まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!

のーまじん

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  400年後に博物館で作品が飾られたって…それがどうだと言うのだ。
  太古の人達の洞窟壁画の様に、それは時代への賛美でしかない。
  そんなものより、目先の500円。生きてるうちに名古屋でモーニング。その方がいい。

  でも、『プリマブェッラ』は違う。
  ボッチィチェッリは、歴史ではなく、絵画を評価され、20世紀から現在まで、日本の文化人にも愛される存在だ。

  『プリマブェッラ
  この絵画は、ほとんどの人が一度は見ているに違いない。
  最低でも美術の教科書で。他にはテレビの美術番組。
  漫画にも、時たま登場する絵画だ。
  この絵を説明すると、好きな人は、10万字は軽くかけるような、ネタ一杯の作品で、私のように、美術に明るくない人間には、たまにポスターや紙袋、イタリアンのお店の壁絵で拝見するくらいのものだ。


  日本人が、短歌や俳句、SNSの呟きに、たて読みの隠しメッセージを入れるように。

  と、言うわけで、西洋人は絵画に、美しさ意外の色々を見つめようとする。
  それは、恋のメッセージかもしれないし、宗教的なものかもしれないし…
  政治的な意味合いのものもある。

  ボッチィチェッリが、何を考えたかはしらないけれど、400年を経て、彼の絵に色んな難しいメッセージを読み解く人物が登場する。
  ノストラダムスの解説で、生涯ダメージを受けまくり、『トミノの地獄』で恥ずかしい解説を披露した私は、それが本当に、作者の思惑か疑わしく感じてしまうが、1910年代、西洋を旅する文化人、吉江、近江の2人の日本人は、そんな雰囲気に包まれていたに違いない。

  その頃、イギリスの文化人を中心に、ルネサンスの絵画に宗教からの解放…もしくは、自由をもとめる動きがあって、『プリマブェッラ』が、その象徴のように取り上げられているとネットでみた。

  もう、落選したし、剛相手のざれ言だから、うろ覚えで書いて行くけど、当時は、そんな事に物凄く時間をかけた。

  「どうしたの?卯月さん。」
剛が私に問いかける。
「いや、昔を…アンタが生きていた時を思い出してね。」
私は、数年前の明るい時間を鈍く思い出していた。

  金の価値は、日々、変わって行く。
  今は円安だし、何かきっかけがあれば、また、円高にもなる。
  そして、個人のイベントに置いても、やはり、金の価値は変わって行く。

  数年前、剛が生きていた頃、ネットで…小説で…稼ぐ500円は、遠くにあっても、手に届きそうなほど明るく輝く一等星のような存在で、それを手にしたら、幸せに…少なくとも、人生トップ10に入るくらいの感動をくれたに違いなかった。
「そんな事、思い出しても仕方ないだろ?まあ、気にしなくても良いじゃない。」
剛はフフンと鼻で笑って呑気に酒を楽しむ。
「それでも、思い出すのが友情なんじゃない。それに、ここまで来たら、異世界転生ものを書いてみたいし。」
と、言いながら涙が溢れてくる。
  もう…私には、人気作家の先生みたいに、明るく死んで異世界を楽しむ人間なんて書けやしない。
  死んだ人間の骸(むくろ)と共に、この、どうにもならない現世で、物語を作る側の配役を貰ってしまったから。
「異世界転生?それ、面白いの?」
剛が新しい食べ物を疑うときの様に、眉をひそめる。
「分からない。わからないから、今まであのジャンルは行ってなかったのよ。
  でも、こんなに未完が増えて、低評価に甘んじるなら、もう、いっそ、異世界転生書けばよかったわ。」
私はやけくそに叫んだ。

  死んだら人はどうなるのだろうか?

  第一次世界大戦で沢山の人が亡くなった。
  戦の禍神の手を取るように病神が変異風邪を世界に振り撒いた。

  ドイルは、あの世に旅だった愛する人と再会するために魔術に力を注ぎ、  
  世紀の魔術師は、ラノベの世界にバトルマジックと言う新たなテンプレを作り出していた。

  クロウリーは、意図してはいなかったに違いない。
  それでも…ラノベ界では、低評価の『ムーン チャイルド』は、かつての師であり、世紀の魔術師マグレーガー・メイザースを、そして、自分をも、ファンタジー界の…異世界の無敵(チート)魔術師(マジシャン)として転生させた。

  彼は…知っていたろうか?
  クロウリーとメイザースは、いまだにラノベで、アニメで取り上げられ、その時代の『カッコイイ』を纏い、進化し続ける魂(キャラ)になったことを。

  彼らこそ、本当の意味での異世界転生を成就した存在なのかもしれない。

  そして、まるで魔法のように、メイザースの没後100年にこの作品の著作権が切れるなんて。

  1917年…ファティマで子供たちが聖母を見た年、
  クロウリーは、何を見たのだろう?

  そうして、西條先生は何を感じたのだろうか?
  殺したくなるほど憎い義兄や、美しい詩の世界、株での金儲けや芸者遊びのその先に…
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