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14話 透明な足跡
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「グアァァアア…!」
叫声でも上げなければどうにか狂ってしまいそうな程の激痛が、穿たれた右横腹を中心に07の全身を這った。
「ぁああぁぁああ!!!」
だが07はすぐさま、空中等に残った黒の形状を巨大な刃に変化させ、全方広範囲に対して展開させた。
「…!」
油断していた。
背後からの強襲を想定せずにいた六道寺は、攻撃こそ認知したが、もはや躱し切れる程の時間は無かった。
瞬間、襟を思いっきり引っ張られ、グエッという声が出るとともに後方に投げ捨てられた。
しかしそのお陰で何とか被弾せずに済む。
間一髪であった。
「あ、ありがとうございます。少尉。」
焦りを滲ませた声で六道寺は礼を言った。
「油断しすぎだ。」
溜め息と共に、蔵馬は少し呆れたような眼を向ける。
「ま、あれだけの黒を出せる余力があったとは、私も思わなかった。気を抜くのも当然かもな。」
再び正面を向くが、黒い刃と07の姿は既に無かった。
黒を放つと同時に逃げたらしい。
「…消えたか。」
あ。
と、蔵馬は思い出したかの様に、小型骨電動式の通信機を起動する。
「氷坂―?」
「屋上からも、07の後は追えませんでしたよ。ほんとにぱっと消えちゃったんです。」
「…そうか、了解した。4人とも一旦降りてきてくれ。」
そう言って蔵馬は通信を切った。
重軽傷者の救助を開始した三課を横目に見ながら、
六道寺と共に、先ほど07が消えた場所へ歩き出した。
「遊撃隊の他4人の屋上待機命令はこの為だったのですね。」
「取り逃がした際、逃亡した方向を正確に把握するはずだったが、その場で消えたなんて言われるとなぁ。」
そう言った途端、蔵馬の通信機が反応する。
叫声でも上げなければどうにか狂ってしまいそうな程の激痛が、穿たれた右横腹を中心に07の全身を這った。
「ぁああぁぁああ!!!」
だが07はすぐさま、空中等に残った黒の形状を巨大な刃に変化させ、全方広範囲に対して展開させた。
「…!」
油断していた。
背後からの強襲を想定せずにいた六道寺は、攻撃こそ認知したが、もはや躱し切れる程の時間は無かった。
瞬間、襟を思いっきり引っ張られ、グエッという声が出るとともに後方に投げ捨てられた。
しかしそのお陰で何とか被弾せずに済む。
間一髪であった。
「あ、ありがとうございます。少尉。」
焦りを滲ませた声で六道寺は礼を言った。
「油断しすぎだ。」
溜め息と共に、蔵馬は少し呆れたような眼を向ける。
「ま、あれだけの黒を出せる余力があったとは、私も思わなかった。気を抜くのも当然かもな。」
再び正面を向くが、黒い刃と07の姿は既に無かった。
黒を放つと同時に逃げたらしい。
「…消えたか。」
あ。
と、蔵馬は思い出したかの様に、小型骨電動式の通信機を起動する。
「氷坂―?」
「屋上からも、07の後は追えませんでしたよ。ほんとにぱっと消えちゃったんです。」
「…そうか、了解した。4人とも一旦降りてきてくれ。」
そう言って蔵馬は通信を切った。
重軽傷者の救助を開始した三課を横目に見ながら、
六道寺と共に、先ほど07が消えた場所へ歩き出した。
「遊撃隊の他4人の屋上待機命令はこの為だったのですね。」
「取り逃がした際、逃亡した方向を正確に把握するはずだったが、その場で消えたなんて言われるとなぁ。」
そう言った途端、蔵馬の通信機が反応する。
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