スノードロップに触れられない

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

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後日談【一般的とはほど遠い享楽的な休日】

6 微*

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 裸エプロンのまま憤慨する矢車を、松葉瀬は冷ややかな目で眺める。


「まぁ、テメェがその恰好に至った経緯を推察すると、だ。……その愉快な恰好も悪くはねェんじゃねェの。悪かったのは、テメェの頭だけだったっつゥことだろ?」
「控えめに言ってキレそうですぅ」
「なんだよ、空腹か? なら、サッサとメシにしようぜ」
「ぷっちーん! さすがの菊臣クンもカンカンですよ!」


 そう言いながらも、矢車は松葉瀬の寝室から移動を開始した。

 なんだかんだと言いながら、手料理を食べてもらいたいのだろう。矢車は存外、分かりやすい性格だ。


「でもまぁ? センパイが睡眠欲よりも食欲を増大させたのは事実ですしぃ? そういう意味ではボクの大勝利と言えなくもないですよねぇ? ホンット、センパイってチョロすぎですぅ」


 ルンルンと上機嫌そうに歩く矢車を、松葉瀬は背後からジッと眺める。

 歩くたびに揺れる、腰で巻かれた紐。
 まるで見せつけるように開かれた背中と、尻。


「いつか悪い人に騙されても知りませんよぉ? 一応、ボクが守ってあげなくもないですけど! それでも、ヤッパリ防衛本能はきちんと持っておくべきだとは思いますよぉ? ボクにずっと守ってもらいたいと言うのでしたら、話は少しだけ変わりますけどっ!」


 極めつけには、松葉瀬が付けた咬み痕。

 松葉瀬は矢車の後ろ姿をジッと見つめたまま、内心、一人で納得をした。

 そのタイミングで、矢車が松葉瀬を振り返る。


「どうしたんですかぁ? なにも反論してこないなんて、センパイらしくないですよぉ?」
「ちょっとな、考えごとをしてたんだよ」
「脳みそがピンポン玉サイズのセンパイが、考えごとですかぁ? でも、どれだけ小さい脳みそでも使おうとしたことは偉いですよねぇ? せっかくですし、ボクがそのお粗末な熟考を聴いてあげましょうかぁ?」
「そうかよ。なら、遠慮なく」


 そう言い、松葉瀬は上機嫌そうな矢車と距離を詰めた。
 突然迫って来た恋人に、矢車はピクリと肩を跳ねさせる。


「えっ? あ、あのっ、センパイっ?」
「考えてみたんだよ。この、日本昔話風スタイルのどこに【男の子の夢】ってのが詰まっているのかってことを」
「あっ、えっと、この恰好について考えていたんですかぁ? や、ヤダなぁ、センパイのえっちぃ」
「分かってんじゃねェか、馬鹿ビッチ。まさに、そこだ」
「えっ? えっと、はいっ?」


 戸惑う矢車の肩を掴み、そのまま百八十度回転。
 矢車に背を向けさせた松葉瀬は、おもむろに肩から手を離した。

 そして……。


「──結局のところ、男ってのは【セックス】に特化したこの衣装に滾るんじゃねェかって結論に落ち着いた」


 ──松葉瀬はあろうことか、エプロンの中に両手を差し込んだ。


「ひゃうっ!」


 突然胸をまさぐられた矢車は、ビクリと体を震わせる。

 動揺を隠せない矢車には目もくれず、松葉瀬はそのまま矢車の貧相な胸を揉み始めた。


「先ずは、上半身。いちいち服を捲ったり、脱がせたりする必要がねェ。防御力の欠片もねェエプロンなら、こうして手を突っ込めばすぐに乳首を触れるだろ」
「あっ、や……っ! バカっ、センパイのスケベ……っ! いきなり、なにして──んっ!」
「乳首を弄るのに特化した恰好だと思えば、男がスタンディングオベーションするのも納得だろ。……触られるのが好きなテメェも、な?」
「はっ、ぁ……っ! やだ、や……っ、ぁん、っ!」


 乳首の先端を、指の腹で擦る。
 そうされるとすぐに、矢車はしおらしい反応を示した。


「どうした、ザコビッチ。いつもなら『スタンディングオベーションっていうのは下半身のことですか? センパイの冗談、つまんないですぅ。ぷーくすくすっ』くらい言うだろ?」
「あぅ、ん……っ!」
「先っぽ、立ってきたな。テメェは本当に、淫乱な後輩だなァ?」
「あん、っ!」


 爪の先で、何度も乳首の先端を弾く。

 矢車はすぐさま甘い吐息を漏らし、松葉瀬の腕の中で善がり始めた。




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