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第三話・錦市場・影を食べる少年(六)
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「出ておいで。」
劉立澄は剣を収め、指先に力を込める。
空中をつまむようにして、薄く貼りついていた膜をそっと引き剥がした。
縮こまっていた核が、影の層から無理やり引きずり出され、皆の目の前に姿を現す。
それは、あの少年と瓜二つだった。ただし、もっと痩せていて、目だけが不自然に大きく、その奥には一切の光がなかった。
店主たち、通行人、観光客、急ぎ足のサラリーマン――誰もが、普段なら決して目にできない光景を目の当たりにしていた。
ひとりの子どもの「見てもらえなかった想い」が、影を食べる怪物に育った姿を。
人垣の後ろから、鋭く息をのむ音が聞こえた。漬物屋の女将だった。彼女は口を押さえ、目を大きく見開いている。店主も固まったように立ち尽くし、手には使いかけのそろばんが握られたままだ。
少年本人も、仰ぎ見るようにその影の自分を見つめ、顔にあからさまな動揺を浮かべていた。
「あれ……だれ?」
声が震えている。
「きみだよ。」
劉立澄は答える。「そして、この通りが、何年もかけて『ちゃんときみを見なかった』結果でもある。」
「見ないで……」
影の子どもの唇が、小さく動いた。「ぼくを、見ないで。」
「きみはずっと、『見てほしい』って言ってたんじゃないのか。」
劉立澄の問いは、静かに場に落ちた。
声は結界の中で柔らかく反響し、誰の耳にも届く。責めるというよりも、重い石を一つ、皆の目の前にそっと置いて、それを見るかどうかを委ねるような響きだった。
「ぼく……」
影の子どもの声は、ようやくひとつの幼い声に戻る。
ゆっくりと顔を上げ、帳簿と客と仕入れにばかり向けられてきた、あの父と母を見る。
「ちゃんと、ぼくのこと見たことある?」
短い一言が、煮崩れた豆腐に竹串を一本差し込んだみたいに、ぐらりと場を揺らした。
空気が数秒、凍りつく。
店主は口を開きかけるが、言葉が喉でつかえた。女将の指は震え、エプロンの端をぎゅっとつかむ。
「私たちは……ずっと、あなたのために――」
いつもの「あなたの将来のために」という言葉が、唇の裏まで出かかって、そこで止まる。
子どもが向けている目を見てしまったからだ。
それは駄々をこねる目でも、甘えている目でも、反抗期の意地でもない。もっと別の色――店の灯りを消したあと、薄暗い店先にひとり座り込み、大人たちの言い争いを聞いているときの目だった。
「今日、あなたたちがぼくを一回見逃すたびに、ぼくは影を一つ余計に食べないといけないんだよ。」
影の子どもは言う。
叫んでも責めてもいない。ただ、事実を述べているだけの声だった。
「あなたたちがぼくを見てくれないから、ぼくはよその人の光を見る。」
女将はとうとう声を上げて泣き出した。
その場に崩れ落ち、涙をぬぐいながら「ごめんね」と何度も繰り返す。店を潰さないこと、帳簿を合わせること、家賃を払うことばかりを考えていれば、子どもは勝手に育つと信じ込んでいたと。わざと見なかったわけじゃない、毎日がいっぱいいっぱいだったのだと。
その言葉で、今すぐ何かが元どおりになるわけではない。
けれど、影の子どもの輪郭は、少しずつほぐれ始めていた。黒い縁取りが細かな粒子になってばらばらとしみ出し、まるでお湯に溶かした濃いお茶のように、じわじわと薄まっていく。その粒はゆっくりと落下し、小さな本来の影へと戻っていった。
少年本人は、その場にぺたんと座り込み、自分の手をじっと見つめている。
「これから、ぼくはちゃんとごはん食べられる?」
ふいに顔を上げ、真剣な目で劉立澄を見つめてきた。
「もちろん。」
劉立澄は答える。「ただ、食べるものを選ぶ練習はしたほうがいい。」
「たとえば?」
「さっきの、たこ焼き。」
綾女が横から口を挟む。いつの間にかどこかの店からまた一舟、たこ焼きをせしめてきたらしい。「それから、泣きながらお母さんが作る最初のお弁当とか。『今日は早じまいして一緒にお祭りの灯りを見に行くか』って、お父さんが初めて言ってくれたときに買ってくれる団子とかね。」
彼女は両親のほうを見やる。
「あなたたちも同じ。」
「これからは、この子を『店の顔』とか『ただのコスト』として見る時間を少し減らして、『一緒にご飯を食べる家族』として見る時間を、ほんの少しでいいから増やしてあげて。」
人々は少しずつ散っていく。店じまいの時間だと言って店に戻る者、子どもの宿題があると言って帰る者。去り際に、何人かの店主が少年の頭をわしゃわしゃと撫でたり、切れ端の果物や小さな駄菓子を手渡したりした。
誰も「もう二度と無視しない」なんて約束はしない。それがどれほど難しいことか、皆分かっているからだ。
だが、さっき見てしまったものを、「見なかったことにする」ことももうできない。
外はすっかり暗くなり、アーケードの外の街灯がひとつ、またひとつと灯る。錦市場のシャッターは下ろされ、喧噪は静まり返り、時折、通りの向こうから聞こえてくる足音だけが残った。
「さっきの陣、けっこう骨が折れたでしょう。」
綾女は、通りの出口近くにある大衆食堂へと彼を連れて行った。
客の姿はほとんどなく、店主はちょうど店じまいの準備をしていたが、綾女の顔を見ると、「まだいいよ」と笑って通してくれた。夜のメニューは絞られていて、ごく普通のものだけが残っている。湯気の立つきつねうどんの鍋。つやつやと煮込まれた牛すじの小皿。黒糖わらび餅の小鉢には、きなこがこんもりと盛られていた。
うどんの出汁は、外の店のように濃くはない。昆布と小魚でじっくり取った、やわらかな味わい。油揚げは汁をたっぷり吸い込み、縁が少し丸まっている。黒糖わらび餅は一口食べるとぷるりとほどけ、舌の上で黒糖の香りがふわっと広がった。
「昨夜のアサリ味噌より、ずっとシンプル。」
劉立澄は出汁をひと口すすり、「でも今日、必要なのはこういうのだな」と言った。
「どういうの?」
「単純で、十分に温かくて、ちゃんと『人が食べるためのもの』。」
彼は箸でうどんを持ち上げて口に運ぶ。「『見えないもの』に見せつけるために並べておく見本じゃなくて。」
綾女はしばらく彼をじっと見ていたが、やがて、ふっと笑った。
「私、やっぱり職業間違えたかな。」
彼女はぽつりと言う。「最近、目に見えないお客さんばっかり、先生に診てもらってる。」
「とても、うまくやってる。」
劉立澄は箸を置いた。「少なくとも、ほとんどの大人より早く気づいてる。たいていの怪異は、自分たちで育てたものだって。」
彼は窓の外へ視線を向ける。
通りは、もうすっかり静まり返っていた。だが、天井の上――彼の目には、さっきよりもはっきりと、細い暗い線が見えている。アーケードに沿って伸びる、かすかな亀裂。さきほど張った陣によって一度は縮んだが、遠くで誰かがそっとつま弾いているかのように、またわずかに震え始めている。
「なにを見てるの。」
綾女もつられて外を眺めるが、夜の闇しか見えない。
「二本目。」
彼は低く呟く。「清水寺の下に一本。ここに一本。」
「……何が?」
「龍脈の、裂け目。」
それ以上は言わず、その言葉を一つの石のように、そっと心の底に沈めた。
山の斜面にぽつんと立つ、あの安定した家に戻ると、門を閉めた途端、京都の夜のざわめきはすべて壁の外に置き去りにされた。
彼は手を洗い、ごく普通のジャスミン茶を一杯淹れ、机に向かって腰を下ろす。
ペン先を紙に落とす。
「三件目:錦市場・影を食べる少年。」
最後の一文字を書き終えたとき、指先がかすかに痺れた。疲れではない。もっと深いところから上がってくる予感のようなものだった。
あの残形たちもまた――誰かがこの街の龍脈の上に、試しにばら撒いてみた、いくつかの種にすぎないのだ。
劉立澄は剣を収め、指先に力を込める。
空中をつまむようにして、薄く貼りついていた膜をそっと引き剥がした。
縮こまっていた核が、影の層から無理やり引きずり出され、皆の目の前に姿を現す。
それは、あの少年と瓜二つだった。ただし、もっと痩せていて、目だけが不自然に大きく、その奥には一切の光がなかった。
店主たち、通行人、観光客、急ぎ足のサラリーマン――誰もが、普段なら決して目にできない光景を目の当たりにしていた。
ひとりの子どもの「見てもらえなかった想い」が、影を食べる怪物に育った姿を。
人垣の後ろから、鋭く息をのむ音が聞こえた。漬物屋の女将だった。彼女は口を押さえ、目を大きく見開いている。店主も固まったように立ち尽くし、手には使いかけのそろばんが握られたままだ。
少年本人も、仰ぎ見るようにその影の自分を見つめ、顔にあからさまな動揺を浮かべていた。
「あれ……だれ?」
声が震えている。
「きみだよ。」
劉立澄は答える。「そして、この通りが、何年もかけて『ちゃんときみを見なかった』結果でもある。」
「見ないで……」
影の子どもの唇が、小さく動いた。「ぼくを、見ないで。」
「きみはずっと、『見てほしい』って言ってたんじゃないのか。」
劉立澄の問いは、静かに場に落ちた。
声は結界の中で柔らかく反響し、誰の耳にも届く。責めるというよりも、重い石を一つ、皆の目の前にそっと置いて、それを見るかどうかを委ねるような響きだった。
「ぼく……」
影の子どもの声は、ようやくひとつの幼い声に戻る。
ゆっくりと顔を上げ、帳簿と客と仕入れにばかり向けられてきた、あの父と母を見る。
「ちゃんと、ぼくのこと見たことある?」
短い一言が、煮崩れた豆腐に竹串を一本差し込んだみたいに、ぐらりと場を揺らした。
空気が数秒、凍りつく。
店主は口を開きかけるが、言葉が喉でつかえた。女将の指は震え、エプロンの端をぎゅっとつかむ。
「私たちは……ずっと、あなたのために――」
いつもの「あなたの将来のために」という言葉が、唇の裏まで出かかって、そこで止まる。
子どもが向けている目を見てしまったからだ。
それは駄々をこねる目でも、甘えている目でも、反抗期の意地でもない。もっと別の色――店の灯りを消したあと、薄暗い店先にひとり座り込み、大人たちの言い争いを聞いているときの目だった。
「今日、あなたたちがぼくを一回見逃すたびに、ぼくは影を一つ余計に食べないといけないんだよ。」
影の子どもは言う。
叫んでも責めてもいない。ただ、事実を述べているだけの声だった。
「あなたたちがぼくを見てくれないから、ぼくはよその人の光を見る。」
女将はとうとう声を上げて泣き出した。
その場に崩れ落ち、涙をぬぐいながら「ごめんね」と何度も繰り返す。店を潰さないこと、帳簿を合わせること、家賃を払うことばかりを考えていれば、子どもは勝手に育つと信じ込んでいたと。わざと見なかったわけじゃない、毎日がいっぱいいっぱいだったのだと。
その言葉で、今すぐ何かが元どおりになるわけではない。
けれど、影の子どもの輪郭は、少しずつほぐれ始めていた。黒い縁取りが細かな粒子になってばらばらとしみ出し、まるでお湯に溶かした濃いお茶のように、じわじわと薄まっていく。その粒はゆっくりと落下し、小さな本来の影へと戻っていった。
少年本人は、その場にぺたんと座り込み、自分の手をじっと見つめている。
「これから、ぼくはちゃんとごはん食べられる?」
ふいに顔を上げ、真剣な目で劉立澄を見つめてきた。
「もちろん。」
劉立澄は答える。「ただ、食べるものを選ぶ練習はしたほうがいい。」
「たとえば?」
「さっきの、たこ焼き。」
綾女が横から口を挟む。いつの間にかどこかの店からまた一舟、たこ焼きをせしめてきたらしい。「それから、泣きながらお母さんが作る最初のお弁当とか。『今日は早じまいして一緒にお祭りの灯りを見に行くか』って、お父さんが初めて言ってくれたときに買ってくれる団子とかね。」
彼女は両親のほうを見やる。
「あなたたちも同じ。」
「これからは、この子を『店の顔』とか『ただのコスト』として見る時間を少し減らして、『一緒にご飯を食べる家族』として見る時間を、ほんの少しでいいから増やしてあげて。」
人々は少しずつ散っていく。店じまいの時間だと言って店に戻る者、子どもの宿題があると言って帰る者。去り際に、何人かの店主が少年の頭をわしゃわしゃと撫でたり、切れ端の果物や小さな駄菓子を手渡したりした。
誰も「もう二度と無視しない」なんて約束はしない。それがどれほど難しいことか、皆分かっているからだ。
だが、さっき見てしまったものを、「見なかったことにする」ことももうできない。
外はすっかり暗くなり、アーケードの外の街灯がひとつ、またひとつと灯る。錦市場のシャッターは下ろされ、喧噪は静まり返り、時折、通りの向こうから聞こえてくる足音だけが残った。
「さっきの陣、けっこう骨が折れたでしょう。」
綾女は、通りの出口近くにある大衆食堂へと彼を連れて行った。
客の姿はほとんどなく、店主はちょうど店じまいの準備をしていたが、綾女の顔を見ると、「まだいいよ」と笑って通してくれた。夜のメニューは絞られていて、ごく普通のものだけが残っている。湯気の立つきつねうどんの鍋。つやつやと煮込まれた牛すじの小皿。黒糖わらび餅の小鉢には、きなこがこんもりと盛られていた。
うどんの出汁は、外の店のように濃くはない。昆布と小魚でじっくり取った、やわらかな味わい。油揚げは汁をたっぷり吸い込み、縁が少し丸まっている。黒糖わらび餅は一口食べるとぷるりとほどけ、舌の上で黒糖の香りがふわっと広がった。
「昨夜のアサリ味噌より、ずっとシンプル。」
劉立澄は出汁をひと口すすり、「でも今日、必要なのはこういうのだな」と言った。
「どういうの?」
「単純で、十分に温かくて、ちゃんと『人が食べるためのもの』。」
彼は箸でうどんを持ち上げて口に運ぶ。「『見えないもの』に見せつけるために並べておく見本じゃなくて。」
綾女はしばらく彼をじっと見ていたが、やがて、ふっと笑った。
「私、やっぱり職業間違えたかな。」
彼女はぽつりと言う。「最近、目に見えないお客さんばっかり、先生に診てもらってる。」
「とても、うまくやってる。」
劉立澄は箸を置いた。「少なくとも、ほとんどの大人より早く気づいてる。たいていの怪異は、自分たちで育てたものだって。」
彼は窓の外へ視線を向ける。
通りは、もうすっかり静まり返っていた。だが、天井の上――彼の目には、さっきよりもはっきりと、細い暗い線が見えている。アーケードに沿って伸びる、かすかな亀裂。さきほど張った陣によって一度は縮んだが、遠くで誰かがそっとつま弾いているかのように、またわずかに震え始めている。
「なにを見てるの。」
綾女もつられて外を眺めるが、夜の闇しか見えない。
「二本目。」
彼は低く呟く。「清水寺の下に一本。ここに一本。」
「……何が?」
「龍脈の、裂け目。」
それ以上は言わず、その言葉を一つの石のように、そっと心の底に沈めた。
山の斜面にぽつんと立つ、あの安定した家に戻ると、門を閉めた途端、京都の夜のざわめきはすべて壁の外に置き去りにされた。
彼は手を洗い、ごく普通のジャスミン茶を一杯淹れ、机に向かって腰を下ろす。
ペン先を紙に落とす。
「三件目:錦市場・影を食べる少年。」
最後の一文字を書き終えたとき、指先がかすかに痺れた。疲れではない。もっと深いところから上がってくる予感のようなものだった。
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