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無口な百合はデートをする②
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百合はテンションが上がっていた。
具体的に言えば、それはもうテンションが上がっていた。
「ペンギンっ…!ペンギンだ!かわいいいい…!よちよちあるいてる!本物だっ…!ええええすごい!目の前にいる!かわいいいい!なんであんなに可愛いのっ!?」
「ええと…、百合ちゃん?」
百合と末樹は電車から降りた後、水族館に来ていた。
始めはおそるおそる末樹についていくように歩いていた百合だが、
ペンギンが沢山歩いているコーナーにいくと豹変、いつもの百合からはとても想像できない姿が末樹の目の前にあった。
「末樹ちゃんっ…!見て!見て見て!ペンギン!」
「う、うん…。へへっ、可愛いね」
始めは百合のテンションの上がり方を見て驚き戸惑ってしまっていたが、だんだん微笑ましくなってくる。
手を繋いだままぶんぶんとテンション高く腕を振り回すのはちょっと痛い。
「はあああ可愛い!本物だ!そうだ写真!写真撮らないと!」
そういいスマホを取り出しペンギンをパシャパシャと撮り始める。
「そうだ…!末樹ちゃん!ペンギンをバックにしてこっち立って!」
「ん?どうしたの?」
手を繋いだまま器用に末樹を百合の前に立たせる。
「写真撮らせてっ!末樹ちゃんとペンギンのツーショットなんて絶対可愛いもん!」
「可愛い…」
「あっ…」
可愛いという言葉で驚いた様な見せるとようやく百合が冷静に今の自分の言葉を思い出した。
「あっ…えっと…いや…」
言葉の意味を思い出すと同時にさっきまでの自分の暴走っぷり思い出し更に恥ずかしくなる。
「と…とにかく写真撮るね…」
「待って、その写真もっと可愛くしてあげる!」
ぐん、と百合の腕をひっぱり百合を腕で支え、スマホを自撮り機能に変え、2人の顔を映し出す。
その顔の距離はとても近く、また引っ張られ驚いた百合は顔を赤らめていく。
その顔が赤く染まる姿はスマホのバッチリと映り、百合自身でその姿を確認できた。
「やっぱり百合ちゃんの方が可愛いよ」
パシャリ、と、顔を真っ赤にした少女と少し照れた顔で微笑む少女、それとまるで不思議そうに2人を見ているようにみえるペンギンの写真が撮れたのだった。
―――
「ぁ……」
2人はペンギンだけでなく水族館全体を回り、お土産コーナーの前を通る時に、
「ねえ……買い物しても、いい…?」
「うん、いいよ!」
と百合が珍しく自分の意志を伝えた。
それから迷う暇もなく商品を選び、すぐにレジで精算を済ませた。
「えと…はいっ…!」
「え?」
お土産コーナーを出ると百合の買った2つのペンギンのキーホルダーの内1つが末樹に差し出された。
白い蝶ネクタイをしたペンギンのキーホルダーとオレンジ色の蝶ネクタイをしたペンギンのキーホルダーの内、オレンジの方だった。
「その…あげる…」
理由はよく分からないけど水族館に連れてきてくれたお礼に。
とまでは恥ずかしくて言えなかった。
が、驚いた表情をしたかと思えば満面の笑みになった末樹を見ると、喜んで貰えてるようで安心した。
「ありがとう!」
それからすぐに顔を赤らめ
「お礼…しないとね!」
「えっ…んむっ…!?」
手を繋いだままもう片方の手でぐっと身体ごと百合を引き寄せ、そのまま唇を合わせた。
「はぅ…んふっ…ん…」
2人の横を誰かが通りすぎていく足音が何個も聞こえる。
「んっ…まっ…んゅ…んはっ」
「百合ちゃん…」
唇を離し、キスで気持ちよくなっている百合の顔を堪能した後に柔らかな頬っぺたにキスをした。
具体的に言えば、それはもうテンションが上がっていた。
「ペンギンっ…!ペンギンだ!かわいいいい…!よちよちあるいてる!本物だっ…!ええええすごい!目の前にいる!かわいいいい!なんであんなに可愛いのっ!?」
「ええと…、百合ちゃん?」
百合と末樹は電車から降りた後、水族館に来ていた。
始めはおそるおそる末樹についていくように歩いていた百合だが、
ペンギンが沢山歩いているコーナーにいくと豹変、いつもの百合からはとても想像できない姿が末樹の目の前にあった。
「末樹ちゃんっ…!見て!見て見て!ペンギン!」
「う、うん…。へへっ、可愛いね」
始めは百合のテンションの上がり方を見て驚き戸惑ってしまっていたが、だんだん微笑ましくなってくる。
手を繋いだままぶんぶんとテンション高く腕を振り回すのはちょっと痛い。
「はあああ可愛い!本物だ!そうだ写真!写真撮らないと!」
そういいスマホを取り出しペンギンをパシャパシャと撮り始める。
「そうだ…!末樹ちゃん!ペンギンをバックにしてこっち立って!」
「ん?どうしたの?」
手を繋いだまま器用に末樹を百合の前に立たせる。
「写真撮らせてっ!末樹ちゃんとペンギンのツーショットなんて絶対可愛いもん!」
「可愛い…」
「あっ…」
可愛いという言葉で驚いた様な見せるとようやく百合が冷静に今の自分の言葉を思い出した。
「あっ…えっと…いや…」
言葉の意味を思い出すと同時にさっきまでの自分の暴走っぷり思い出し更に恥ずかしくなる。
「と…とにかく写真撮るね…」
「待って、その写真もっと可愛くしてあげる!」
ぐん、と百合の腕をひっぱり百合を腕で支え、スマホを自撮り機能に変え、2人の顔を映し出す。
その顔の距離はとても近く、また引っ張られ驚いた百合は顔を赤らめていく。
その顔が赤く染まる姿はスマホのバッチリと映り、百合自身でその姿を確認できた。
「やっぱり百合ちゃんの方が可愛いよ」
パシャリ、と、顔を真っ赤にした少女と少し照れた顔で微笑む少女、それとまるで不思議そうに2人を見ているようにみえるペンギンの写真が撮れたのだった。
―――
「ぁ……」
2人はペンギンだけでなく水族館全体を回り、お土産コーナーの前を通る時に、
「ねえ……買い物しても、いい…?」
「うん、いいよ!」
と百合が珍しく自分の意志を伝えた。
それから迷う暇もなく商品を選び、すぐにレジで精算を済ませた。
「えと…はいっ…!」
「え?」
お土産コーナーを出ると百合の買った2つのペンギンのキーホルダーの内1つが末樹に差し出された。
白い蝶ネクタイをしたペンギンのキーホルダーとオレンジ色の蝶ネクタイをしたペンギンのキーホルダーの内、オレンジの方だった。
「その…あげる…」
理由はよく分からないけど水族館に連れてきてくれたお礼に。
とまでは恥ずかしくて言えなかった。
が、驚いた表情をしたかと思えば満面の笑みになった末樹を見ると、喜んで貰えてるようで安心した。
「ありがとう!」
それからすぐに顔を赤らめ
「お礼…しないとね!」
「えっ…んむっ…!?」
手を繋いだままもう片方の手でぐっと身体ごと百合を引き寄せ、そのまま唇を合わせた。
「はぅ…んふっ…ん…」
2人の横を誰かが通りすぎていく足音が何個も聞こえる。
「んっ…まっ…んゅ…んはっ」
「百合ちゃん…」
唇を離し、キスで気持ちよくなっている百合の顔を堪能した後に柔らかな頬っぺたにキスをした。
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