メイドが世界を救った話

Masa&G

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第3話 ぐーたら

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部屋に足を踏み入れた瞬間、 もわっとした空気が鼻を突いた。

モニカは反射的に鼻を摘まみながら、そのまま中へ入っていく。

グガァァ…グオォォ…

壁に反響するような寝息が、途切れることなく続いていた。

(うっさいな…)

視線を向けると、部屋の中央に置かれた大きなベッド。 その上で、英雄ブランは仰向けになり、腹を出したまま豪快に眠っている。

無防備すぎる寝相。

(お腹出てるし…)

呆れを含んだ視線を向けたまま、モニカは歩みを止めず、閉め切られたカーテンの前に立つ。

シャッ!

思いきり引かれたカーテンが、音を立てて開いた。

差し込んだ光が、一気に室内を照らす。

続けて窓へ手を伸ばし、

カチャ…カチャ

鍵を外す音が静かに響き、

ガチャン!

こちらも遠慮なく開け放った。

外の空気が流れ込み、こもっていた匂いを押し出すように部屋を抜けていく。

そしてモニカは、

ぶっふぁー!

外に向かって、思いきり息を吐いた。

(なんなのこの匂い…)

改めて部屋を見渡す。

床には脱ぎ捨てられた服の山。テーブルの上には、飲みかけの酒と、空になった酒瓶が無造作に並んでいる。

(私のドキドキ返えして……。)

胸の奥から、じわりと妙な怒りがこみ上げてくるのがわかった。

その視線の先で――

ボリボリ…

腹を掻きながら、ブランは変わらず眠り続けている。

(お腹掻くなよ…)

モニカは小さく息を吐いた。

ふぅ…

そして一歩、ベッドに近づき、声をかける。

「ブラン様。起きてください。」 

「もう昼は過ぎています。」

意識して、柔らかく。あくまでメイドとして、丁寧に。

しかし――

グオォォ…グガァァ…

返ってきたのは、変わらぬ寝息だけだった。

(やっぱ起きないか…)
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