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ラクロス編
第9話 彩音の実力
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土曜の午後三時頃――
川沿いの河川敷にある小さな広場は、週末らしい穏やかな空気に包まれていた。
彩音はフェンス際まで歩くと、バッグを下ろした。
「ちょっと試したいことあったからねー」
そう言いながら、バッグの中からペットボトルを三本取り出し、間隔を空けて並べる。 日差しを受けて、透明なボトルがきらりと光った。
「よしっと……そこで見てて、今からボールをペットボトルに当てて倒して見せまーす。」
「うまくできたら拍手お願いしますー」
にひっと笑う。
守護霊さんは近くのベンチに腰を下ろし、穏やかな笑顔のまま、こくりとうなづいた。
彩音はスティックを手に取ると、慣れた仕草でくるくると操る。
「んじゃ、まず一本目……」
バッグからボールを一つ取り出し、軽く上へ投げた。 落ちてくるボールをスティックですくい上げ、そのまま動かし、遠心力でネットの内に収める。
振りかぶり――
「せい!」
スティックを振る。
ヒュン!
乾いた音とともに放たれたボールは一直線に飛び、
パコーン!
ペットボトルを正確に倒した。
「いえーい!」
思わず声が弾む。
守護霊さんは一瞬目を見開き、すぐに拍手を送った。
「んじゃ次ー」
彩音はスティックをバトンのようにくるくる回しながら言う。
もう一つ、バッグからボールを取り出す。 上に投げ、落ちてきたところをスティックで拾った。
「お次は……」
「下から!」
スティックをくるりと反転させ、
「ほっ!」
すくい上げるように振る。
ヒュン!
パコーン!
ボールは狙いどおりペットボトルを弾き飛ばした。
守護霊さんは、思わず拍手を重ねる。
「いえーい!」
彩音は振り返り、ピースを向ける。 守護霊さんも同じようにピースで返した。
「じゃあ最後は……」
彩音は二つのボールを拾い、さらに距離を取る。
「この辺かな……」
ペットボトルまで、約二十メートル。
「いっくよー!」
少し大きな声で告げると、 守護霊さんは片手を上げた。
彩音は助走をつけ、
「とおりゃあ!」
勢いよくスティックを振る。
ビュン!
ボールは一直線に飛び――
ガン!
ペットボトルを外し、フェンスに当たって跳ね返った。
「ありゃ……失敗……」
彩音はスティックをまたバトンのようにくるくる回し、少し歩きながら自分に言う。
「コースはよかった……」
「ちょっと角度が足りなかったかな……」
立ち止まり、軽く息を整える。
「よしっと! ラストいくよー!」
大きな声で告げると、 守護霊さんはもう一度、手を上げた。
彩音はボールを投げ、スティックで拾い、そのまま助走に入る。
「そぉりゃあ!」
ビュン!
大きく振り抜かれたスティックから放たれたボールは、
パッコーン!
乾いた音を立てて、ペットボトルを弾き飛ばした。
「へっへーん!」
遠くから、彩音がピースを送る。
守護霊さんはベンチから立ち上がり、笑顔で拍手を送った。
彩音が戻ってきて言う。
「今日は確認したかっただけだからここまで。」
守護霊さんは微笑み、うなづく。
「西川さんも言ってたよね? 尖らせるって。」
こくり。
「精度はやっぱり自信がある。」
「……あとは球速とランシューのバリエーション増やすことかなと思ってる。」
こくこく、と守護霊さん。
「じゃあ……お腹すいたから帰ろう。」
彩音は、またにひっと笑う。
守護霊さんも微笑み返した。
時刻は夕暮れ。 オレンジ色に染まる河川敷を背に、二人は並んで帰路につく。
川沿いの河川敷にある小さな広場は、週末らしい穏やかな空気に包まれていた。
彩音はフェンス際まで歩くと、バッグを下ろした。
「ちょっと試したいことあったからねー」
そう言いながら、バッグの中からペットボトルを三本取り出し、間隔を空けて並べる。 日差しを受けて、透明なボトルがきらりと光った。
「よしっと……そこで見てて、今からボールをペットボトルに当てて倒して見せまーす。」
「うまくできたら拍手お願いしますー」
にひっと笑う。
守護霊さんは近くのベンチに腰を下ろし、穏やかな笑顔のまま、こくりとうなづいた。
彩音はスティックを手に取ると、慣れた仕草でくるくると操る。
「んじゃ、まず一本目……」
バッグからボールを一つ取り出し、軽く上へ投げた。 落ちてくるボールをスティックですくい上げ、そのまま動かし、遠心力でネットの内に収める。
振りかぶり――
「せい!」
スティックを振る。
ヒュン!
乾いた音とともに放たれたボールは一直線に飛び、
パコーン!
ペットボトルを正確に倒した。
「いえーい!」
思わず声が弾む。
守護霊さんは一瞬目を見開き、すぐに拍手を送った。
「んじゃ次ー」
彩音はスティックをバトンのようにくるくる回しながら言う。
もう一つ、バッグからボールを取り出す。 上に投げ、落ちてきたところをスティックで拾った。
「お次は……」
「下から!」
スティックをくるりと反転させ、
「ほっ!」
すくい上げるように振る。
ヒュン!
パコーン!
ボールは狙いどおりペットボトルを弾き飛ばした。
守護霊さんは、思わず拍手を重ねる。
「いえーい!」
彩音は振り返り、ピースを向ける。 守護霊さんも同じようにピースで返した。
「じゃあ最後は……」
彩音は二つのボールを拾い、さらに距離を取る。
「この辺かな……」
ペットボトルまで、約二十メートル。
「いっくよー!」
少し大きな声で告げると、 守護霊さんは片手を上げた。
彩音は助走をつけ、
「とおりゃあ!」
勢いよくスティックを振る。
ビュン!
ボールは一直線に飛び――
ガン!
ペットボトルを外し、フェンスに当たって跳ね返った。
「ありゃ……失敗……」
彩音はスティックをまたバトンのようにくるくる回し、少し歩きながら自分に言う。
「コースはよかった……」
「ちょっと角度が足りなかったかな……」
立ち止まり、軽く息を整える。
「よしっと! ラストいくよー!」
大きな声で告げると、 守護霊さんはもう一度、手を上げた。
彩音はボールを投げ、スティックで拾い、そのまま助走に入る。
「そぉりゃあ!」
ビュン!
大きく振り抜かれたスティックから放たれたボールは、
パッコーン!
乾いた音を立てて、ペットボトルを弾き飛ばした。
「へっへーん!」
遠くから、彩音がピースを送る。
守護霊さんはベンチから立ち上がり、笑顔で拍手を送った。
彩音が戻ってきて言う。
「今日は確認したかっただけだからここまで。」
守護霊さんは微笑み、うなづく。
「西川さんも言ってたよね? 尖らせるって。」
こくり。
「精度はやっぱり自信がある。」
「……あとは球速とランシューのバリエーション増やすことかなと思ってる。」
こくこく、と守護霊さん。
「じゃあ……お腹すいたから帰ろう。」
彩音は、またにひっと笑う。
守護霊さんも微笑み返した。
時刻は夕暮れ。 オレンジ色に染まる河川敷を背に、二人は並んで帰路につく。
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