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第二話・清水寺雨夜・何度も死んだ女(四)
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石段の中ほどに、美雲はまだいた。
どれくらいそこに立ち尽くしていたのか、もう自分でもわからない。
スマホのバッテリーは、目に見えてじわじわ減っていく。雨は画面を模様のように濡らし、表示されている文字列をぼかしていたが、拭き取る気も起きない。「誠に残念ながら」のメールがいつまでも開きっぱなしで、終わりのない判決文のようにそこに居座っている。
彼女はまた、ほんの少しだけ足を前に出した。
今夜何度目の「通し稽古」なのか、もう数える気力もない。
一度は、首の骨が確かに折れた。別の一度は、肋骨が肺に突き刺さった。さらに別のとき――転げ落ちていく途中で、一本の傘が見えた。
その傘の下の顔はぼやけていて見分けがつかなかったが、誰かが手を伸ばして、自分をつかもうとしたのだけは覚えている。だが、その人もまた、自分の落下に巻き込まれる形で画面の外へ転げ落ちていった。
そのたびに、彼女は前よりも“上手に”死ねるようになっていく。
まるで、失敗が繰り返される舞台の稽古のように。何度もやり直し、最終的には恐怖すら機械的な動きに変わっていく。
「もう一回。」
心の中で、誰かの声がする。
自分のものというよりは、これまで何度も会ってきた監督や講師、キャスティング担当の声に近かった。
「さっきのも悪くなかったけど、もう一パターンやってみようか。」
「表情をもう少しオーバーに。」
「想像してみて。このシーンが本当に最後のチャンスだったら――」
美雲は静かに息を吐き、かかとを上げた――。
「そのシーン、いったい何回通したら気が済むんだ?」
雨の幕を裂くように、一つの声が飛び込んできた。
美雲の動きが止まる。
振り返ると、数段下に一本の傘をさした男が立っていた。
黒い傘、ありふれたロングコート、裾には泥が少し跳ねている。
昼間目にしたとしても、「ちょっと整った顔の通行人」くらいの印象で終わっただろう。だが、こんな雨夜には、むしろこの男だけが唯一まともな観客のようにも見える。
「……すみません、通りますか?」
美雲は、条件反射で丁寧な敬語モードに切り替えた。
「すぐどきますから――」
「下から回っても上には行ける。」
男は言う。
「ただ、今ここから転げ落ちられると、こっちまで巻き込まれる。」
彼女は一瞬きょとんとした。
「冗談だ。」
男は傘を少し畳み、数段上って彼女との距離を詰める。
「もう何回も死んでるんだろ。今さら一回増えたところで、どうということもない。」
軽すぎる言い方なのに、「死ぬなよ」と言うよりよほど現実を理解している響きがあった。
「……あんた、誰?」
思わず口をついて出る。
「さっきの湯豆腐屋の、隣人。」
男はいい加減そうに名乗る。
「ついでに、“失敗を趣味にしてる”タイプが見てて腹立つだけの通行人。」
「失敗が趣味?」
美雲は苦笑する。
「じゃあ、私はもうプロのアスリート級ですね。」
「プロならギャラが出る。」
男は言う。
「あんたは血と時間ばかり払って、一銭ももらってない。せいぜいボランティアだ。」
雨水が石段をつたって流れ、小さな水筋をつくっていた。二人はその真ん中で相対しながら、「どけ」も「どいてください」も口にしない。ただ、その場の空気だけが、不意に固まる。
「さっき、もう何回も死んだみたいなこと、言ってたよね。」
美雲は問う。
「ざっと百回まではいってない。」
男は頭を傾げて見せる。
「半月なら、一日三回から五回ってところか。」
「なんでわかるの?」
「その“感じ”が、さっきの湯豆腐に似てる。」
男は答える。
「最初はちゃんとした一丁の豆腐なんだ。切られ、煮られ、味をつけられ、鍋に盛られて出てくる。一個一個はまだ体裁を保ってる。だが、それを何度も鍋に放り込んで、引き上げて、また戻したら――」
彼は空中に指で四角を描いて見せる。
「それはまだ“ひとかたまり”と言えるのか。」
美雲は口をつぐむ。
頭の中には、ここ数年のオーディションの断片が次々と浮かぶ。
丁寧に「お疲れさまでした」と言われた、数え切れない瞬間。
「いいものを持ってると思います。ただ今回の役柄は、より○○さんのタイプに近い方で」と微笑まれた時間。
「もっとあなたに合った役もあると思いますよ」と、真剣な目で勧められた言葉。
失敗のたびに、彼女は自分にこう言い聞かせてきた。
「大丈夫。もう一回やり直せる。」
もう一度プロフィールを書き直し、もう一度稽古し直し、もう一度自分を励まし、もう一度「今日はきっと違う」と言い聞かせる。
「考えたことはない?」
男の声が、雨音の向こうから届く。
「その“もう一回”ってのが、自分にチャンスをあげてるんじゃなくて――どこかの得体の知れない何かが、あんたの悔しさを利用して、“同じ死に方”の稽古を延々やらせてるだけなんじゃないかって。」
美雲はうなじに、ひやりとしたものを覚えた。
「何かって……何?」
男は視線を空に向ける。
外から見れば、そこには真っ暗な夜空と、清水寺のほうから漏れてくるかすかな灯りしかない。
だが、劉立澄の視界では、石段の上に薄い膜のようなものがぶら下がっていた。水に浸した布を空中に広げたようでもあり、細い糸が無数に絡まり合った蜘蛛の巣のようでもある。
一本の糸は、美雲の足元の段に結びつき、もう一本は清水寺の舞台から伸びている。さらに何本もが雨の中をほのかに光りながら伸び、その先端には、それぞれ「一度死んだ彼女」がぶら下がっている。
首の角度がおかしいもの、肘がありえない方向に折れ曲がったもの、後頭部を石の角に叩きつけられて白目を剥いているもの――。
どれも、この現実の時間線では起きていないはずの「死」でありながら、彼女の執着によって保存され、今この坂道の上空に累積している。
失敗への恐怖の残形。
劉立澄は、心の中でそう名前をつけた。
「さっき、足を上げた瞬間。」
彼は美雲を見る。
「あんたの背中にくっついてるそれが、一斉に光り始めた。」
「……見えてるの?」
美雲は掠れた声で問う。
「それが仕事みたいなもんだからな。」
劉立澄は、コートの袖から、小さく折りたたまれた黄紙の符を取り出した。指先で弾くと、紙は空中でひらりと開き、ごく淡い金色の光輪を走らせる。
「ちょ、何する気?」
美雲は反射的に一歩下がった。
「照明。」
男は短く答え、その符をそばの石の欄干に貼りつけた。
符から漏れる金の光は目立ちすぎることなく、しかし暗がりに潜んでいたものを隠れにくくするには十分だった。
美雲には、頭上から奇妙な音が聞こえた。細い糸が一斉に張り詰めるような、古いビデオテープを巻き戻すような低い唸り。
顔を上げる。
石段の上空には、無数の「美雲」がぶら下がっていた。
上を向いているもの、うつ伏せのもの、目を開けたままのもの、口を開いて何かを言おうとしているもの。
どの「彼女」も、いる場所が違う。坂の下まで転げ落ちてしまったものもいれば、中途の空中でひっくり返っているものも、清水の舞台の縁から今まさに足を踏み出したところのものもいる。
その顔には、一つ残らずよく見知った表情が貼りついていた。
惨めで、くたびれていて、でもどこかでまだ――「さっき、もう少しうまくやれたはず」と思っているような顔。
「……なに、これ。」
声が震える。
「あんたがこれまで口にしてきた『もう一回やり直せたら』。」
劉立澄は答える。
「その全部を、あいつが集めて持ってる。」
彼は手を上げた。
掌の上方で、雨粒が一瞬だけ動きを緩める。
「さあ、照明は入った。」
劉立澄は、脈打つように光を明滅させる失敗残形を見据えた。
「本物の“打ち上げ公演”を始めようか。」
どれくらいそこに立ち尽くしていたのか、もう自分でもわからない。
スマホのバッテリーは、目に見えてじわじわ減っていく。雨は画面を模様のように濡らし、表示されている文字列をぼかしていたが、拭き取る気も起きない。「誠に残念ながら」のメールがいつまでも開きっぱなしで、終わりのない判決文のようにそこに居座っている。
彼女はまた、ほんの少しだけ足を前に出した。
今夜何度目の「通し稽古」なのか、もう数える気力もない。
一度は、首の骨が確かに折れた。別の一度は、肋骨が肺に突き刺さった。さらに別のとき――転げ落ちていく途中で、一本の傘が見えた。
その傘の下の顔はぼやけていて見分けがつかなかったが、誰かが手を伸ばして、自分をつかもうとしたのだけは覚えている。だが、その人もまた、自分の落下に巻き込まれる形で画面の外へ転げ落ちていった。
そのたびに、彼女は前よりも“上手に”死ねるようになっていく。
まるで、失敗が繰り返される舞台の稽古のように。何度もやり直し、最終的には恐怖すら機械的な動きに変わっていく。
「もう一回。」
心の中で、誰かの声がする。
自分のものというよりは、これまで何度も会ってきた監督や講師、キャスティング担当の声に近かった。
「さっきのも悪くなかったけど、もう一パターンやってみようか。」
「表情をもう少しオーバーに。」
「想像してみて。このシーンが本当に最後のチャンスだったら――」
美雲は静かに息を吐き、かかとを上げた――。
「そのシーン、いったい何回通したら気が済むんだ?」
雨の幕を裂くように、一つの声が飛び込んできた。
美雲の動きが止まる。
振り返ると、数段下に一本の傘をさした男が立っていた。
黒い傘、ありふれたロングコート、裾には泥が少し跳ねている。
昼間目にしたとしても、「ちょっと整った顔の通行人」くらいの印象で終わっただろう。だが、こんな雨夜には、むしろこの男だけが唯一まともな観客のようにも見える。
「……すみません、通りますか?」
美雲は、条件反射で丁寧な敬語モードに切り替えた。
「すぐどきますから――」
「下から回っても上には行ける。」
男は言う。
「ただ、今ここから転げ落ちられると、こっちまで巻き込まれる。」
彼女は一瞬きょとんとした。
「冗談だ。」
男は傘を少し畳み、数段上って彼女との距離を詰める。
「もう何回も死んでるんだろ。今さら一回増えたところで、どうということもない。」
軽すぎる言い方なのに、「死ぬなよ」と言うよりよほど現実を理解している響きがあった。
「……あんた、誰?」
思わず口をついて出る。
「さっきの湯豆腐屋の、隣人。」
男はいい加減そうに名乗る。
「ついでに、“失敗を趣味にしてる”タイプが見てて腹立つだけの通行人。」
「失敗が趣味?」
美雲は苦笑する。
「じゃあ、私はもうプロのアスリート級ですね。」
「プロならギャラが出る。」
男は言う。
「あんたは血と時間ばかり払って、一銭ももらってない。せいぜいボランティアだ。」
雨水が石段をつたって流れ、小さな水筋をつくっていた。二人はその真ん中で相対しながら、「どけ」も「どいてください」も口にしない。ただ、その場の空気だけが、不意に固まる。
「さっき、もう何回も死んだみたいなこと、言ってたよね。」
美雲は問う。
「ざっと百回まではいってない。」
男は頭を傾げて見せる。
「半月なら、一日三回から五回ってところか。」
「なんでわかるの?」
「その“感じ”が、さっきの湯豆腐に似てる。」
男は答える。
「最初はちゃんとした一丁の豆腐なんだ。切られ、煮られ、味をつけられ、鍋に盛られて出てくる。一個一個はまだ体裁を保ってる。だが、それを何度も鍋に放り込んで、引き上げて、また戻したら――」
彼は空中に指で四角を描いて見せる。
「それはまだ“ひとかたまり”と言えるのか。」
美雲は口をつぐむ。
頭の中には、ここ数年のオーディションの断片が次々と浮かぶ。
丁寧に「お疲れさまでした」と言われた、数え切れない瞬間。
「いいものを持ってると思います。ただ今回の役柄は、より○○さんのタイプに近い方で」と微笑まれた時間。
「もっとあなたに合った役もあると思いますよ」と、真剣な目で勧められた言葉。
失敗のたびに、彼女は自分にこう言い聞かせてきた。
「大丈夫。もう一回やり直せる。」
もう一度プロフィールを書き直し、もう一度稽古し直し、もう一度自分を励まし、もう一度「今日はきっと違う」と言い聞かせる。
「考えたことはない?」
男の声が、雨音の向こうから届く。
「その“もう一回”ってのが、自分にチャンスをあげてるんじゃなくて――どこかの得体の知れない何かが、あんたの悔しさを利用して、“同じ死に方”の稽古を延々やらせてるだけなんじゃないかって。」
美雲はうなじに、ひやりとしたものを覚えた。
「何かって……何?」
男は視線を空に向ける。
外から見れば、そこには真っ暗な夜空と、清水寺のほうから漏れてくるかすかな灯りしかない。
だが、劉立澄の視界では、石段の上に薄い膜のようなものがぶら下がっていた。水に浸した布を空中に広げたようでもあり、細い糸が無数に絡まり合った蜘蛛の巣のようでもある。
一本の糸は、美雲の足元の段に結びつき、もう一本は清水寺の舞台から伸びている。さらに何本もが雨の中をほのかに光りながら伸び、その先端には、それぞれ「一度死んだ彼女」がぶら下がっている。
首の角度がおかしいもの、肘がありえない方向に折れ曲がったもの、後頭部を石の角に叩きつけられて白目を剥いているもの――。
どれも、この現実の時間線では起きていないはずの「死」でありながら、彼女の執着によって保存され、今この坂道の上空に累積している。
失敗への恐怖の残形。
劉立澄は、心の中でそう名前をつけた。
「さっき、足を上げた瞬間。」
彼は美雲を見る。
「あんたの背中にくっついてるそれが、一斉に光り始めた。」
「……見えてるの?」
美雲は掠れた声で問う。
「それが仕事みたいなもんだからな。」
劉立澄は、コートの袖から、小さく折りたたまれた黄紙の符を取り出した。指先で弾くと、紙は空中でひらりと開き、ごく淡い金色の光輪を走らせる。
「ちょ、何する気?」
美雲は反射的に一歩下がった。
「照明。」
男は短く答え、その符をそばの石の欄干に貼りつけた。
符から漏れる金の光は目立ちすぎることなく、しかし暗がりに潜んでいたものを隠れにくくするには十分だった。
美雲には、頭上から奇妙な音が聞こえた。細い糸が一斉に張り詰めるような、古いビデオテープを巻き戻すような低い唸り。
顔を上げる。
石段の上空には、無数の「美雲」がぶら下がっていた。
上を向いているもの、うつ伏せのもの、目を開けたままのもの、口を開いて何かを言おうとしているもの。
どの「彼女」も、いる場所が違う。坂の下まで転げ落ちてしまったものもいれば、中途の空中でひっくり返っているものも、清水の舞台の縁から今まさに足を踏み出したところのものもいる。
その顔には、一つ残らずよく見知った表情が貼りついていた。
惨めで、くたびれていて、でもどこかでまだ――「さっき、もう少しうまくやれたはず」と思っているような顔。
「……なに、これ。」
声が震える。
「あんたがこれまで口にしてきた『もう一回やり直せたら』。」
劉立澄は答える。
「その全部を、あいつが集めて持ってる。」
彼は手を上げた。
掌の上方で、雨粒が一瞬だけ動きを緩める。
「さあ、照明は入った。」
劉立澄は、脈打つように光を明滅させる失敗残形を見据えた。
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