私の守護霊さん

Masa&G

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第1話 守護霊さんとの大学生活

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私の名前は宮司彩音みやじあやね

東京にある大学の2年生。

これは私と守護霊さん、二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語――

午前の光が差し込む講義室――

古い木製の机には落書きの跡があちこち残り、外から吹き込む秋風がカーテンをゆらりと揺らしていた。

ざわつく教室の中で、彩音はいつもの席――窓側の後ろから二番目に座り、こっくり、こっくりと舟を漕ぎ始めていた。

「……おい!宮司!」

「!?はひ!」

顔を跳ね上げる彩音。教授が眉間に皺を寄せてこちらを睨む。

「寝るなら家帰ってからにしろ!」

「すみません…」

前の席の数人が後ろを振り返り、くすっと笑う。

視線を横へそらす――

そこには、相変わらず静かに寄り添う守護霊さん。

(ちょっと…起こしてよ…)

守護霊さんは小さく、ふるふると首を横に振った。 “触れられない”を示す、控えめなジェスチャー。

(まぁ…たしかに……)

ふと横目で守護霊さんを見ると、彼女は講義に集中していた。 白い頬に陽が当たり、うっすらと光の膜が重なる。

(大学の講義真剣に聴く守護霊なんて聞いたことないよね…)

(真面目だなぁ…)

「おい宮司…何を横見てニヤニヤしてるんだ?」

「え…あ…なんでもないです…」

「お前…ほんとに大丈夫か?」

「ははっ…大丈夫です…」

「何か悩みがあったらちゃんと言えよ?」

「はーい。」

(やばいやばい…そういう目で見られてる…)

隣で、そのやり取りを見ながら微笑む守護霊さん。 彼女の前髪が、講義室の風にそっと揺れた。

――そして講義終了。

椅子が引かれる音が一斉に響き、学生たちが荷物をまとめて出ていく。 彩音は大きく背伸びをした。

「ふぁーあ…今日も一日終わったぁ…」

腰をひねりながら深呼吸。

「最近なんか疲れが取れなくて……」

「!?」

隣にいた守護霊さんが、すっと彩音の前に回り込む。 心配そうに、じーっと顔を覗き込んでくる。

「わっ…ちょっと…どうしたの?」

彼女の瞳には、淡い光がにじんでいた。

「あ…大丈夫だよ?部活…試合近いからさ。」

「……」

「張り切っちゃってるんだ。レギュラー…とりたいから。」

守護霊さんは胸に手を当て、ほっと息をつくように微笑んだ。

「ふふっ。今日は部活休みだしゆっくりするよ。」

こくっ…と静かに頷く。

講義棟の外へ出ると、午後の柔らかな日差しがキャンパスの並木を照らしていた。
イチョウの葉が足元に広がり、学生たちの談笑が遠くから聞こえる。

彩音は歩きながら思い出したように言う。

「あ、そういえば大学の近くにカフェできたんだって。」

守護霊さんの顔がぱっと明るくなる。

「行きたいんだけど…行っていい?」

笑顔で、こくりと頷く。

「よし…じゃあ行ってみよう!」

誰にも気づかれないけれど、彩音のすぐ隣には、ずっと守護霊さんが寄り添って歩いていた。

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