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【星巡り】
【金のある星】
しおりを挟む私は、星から落下した。
その星には、お金があった。
権力も、地位だってあった星。働いたら収入が入り、職場での役職によっては入る金額も変わる。
そんな……どこにでもある、つまらない星。
──だからこそ私は、落下した。
お金を失ったから、落下したのか。
それとも、もっと大きなものを失ったから?
分からないけど、落下するしかなかったから。だから私は、落下した。
「──待って……ッ!」
誰かに、呼び止められた気がしたけれど。重力に従って、私はどんどん落ちていく。
このまま、どんな星に落ちてしまうのかは分からない。
けれど……どうか、どうか。
──行き着く星は、お金以上に大切なものがある星でありますように。
そんな私の呟きを聞いたのは、全世界で私だけ。
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