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【滴り注げ、双翼の愛】
最終話【滴り注げ、兄の愛】
しおりを挟む──人は、便利な食べ物だ。
そう言っていたのは母親だったか……それとも、父親だったか。もしかしたら、もっと別の誰かだったのかもしれない。
それでも、ぼくたちはそうして育てられた。
──吸血鬼に吸血をされた人間は、眷属になる。
ある時ぼくは、そのことに疑問を抱くようになった。
──『どうして【人間だけ】が眷属になるのだろう』と。
そんな疑問を抱えながら育てられて、ぼくたちは大人になった。
母様はやたらと、ぼくに『眷属を作るように』としてくる。それに対して不安を募らせた妹が発した、ある言葉。
──そこでぼくは、知ってしまった。
『右翼お兄様。私はもしも、誰かに命令ができるのなら。私は、右翼お兄様にします』
『命令です、右翼お兄様。……これから先、絶対に眷属を作らないでください……っ!』
ドクリ、と。体中の血液が、湧き立つ感覚。
あるはずの【背く】という概念が一瞬にして消え去り、ただ残るのは【遂行】という気持ちだけ。
『吸血鬼に吸血され眷属となった生き物は、主である吸血鬼に絶対服従』
嗚呼、そうだったんだ。ぼくは、知ってしまった。
──人間だけが眷属になるんじゃない。
──今まで、どの吸血鬼も【吸血鬼が眷属になるのか】を試したことがなかったんだ……っ!
これはそんな、ぼくと妹──二匹の吸血鬼が紡ぐ物語。
両親や親戚に期待されて、絵に描いたような【吸血鬼】になることを求められた。そんなぼくたちが幼少を越えた、それからの物語だ。
【滴り注げ、双翼の愛】 了
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