お願い乱歩さま

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秀実ちゃんへ

  メールを送れ…と言われると、なんだか葵は緊張する。
  いつもは短いSNSのメッセージを送るくらいなのだから。

  200文字あれば良いと言われても、わざわざメールにするとなると、変な緊張に包まれる。

  題は『秀実ちゃんへ』

  なんだか、小学生の国語の授業を思い出した。

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  こんばんは……なんか、変に緊張する(*''*)

  急に、子供の頃の話とか、メールするのって変な気持ちだよ…(;゜゜)

  小学校の国語の授業を思い出しちゃった。
  
  星って、確か、秋の季語じゃなかったかな？
  でも、秋の星座は目立つ１等星は少ないらしいよ。
  昔、叔母さんが、お兄ちゃんと私をよく天文台に連れていってくれたんだ。
  その時、そんな話を天文台のおじさんに教えて貰った記憶があるわ。

  だから、俳人は、ともかく、私にとっては、星の季語は夏のイメージがあるな。

  ちょうど、お盆あたりにペルセウス流星群が来るから、特別企画の観察会とかあってね、夕方から夜に叔母さんとドライブするのは楽しかった。

  なんかね、凄く大きな望遠鏡で火星を見たりしたんだよ。

  楽しかったな。

  あんまり、江戸川乱歩、関係ないけど…

  そう言えば、叔母さんがまだ、東京に住んでいたときはね、お盆に帰省して来ていて、おじいちゃんと皆で明智小五郎のドラマを見たりしたんだよ。

  おばあちゃんが、文句をいいながら、スイカを出してくれてね。

  そう言えば、怪人20面相だけの映画を見た気がしたなぁ～
  内容忘れたけど。

  夜空に月を背にアドバルーンで浮かんでいる姿が格好良かった( ´艸｀)

  ごめん、人(￣ω￣;)もう無理…
  私、小説なんて、やっぱ、書けないよ(>_<)


  葵は、書き終わると小さくため息をついて送信した。
 

  これで、どんな話を作れると言うのだろう？

  期待と恥ずかしさに包まれながら、葵は、メールを送信した。