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15話 反旗
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「蔵馬少尉。本当に助かった。感謝する。」
突然の通信は、三課指揮長の澤部からだった。
「あー澤部中佐殿。お疲れ様です。それで、どうしたんですか?」
「あぁ。evilの根城と思われていた三ヶ所。結果から言えばその中の局員とevilは死んでいた。だがその中に、丹波総一郎の死体もあった。」
「…それで?」
「二課、三課の発見した死体を調べたところ、死体の外傷には、共通点があった。体全体の切り傷。腹部を抉り取られたような穴。首をはねられたものも。」
「つまりコード07。さっきの黒い奴ということですか。…わかりませんね。」
「やはりか?」
「敵の親玉が何もしてないのにいなくなりました、めでたしめでたし。本来の作戦通りならその時点でこの作戦は成功と言っていいでしょう。しかし黒の動きが不可解すぎる。奴はevilの隠し玉と睨んでいたのですがね。」
そう言いながら蔵馬は07が消えた場所にしゃがみ込み、その場の血痕を確認した。
07が逃げたのであれば、血の跡を追えば辿り着けるはずである。
だが血痕はその場にあるだけで、右にも左にも散らばっていない。
どうやら消えたという表現はあながち間違ってはいないようだ。
蔵馬は再び立ち上がり、こう続けた。
「仮に第三勢力の介入となると、我々はかなり危険な状態です。敵の目的も、位置も、何も分かっていない。他の課は今何を?」
「二課は一部の小隊を13エリア支部局に残し、虱潰しに付近の建物内を捜索。及び駆除。
四課もほぼ同様に、警戒態勢を取りながら捜査範囲の拡大。だそうだ。」
「…あぁ、四課。喫茶店の方からも死体が?」
「いや、そこからは何も出なかったそうだ。完全にもぬけの殻だと。そう聞いている。」
「…、特務官。地図。」
一旦マイクを消音にし、少し考え込むようにしてから、蔵馬は早めの口調でそう言った。
六道寺の汎用型腕時計からホログラム化された13、14エリアの縮小地図が展開する。
それから蔵馬は、ある一つの結論を証明する為の過程作りの様に、こう続ける。
「evilは死体で発見されたもので全員ですか?」
「正確な数はまだ分かっていないが、かなりの数が駆除されていたのは確かだ。…だが、私と村上の予測では、まだエリア内にevilはいると考えている。」
「つまり、まだevilは死体以外で見つかっていない。と?」
「…そうだ。さっきの黒いのがevilだとするのならば、あれが最初だ。」
「…なるほど。」
あくまで仮説の話だ。
07が殺したとされる、両支部局の局員とevil。
そして、07自身の襲来。
仮にそれが、私達を含めた機動官たちを、その場に縛る時間稼ぎの為だけの陽動で、
その状況を仕組んだ何者かがいたとしたら?
『生存したevilが見つかっていない。』
支部局に縛り付けられた二、三課は省いたとして、問題は四課。
私達が生存したevilを見つけられていないのは、私達に見つからない方向に逃亡しているからだ。
見つからない方向、すなわち私達の捜索範囲外を担当している四課の方向。その方向しか存在しない。
外側と内側、二重に包囲網を展開した今作戦において、私達の目をくぐるのであれば、『生存したevil』はどうあがいても四課と接敵するルートを通るしかないのだ。
しかし、現に『生存したevil』は発見されておらず、四課からは、もぬけの殻という報告のみ。
つまり、四課は既に壊滅している可能性が高い。
ここまでの私の仮説が正しかった場合。彼らの目的は何なのか。
答えは明白だ。
四課を壊滅させたその先に存在するもの。ということになる。
蔵馬は地図を照合する。
13、14エリア支部局を一直線で結び、中心点から少し13エリア支部局側にずれた位置に存在する、四課が担当した喫茶店。それを突破した先に位置するもの。
それは。
「…第4ゲート。」
「特務官、司令部に伝えろ。evilの狙いは第4ゲートの可能性大。急げ!」
六道寺はすぐさま司令部に通達する。
「中佐。聞いての通りです、第4ゲートだ。奴らの目的は!」
刹那。14エリア支部局のメインモニターが起動する。そこに、一人の男が映っていた。
【この世界に存在する、追われ、奪われ、絶望し果てた同胞たちへ告げる。
私は俳徒。全てのevilを導く、新たな指導者だ。】
突然の通信は、三課指揮長の澤部からだった。
「あー澤部中佐殿。お疲れ様です。それで、どうしたんですか?」
「あぁ。evilの根城と思われていた三ヶ所。結果から言えばその中の局員とevilは死んでいた。だがその中に、丹波総一郎の死体もあった。」
「…それで?」
「二課、三課の発見した死体を調べたところ、死体の外傷には、共通点があった。体全体の切り傷。腹部を抉り取られたような穴。首をはねられたものも。」
「つまりコード07。さっきの黒い奴ということですか。…わかりませんね。」
「やはりか?」
「敵の親玉が何もしてないのにいなくなりました、めでたしめでたし。本来の作戦通りならその時点でこの作戦は成功と言っていいでしょう。しかし黒の動きが不可解すぎる。奴はevilの隠し玉と睨んでいたのですがね。」
そう言いながら蔵馬は07が消えた場所にしゃがみ込み、その場の血痕を確認した。
07が逃げたのであれば、血の跡を追えば辿り着けるはずである。
だが血痕はその場にあるだけで、右にも左にも散らばっていない。
どうやら消えたという表現はあながち間違ってはいないようだ。
蔵馬は再び立ち上がり、こう続けた。
「仮に第三勢力の介入となると、我々はかなり危険な状態です。敵の目的も、位置も、何も分かっていない。他の課は今何を?」
「二課は一部の小隊を13エリア支部局に残し、虱潰しに付近の建物内を捜索。及び駆除。
四課もほぼ同様に、警戒態勢を取りながら捜査範囲の拡大。だそうだ。」
「…あぁ、四課。喫茶店の方からも死体が?」
「いや、そこからは何も出なかったそうだ。完全にもぬけの殻だと。そう聞いている。」
「…、特務官。地図。」
一旦マイクを消音にし、少し考え込むようにしてから、蔵馬は早めの口調でそう言った。
六道寺の汎用型腕時計からホログラム化された13、14エリアの縮小地図が展開する。
それから蔵馬は、ある一つの結論を証明する為の過程作りの様に、こう続ける。
「evilは死体で発見されたもので全員ですか?」
「正確な数はまだ分かっていないが、かなりの数が駆除されていたのは確かだ。…だが、私と村上の予測では、まだエリア内にevilはいると考えている。」
「つまり、まだevilは死体以外で見つかっていない。と?」
「…そうだ。さっきの黒いのがevilだとするのならば、あれが最初だ。」
「…なるほど。」
あくまで仮説の話だ。
07が殺したとされる、両支部局の局員とevil。
そして、07自身の襲来。
仮にそれが、私達を含めた機動官たちを、その場に縛る時間稼ぎの為だけの陽動で、
その状況を仕組んだ何者かがいたとしたら?
『生存したevilが見つかっていない。』
支部局に縛り付けられた二、三課は省いたとして、問題は四課。
私達が生存したevilを見つけられていないのは、私達に見つからない方向に逃亡しているからだ。
見つからない方向、すなわち私達の捜索範囲外を担当している四課の方向。その方向しか存在しない。
外側と内側、二重に包囲網を展開した今作戦において、私達の目をくぐるのであれば、『生存したevil』はどうあがいても四課と接敵するルートを通るしかないのだ。
しかし、現に『生存したevil』は発見されておらず、四課からは、もぬけの殻という報告のみ。
つまり、四課は既に壊滅している可能性が高い。
ここまでの私の仮説が正しかった場合。彼らの目的は何なのか。
答えは明白だ。
四課を壊滅させたその先に存在するもの。ということになる。
蔵馬は地図を照合する。
13、14エリア支部局を一直線で結び、中心点から少し13エリア支部局側にずれた位置に存在する、四課が担当した喫茶店。それを突破した先に位置するもの。
それは。
「…第4ゲート。」
「特務官、司令部に伝えろ。evilの狙いは第4ゲートの可能性大。急げ!」
六道寺はすぐさま司令部に通達する。
「中佐。聞いての通りです、第4ゲートだ。奴らの目的は!」
刹那。14エリア支部局のメインモニターが起動する。そこに、一人の男が映っていた。
【この世界に存在する、追われ、奪われ、絶望し果てた同胞たちへ告げる。
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