒光りはちょっと」

 手元の端末から目を上げて困ったような顔をした。



「ドールはあなたに任せれば大丈夫そうね。」



「心配なのはパイロットです。どうして自分に彼女を診せないのですか?自分も脳波を見たいのですが・・・・」



「いずれね。あなたは、今はドールを見ていて。」

 白衣の女は言葉を濁すようにすると、目線を複数の白衣の研究者に囲まれ椅子に座る少女を見た。



「そっちはどう?」

 女の問いに研究者たちは頷いた。



「アレスプログラム起動しました。博士の言う通り鍵と見て間違いないようです。」



「適合率200%越えしました。」

 黒銀のドールは動かなかった。



 白衣の女は煙草をふかしながら歩いていた。



「いいわね。これなら、あの偶然君も倒せる。」



 女は横目でマックスを見た。マックスは目を逸らした。



「まあ、まずは鍵を手に入れないとね。」



「戦艦フィーネにはハクト・ニシハラが乗っていると情報がありますね。ですが、今はドールで戦わずにいると聞きました。」



「そうね。だから、あなたの弟が出来なかったパイロットの生け捕りは必要ない。ドールは全て沈める。狙うは戦艦よ。」

 マックスは女の言葉に対してもう目も合わせなかった。



「信じられません。情報によれば、ハクト・ニシハラはドールパイロットとして優秀だ。それを戦艦に留めておいて得があるとは思えない。」



「確実な情報よ。なにせ、戦艦から何だからね。」

 白衣の女は愉快そうに肩を揺らした。











 無人の部屋を見つけて、コウヤは一人鼻をかもうとした。



 ハクトからもらったティッシュを有難く使わせてもらうことにしたが、何気に肌触りがよく、保湿タイプのいいやつだった。



「・・・こんなこだわりがあったのかよ。」

 思わず笑った。



 彼が言っていたことは、「希望」の破壊の時に感じたものだろう。



「こんな苦しい思いをさせてしまったんだな。俺。」

 最近はコウヤがハクトを一方的に責めているが、今回は、コウヤは何も言えなかった。



 部屋の扉が慌ただしく開く音が響いた。



「ハヤセ二等兵・・・・どうした?」

 キースが心配そうに走ってきた。



「艦長から何か聞いたんですか?」

 耳が早いなと思ったが、もったいなくてティッシュをケチったことにより、鼻水をかみ切れていなかった。鼻声で笑いながら言うことになった。



「いや、ハクトじゃなくて・・・スーン二等兵だ。」



「アリアですか・・・・」

 コウヤは苦笑いをした。



「ああ、ひどく荒れていた。君が何を言ったのかは大体見当はつく。」

 そう言いキースはコウヤの横に座った。



「・・・だが、君も荒れている。どうした?」



「シンタロウの事、聞きました。」

 キースはひどく驚いた顔をしたが、想定していたことの様に顔を歪めた。



「ハクトか?」



「アリアです。あいつも俺が知っているって驚いていました。」



「あー。戦艦の他のメンバーはまだ知らないんだ。言わないでくれ。」

 キースは仕方なさそうに投げやりに言った。



「言えませんよ。俺も信じれない。」

 コウヤの様子を見てキースは考え込んだ。



「でも、俺は艦長を責められませんでした。まさか、あいつがあんな苦しんでいたなんて。考えてみれば、当然ですよね。俺とあいつ、親友だったんだから・・・」



「そうだな。・・・スーン二等兵は大丈夫か?」



「わからないです。・・・俺は最低なことをした挙句に最低な状況で手を離した最低な奴です。」

 コウヤは自嘲的に言った。



「そうだろうが・・・・言わずにあの関係を続けた方がもっと最低だ。」

 キースはコウヤの方を真っ直ぐ見た。



「お前は、ましな最低野郎に留まったんだ。」



「そうですね。」

 コウヤは安心したが、同時に寂しくなった。



「・・・キースさん。苦しくて仕方ないんです。どうすればいいですか?ハクトはどうやって耐えたかを聞いたんですけど、苦しみは消えないって言われたんです。」

 苦しみとずっと付き合っていくとハクトが言っていたことを思い出した。



「当然だ。消えてたまるか。逆に、お前は消えて欲しいのか?」

 キースは椅子から立ち上がり、コウヤの前に立った。



「消えて欲しい・・・と?」



「悲しくなくなると、今度は自己嫌悪に陥る。失ったのに悲しくなくなったのは時間が傷を癒してくれたと考えることもあるが、自分の心が麻痺したとか消えることで無かったことにしようとしているとかな。」

 キースはその場で屈み、コウヤに目線を合わせた。



「・・・・忘れたら、俺は自分を許せない。」

 コウヤは首振った。蘇った憎しみや、ユイのことを覚えていなかったときに自分で自分が許せないと感じたのを思い出した。



「・・・キースさんは、経験あるんですか・・・?」

 コウヤは目の前のキースの顔を見た。瞳が、揺れた気がした。



 キースの手がコウヤの頭に伸びて、そのまま鷲掴みにした。



「うわっ」

 わしわしと撫でられて、キースの顔が見えなかった。



「コウヤ君。俺はお前より年上だ。ただ無駄に歳重ねただけだと思うなよ。」

 コウヤの頭から手を離したキースはいつもの顔をしていた。



「・・・・久しぶりですね・・・・」



「?」



「キースさんが俺のことを二等兵と呼ばなかったの・・・・」

 キースの表情が懐かしく感じて嬉しくなった。悲しい時なのにみんなの姿がよく見えた。



「ああ、そうだな・・・・。お前が俺を少佐って呼ばないからだぞ。」

 キースは初めて気付いたように困った顔をした。



「キースさんの説教も久しぶりです。」

 コウヤは照れくさそうに笑った。



「・・・・まだ笑えんだな」

 キースは安心したように言った。



「笑いますよ。」

 コウヤは満面の笑みを見せた。



「でも、ゼウス軍は憎いんだろ?」

 キースの問いに、コウヤの感情に冷たい水が流れ込む様な寒さが蘇った。



「当然です。潰したいです」



「俺は・・・敵を知ろうともしないっていうのはよくないと思う。」

 キースは諭すように言った。



「それは綺麗ごとです。実際人間の感情っていうのは簡単に割り切れるようにできていません。」

 コウヤは歪みながら笑った。



「・・・そうか。でも、お前もいつか分かる。前よりも周りが見えている。」

 キースの言う通り、コウヤは前よりも冷静に見れていた。



 だが、ゼウス共和国に対する恨みは増えている。



「周りが見えることで、更に恨みが深くなるかもしれないですよ。」



「・・・・いや、気付くさ。」

 キースは立ち上がり、部屋の外に向かった。



「気付く?」



「本当の敵の姿を見定められるようになる。」

 キースは扉に手をかけて言った。



「・・・本当の?」












「よく来たね・・・・わが軍の英雄よ・・・・」



「・・・・もったいないお言葉です。」

 部屋に入るなりたくさんの身分の高そうな老人たちに褒められているロッド中佐を見ながらイジーは静かに考えていた。



「さあ、帽子を脱ぎなさい。」

 ロッド中佐はそういわれた途端口元が固まった。



「・・・・どうかしたのか?・・・・仮にも私たちは君の上司だ。」

 そう脅すように老人たちは帽子を脱ぐことを薦めた。



 ロッド中佐はため息をついた。



「・・・・わかりました。生憎、目元は怪我をした時の影響で、光に弱くなっています。」

 そう言い、おでこの方から帽子のつばを持ち前髪を持ち上げながら帽子を脱いだ。



「帽子で光を凌げないので、サングラスは取れません。・・・私が怪我をしたのはよくご存じのはずです。」

 と言い、サングラスは取らないと強調した。



 周りは空気が止まった。ロッドは色素の薄い柔らかな髪をオールバックにしていた。



 大きなサングラスをしていても形の良い額が見え、彼の端正な顔立ちはよくわかった。



「なかなかな男前なのに隠すのはもったいないぞ。確かにお母上は美人であられるからな。母親似か?」

 老人たちはその場を和ませるように言った。



「ありがとうございます。母も喜びます。ですが、私はどちらかというと父親似なので・・・」

 ロッド中佐は片頬を吊り上げて笑みを浮かべた。



 《この人がこの笑い方をするときって、他人を馬鹿にしているか、皮肉を言っているかなのよね。》

 と思いながらもイジーも彼の傍にいた影響か、そんな笑い方をしてしまうときがある。



 イジーは考えた。

 《母親・・・・。この人の母親なら何か知っているかもしれない。なにより、「天」はユッタが「希望」から出た時に避難すると言っていた場所。この人と繋がりがあってもおかしくない。》



 イジーは静かに退室した。



 おそらく自分はあの部屋にいる必要はないであろう。別の思惑もあったが、そう判断した。



 彼女のこの判断は間違っていない。



 そして彼女はこれからすることを考えていた。



 ロッド中佐の実家に行こう・・・・



 彼女は彼の過去、「天」襲撃事件を探ることにした。

 そうすれば、いつかあの作業着の少年にたどり着けるだろう。根拠はないが、確信はあった。



 あの作業着の少年はクロスや彼の妹ユッタに近い。

 そして、中佐が何故、あの様に笑うようになったのか、それが知りたかった。










 戦艦フィーネは目的のドームに向かって進んでいた。



「艦長・・・おかしくないですか?」

 リリーは目的地と先ほどまで滞在していたドームを地図で見比べて言った。



「近すぎるか?俺もそう思う。」

 ハクトは当然のように言った。



「この距離なら、先ほどのドームにアクセスの出来ますし、逆も可能です。どうして今まで叩かれなかったのか不思議です。」

 ソフィも不審そうにしていた。



「ドーム自体が個人の所有物だからダメだそうだ。そんなこと言ったら手を出せないドームが多くなるのを上が知らないわけない。おそらくこのようなドームが他にもあるだろう。」

 ハクトは苛立っているようだ。



「艦長。私たちに与えられる任務・・・おかしくないですか?」

 リリーの言葉に操舵室は沈黙した。





「・・・そうだな。」

 ハクトは自嘲的に笑いながら呟いた。





「規模については分かりませんが、地図上の目的地の広さは一般的なドームとしては小さくても、研究施設としてなら巨大すぎます。」

 ソフィは警戒しているようだ。



「そうだな。しかも・・・・ドールを大量に持っている。」

 ハクトは立ち上がって、外の様子を映しているモニターを睨んだ。



「艦長?」



「・・・察知された。リリー。ハンプス少佐達に準備を伝えろ。」

 ハクトはソフィの問いに淡々と応え、リリーにキース達に連絡するように命令した。



「はい。・・・ですが、察知されたって、こっちの行動が筒抜けなのですか?」



「そうだろうな。・・・やけに活動的だ。」

 ハクトは考え込むように俯いた。



「・・・・仕方ない・・・・ドールを出すしかないだろう・・・・」

 ハクトは砲撃の準備を指示した。



 そこにアリアが入ってきた。



「なんだ?スーン二等兵。予定の時間を大幅に過ぎている。・・・・何かあったのか?」



「私も何かやらせてください。」

 アリアは必死そうに言った。



「では、そこで大人しく先輩の仕事を見ていろ。いつか役立つ。」

 ハクトはアリアに座るように言った。



「・・・・・わかりました・・・・・」

 アリアは少し不満そうに指示された場所に座った。









『ハンプス少佐。ハヤセ二等兵。緊急事態です。すぐに準備に入ってください。』

 ドール格納庫にリリーからの通信が入った。



「早いな。」

 専用スーツを着たキースが首を傾げていた。



「いいですよ。早く・・・施設を壊しましょう。」

 コウヤは手の骨をバキバキ鳴らすのではないかというほどしきりに手を握っていた。



「慌てるな。凡ミスでも死ぬ奴はいる。」

 キースはコウヤを窘めるように言った。



「わかっています。」

 コウヤはドールに飛び乗った。



「・・・・そりゃ、恨みが消えたわけじゃないからな・・・・」

 キースはコウヤの背中を見て呟き、自分のドールに向かい始めた。



「・・・だが、ハクト相手にお出迎えができるのか・・・?」



 ガタン

 と物音がした。キースが慌てて音の元を見るとコウヤの白銀のドールが動き始めていた。



「早まるな二等兵!!!まだ、準備命令で出動は・・・」

 キースは慌てて叫んで止めた。



『あほ!!まだでるな!!』

 指示なしに動き始めたドールに気付いたのか、ハクトの怒鳴り声が響いた。



『ゼウス軍の基地ですよ。壊さないと・・・・・』



「いいが俺がドールに乗ってからにしろ!!殺す気か!!」

 キースはドールに飛び乗りながら言った。



 ドールのコックピットが閉じるのを確認すると



『乗りましたね。いいですよね。出ます!!』

 といいコウヤは半ば強引に出て行った。



 通信の向こうから何かを叩く音が響いた。



『あのアホ!!』

 ハクトが何かを叩きながら怒鳴った。



「そう言わないでくださいな~艦長どの。」

 キースはコウヤが飛び立っていく姿を後ろから見て苦笑いした。



『ハンプス少佐・・・・』



「・・・大量のドール戦だ。いくら強くても限度がある。ただの初心者のハヤセ二等兵はたぶん勝ちきれない。」

 キースは神経接続をしながら言った。



『そうです。』



「お前と俺のサポートが絶対に必要だ。」



『・・・わかっています。』



「いいか。ヤバいと思ったらどんなことを言ってもいいからハヤセ二等兵を止めろ。そして撤退させろ。」

 キースは出撃体勢に入った。



『あいつが聞けばいいですけど・・・あなたの方がそれは得意のはず』



「無理だ。だが、お前になら止められるだろ?」



『・・・?どういう・・・』



「ハンプス出撃する。」

 ハクトの問いの途中でキースも出て行った。

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