睦月のタイムトラベラー

しゃけ

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某所にて。

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華々しい調度品が並ぶ豪華絢爛な部屋に少年が1人、少女が2人、青年が1人。

少年は少女たちよりも幼い風貌をしていた。

「……ねえ。どうするのよ。」
 
ベージュ色の髪を肩のあたりで切り揃えた少女が、表情を変えず少年に問う。

「何が。」

持っていた刃物を研いでいた少年は同じく表情を変えず、目もくれず聞き返した。

「アウルベア。倒されちゃったじゃない。」

彼女の言葉に、近くで酒を呑んでいた青年も

「アウルベアだけじゃねえよ。けしかけたモンスター全部だぜ。」

と言う。

2人に言われた少年は少し眉根を寄せて、

「それは僕の責任じゃない。」

と告げた。

「アレらは手引きしただけで襲わせてるのは下のやつらだろ。僕の責任じゃ…ないんだ。」

 少し苦しそうな少年の声色に青年は小さく溜息をつき、

「そっちの首尾はどうなんだよ、マディラ。」

 とに声をかけた。

 少女はニヤっと口元を歪めて笑う。

「首尾なんてわからないわね。だって訊いてないもの。今度お店に来たら訊いてみるわ?ってね。ブラッディ・ブルには1週間も眠り薬を少しづつ投薬してるわ。」

「はーっ!向こうはなんも気がついてねえのか!!」

「そうみたい、馬鹿よね~!」

 マディラと呼ばれた少女は愉快そうに笑う青年を見てさらに笑う。

 

「……馬鹿みたい。」

 ベージュ色の髪の少女の呟きが、溶けて消えた。







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感想 1

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みんなの感想(1件)

鉄紺忍者
2023.07.12 鉄紺忍者

TwitterにてRTとリプさせて頂いた者です。こちらにも失礼します~

ワインとカクテル!国の名前がおしゃれ!これからいよいよ物語が始まっていきますね😉

(4話公開時点)

解除

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