iPhone15 pro 512GB

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夜。シャワーを浴びながらサクラのことを思い出していた。
​久しぶりに見たサクラはメイクを覚えて可愛くなっていた。
眉毛を整えるのとストパーしか許されてなかった学生時代でも精一杯オシャレしていたように思うから、当然といえば当然だが。
​未だに垢抜けない私は僻（ひが）んでしまっている。
​当時の私はリア充に対して、憧れからくる異常な嫌悪を抱いていた。
サクラに対しても半分僻みで好きになれなかったのだ。
流行りのオシャレをして、友達と自撮りをして、人気のアイドルグループに夢中になって。
イマドキのキラキラした部分もありつつ、才女でもあったサクラを羨んでいた。
​そして地味に腹が立ったのが、私より身長が高いところ。
私は平均より高い自分の身長が自慢だったのだが、サクラにはちょっと及ばなかった。
何もかも私の少し先を行くような感じがして癪だった。
​まぁ、あと半分はサクラは思い込みの激しい性格で、私や他の友人を巻き込んでトラブルを起こすことがあったというのもあったが。
​思い込みと我が強い彼女と、プライドの高い僻みモンスターの私は歩み寄れなかったのだ。
​でも、あれから何年も経つ。互いに大人になった今なら、少しはうまくコミュニケーションがとれるだろうか。
​数日後に彼女を店員として完璧に接客することができたなら。
私はあの頃の苦い思い出やコンプレックスを克服できる気がした。
​なので数日後、彼女が来店する日を「決戦」と名付け、備えることにした。
勝手に決めた一方的な決戦だが。
​風呂を終えた私は、数日後の決戦に備えてメイク用品のレビューを見漁った。
最近怠けがちだったメイクをしっかりするため。
気合いを入れるためまずは形から。私はそんなタイプだ。