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無口な百合は穴を責められる①

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百合は今日も座っていた。
具体的に言えば、教室のど真ん中で机に手と胴体を柔らかい紐で縛りつけられ拘束された状態で座っていた。

もちろんこんな状態になっているのは金曜日の放課後。
そうやって縛りつけたのは未久と末樹。

百合の腕は背中近くで縛られまったく動かせず、
下半身と首は軽く動かせる。

今から何が起こるか分からない。何をされるか分からない。
が、とても大きい恐怖ではないのは、いざとなったら全力で逃げようとすれば逃げれる程の縛りの緩さだったからだ。

弄ぶ2人の優しさなのか、それとも百合が逃げないとふんでの行動なのかは分からない。

「なに…してるの…?」

先々週は上半身をくすぐられ、耳をひたすら弄られた。
先週は足裏をくすぐられ、足裏をひたすら舐められた。

今日は

「ティッシュを尖らせてるのよ?」

とあまりにも不思議な始まりだった。
未久と末樹はポケットティッシュを取り出し、先端をくるくると丸め尖らせていた。

くるくると先端を丸めたティッシュ。
使用用途は色々あるだろう。
しかし百合が縛られた状態。そして今から2人が百合で弄ぶ。
となれば想像したくない回答が百合の頭に浮かぶ。

「いい?顔を動かしたら駄目よ?そして私達の方を見なさい」

「へへ、頑張ってね百合ちゃん!」

それぞれの笑顔を浮かべ、百合の両隣にしゃがみ込み、手に持っているソレを顔に近付けた。

「いっ…いやっ……やっ…」

さすがに百合は顔を引きつらせるが2人の手は止まらない。
手に持っているソレ――先端をくるくると丸めて尖らせたティッシュをそーっと百合の鼻の穴にいれた。
未久は右の穴に、末樹は左の穴に。

「っ………な…なにっ…これっ……」

未久と末樹は百合の顔を観察するようにじーっと見つめながら
鼻の穴にいれたティッシュをそーっと奥にいれたり手前に戻したり、ゆっくりぐるぐると回したりしていた。

「ちょっ…ぅ……ちょっとぅ…まって…」

百合は鼻を襲うくすぐったいともかゆいとも表現できる感触に目を細める。
目を細め涙目になりながら鼻も控えめにひくひくと動く。

目をつむって顔を動かしたいがその両方の行動が未久の命令に背く事になる。

「はぁ…はぅ………?」

未久と末樹は同時に手を止め、ティッシュを鼻の穴から抜いた。

「んっ…んん」

ティッシュを抜いた事で鼻を襲う感触から解放される――訳ではない。
むしろティッシュがなくなった事で痒さの様な感触だけが強く残り、
鼻をむずむずさせ、口を尖らせてみたり、目を細めたりする。それでも痒さから解放されない。

本来解放されるのは簡単なのだ。手で鼻をこすればいい。
だがその肝心な手は縛られていて使えない。

だから必死に顔の形を変え、目と鼻と口を動かして痒さから解放される。
そして時間と共に落ち着いてきたとこで

「ふふっ」

「百合ちゃん可愛いいい…!」

2人がニヤニヤと笑みを浮かべながら百合の顔を眺めている事に気付く。
今自分がやっていた行動が、普通決して他人に見せる事のない変顔である事に気付く。

途端、顔が真っ赤になるのを百合は感じた。

「もう1回!もう1回やろ!?」

「もう…1時間しか時間はないのよ?まあいいわ、やりましょうか?」

おもちゃを与えられた子どもの様な反応をする可愛らしいクラスメート。
今の百合の心を見抜いてる様に不敵な笑みを浮かべる美人なクラスメート。

その2人に再びティッシュを顔に向けられる。

「まっ…まって……おねがいっ…おねがいぃ………へぅっ」

また鼻の穴にそーっと入れられた。
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