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ミュリエルとテレージア
しおりを挟むテントから出るとロージーと白い髪の少女が朝食を作っていた
白い髪の少女がミュリエルに気づいて
泣きそうな顔をした
(ウサギさんが言っていた白い魔女)
(私が探していた本の作者テレージア)
ミュリエルはテレージアの前に立つ
「白い魔女、テレージア様?」
「様はいらない、ジアでいい」
(ジア、ウサギさんが言っていた名前)
背の低い白い魔女はミュリエルを見上げる
その瞳から涙が溢れた
ミュリエルは動揺して、しゃがみこみ
ハンカチを出して
テレージアの涙を優しく拭う
つい子供にするような扱いをしてしまったがきっと彼女は自分よりずっと年上なのだろう
ミュリエルはテレージアに優しく抱きしめられた
「よく私の前に現れてくれたね」
ミュリエルの髪を撫で
テレージアは体を離すとミュリエルの琥珀色の
金色の瞳をじっと見つめる
テレージアの赤い瞳にミュリエルが映っていた
ミュリエルは思い出したように口を開いた
「さっき、ウサギさんが言っていました」
テレージアは目を見開く
「白い、、言葉を話す?」
「はい、夢に出てきて、、、あなたに伝言をたのまれて、、、」
『あの子はもうすぐ死んでしまう、けれどジアのせいではない。家の裏庭にあるセレンの木の下を掘って』
「そう言っていました」
「そう、、ランが、、わかった、ありがとう」
「ミュリエル、話すことはたくさんあるだろうけど先に食事にしようか」
ロージーが言うと
ミュリエルのお腹が、グゥと鳴る
昨日の朝食べたきりで空腹を思い出した
ロージーが大きな鍋をかき混ぜ、器にスープを注ぐ
クリームシチューのようだ
ウルドはパンを切り分け
ヴェリルが紅茶を淹れミュリエルに手渡した
ライアンもそれらを受け取り
各々食べ始める
ふと、ミュリエルの視界の端で白いものが動いて体にぶつかってきた
「?!」
それは何度かミュリエルに体を擦り付けるとすぐそばで丸くなって座り込んだ
「なに?この白い竜?」
ヴェリルが説明する
「ミュリエル様から魔力を吸い取ったのはそいつですよ、元は黒い竜でした」
「あ!あの、、頭を怪我していた?」
「そうだ、私たちが、黒い魔法使いを追って行った後何があったんだ?」
ライアンの問いにミュリエルは記憶を辿る
「たしか、、、なんとなく、、回復しようとして、、」
「なんで、敵の竜を回復しようなんて思ったのです?」
ヴェリルのツッコミに
ミュリエルは苦笑いで返す
「少しかわいそうで、、そしたら、魔力を一気に持っていかれちゃって、、、」
「なんにせよ、無事でよかったよ」
ロージーがため息をつく
「ありがとう、ロージー」
「お礼はウルドに言ってね、君の空間魔法から石を取り出してくれたから」
「そっか、ありがとう、ウルド」
ウルドは俯いたまま、頷く
「?」
そんな様子をテレージアは感慨深く見ていた
(まだ、信じられない、、、ロージーの教え子がアレンで、ミュリエルとなって 、ウルドは、、そして、ライアン、、、レアードの息子。)
「師匠、口に合わなかった?」
ロージーの声でテレージアは我にかえる
「いや、美味しいよ」
「ロージーの師匠なんですか?」
ミュリエルは驚いた顔で、テレージアを見る
「ああ、ローが小さい時に出会って、数年一緒に暮らしながら魔法を教えた」
「ロー!」
ミュリエルがロージーを見ると
彼は少し照れて、テレージアを見た
「師匠、これからどうするんです?」
「あの子、、竜といる魔法使いを探して、とめる。あの子も私の教え子だから、、、」
テレージアはミュリエルを見た
「その前に、君と二人で話したい。
いいだろうか、?」
「はい、私もたくさん聞きたいことがあります」
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