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【残念イケメンVS残念イケメン(仮)?!】
2話【小野賀様はナルシスト?】
しおりを挟む放課後の、ファミレス。
そこで我之は、一人の友人に泣きついていた。
「──杏歩ぉ! 小野賀が好きすぎて辛いよぉおっ!」
我之に泣きつかれているのは、我之の幼馴染みであり同じクラスの男子生徒──皆葉杏歩だ。
皆葉はストローでメロンソーダを吸いながら、訳の分からない理由で泣き出す幼馴染みの頭を見つめた。
「あのさぁ? これ、毎日聞かないと駄目なの?」
「うぅっ、毎日聞かせてごめんねっ? お礼に、いつか杏歩に好きな人ができたらアドバイスしてあげるねっ?」
「好きな人が好きすぎて泣くような馬鹿にアドバイスされても嬉しくない」
「辛辣だよぉっ! もうちょっと優しい言葉を遣ってよぉっ!」
さめざめと泣く我之を眺めて、皆葉は呟く。
「っていうか、ずっと疑問だったんだけどさ? 白華はさ、なんで小野賀君のことが好きなのに【カッコ良さ】で争ってるの?」
皆葉の質問に、我之は鼻をすすりながら答える。
「小野賀って、すっごく格好いいでしょう? それで、すっごくナルシストでしょう?」
「まぁ、見てくれは確かにいいよね。ナルシストなのも……うん、事実だね」
「つまり、格好いい自分が好き。ということは、格好いいものが好きってことになるでしょ? だったら、私が格好良くなったら振り向いてもらえるかなって……」
「うっわ、引くほどポンコツ」
冷ややかな視線を向けられながら、我之はハンカチで目元を擦った。
「あと、単純に私が一番格好良くなったら、二番目の小野賀は霞むでしょ? そうしたら、悪い虫がつきにくくなるかなって……」
「うっわ、引くほど狡猾」
泣き止んだけれど、依然として涙目の我之は皆葉を見つめる。
「杏歩ぉ~……」
くしゃくしゃの顔で、情けない声。泣きはらした顔だが、顔の造形は整いまくっている。
そんな我之を見て、皆葉は眉間の皺を深くした。
「その顔やめて。ギャップでも狙ってるの? あざとすぎ」
「──『格好いい』って言ってっ!」
「──史上最高にめんどくさいんだけど?」
またもや泣き出した我之を眺めて、皆葉はため息を吐く。それを聞いて、我之はさらに泣き出す。
しかし、悲しきかな。これは二人にとって、ほとんど日常だ。放課後の恒例行事になりつつある。二人──特に、皆葉にとっては悲しいことこの上ない事実だ。
「今朝、小野賀君に『綺麗』って褒められてたじゃん。小野賀君の中で白華の印象は上々ってことなんだから、もう告白でもしちゃえばいいんじゃないの?」
「それで振られたら? もうこれから、毎朝教室に小野賀が来てくれなくなったら? 私、なんのために登校したらいいの?」
「授業を受けるためだよ。学校ってそういう場所でしょ」
「杏歩には夢が無いよっ! うわぁ~んっ!」
またしても、我之が泣き出してしまった。とことん面倒な幼馴染みを見て、ため息を吐く以外になにをすればいいのか……。皆葉は心底、その答えを知りたかった。
──そう。我之白華は、恋愛面においてポンコツなのであった!
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