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37.AV鑑賞会になる理由がわからない

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「AVで勃たない? 前は勃ってたのか?」
「勃ってたよ……」

 安田はいったい俺をどういう風に見ているのだろう。脱力した。

「ふーん。じゃあ試してみればいいんじゃねーの?」
「試す?」

 お気に入りのAV動画を出せと安田は言った。なんか女性の好みも知られるようで少しどきどきした。あほか。
 ティッシュとコンドームを用意し、パソコンの前に陣取る男二人。なんというか笑える絵面えづらだ。
 声は高くかわいいかんじが好きだ。胸は……やっぱり大きいのが好きで、ストーリーも平和でらぶらぶなのがいい。いきなりセーラー服の女性とか出てくるとなんだかなぁとは思うけど。

「……智、こんなのでヌけるのか?」

 ヤッているシーンを観ながら、安田が言う。

「うん、前はこれで……」
「へー。ちょっといいか?」

 安田は動画を中断し、別の動画を探し始めた。そして再生されたのは夜の会社で男女が睦み合うもの。そして盗撮されているようなシーンが出、動画を拡散されたくなければ俺たちともしろというような体で複数の男に抱かれる女の姿が映った。バイブなども使われる女性。何故か俺の股間が反応した。

「あっ!?」

 安田がそんな俺自身を握る。

「智、何に感じたんだ?」
「え……? あ……」

 上下にしごかれながらでは何を聞かれているのか判断がつかない。

「なぁ、もしかして女に自分を投影してないか?」

 身体を密着され、耳元で囁くように聞かれた。そんなことはない、と思いたい。

「そ、んなことっ……」
「ま、どうでもいいんじゃねーの? 俺もさっきの動画じゃなんともならなかったしな。それより」

 安田は俺自身をしごきながら時折亀頭を指で揉んだりする。刺激が強いからやめてほしい。

「智に入れたい」

 背筋がぞくぞくした。尻穴がきゅううううん、と収縮する。ヤバい、先に洗っておけばよかった。

「あ、洗ってくる……」
「なぁ、手伝わせてくれないのか?」
「嫌だって言っただろう!」

 洗浄は作業であってプレイじゃない。いいかげん理解してほしかった。

「じゃあ先にイカせてやるよ」
「あっ!」

 安田はそう言うと顔を落とし、俺自身をしごきながら咥えた。

「あっ、んんーっ!」

 AVなんかよりこの絵面の方がよっぽど興奮する。安田は下から俺の反応を見ながら亀頭を吸ったり舐めたりする。俺自身はぐんぐん大きくなりすぐにイッてしまった。

「んんんーーーっっ!!」

 ゴクリと喉が鳴り、俺ははっとした。

「や、安田っ! 飲むなって、吐けよっ! 汚いだろっ!」
「子種が汚いわけないだろ」
「少なくとも飲むもんじゃないだろうがッ!」

 相変わらず安田は取り合わなかった。そのまま俺の尻を揉みはじめたので蹴って逃げた。

「洗ってくるから!」

 そのままイタすなんて冗談じゃない。安田は何がおかしいのか笑っていた。女の子とは違うから雰囲気で身体を許すというシチュエーションにはならない。そりゃあ元々入れるところじゃないし。
 洗浄してタオルを腰に巻いて戻ると安田がスポーツドリンクを飲んでいた。そのまま口付けられ、安田が満足するまで舌を絡めてから奴はシャワーを浴びにいった。そういえば安田も岡も俺に咥えさせたりはしない。俺もできれば男のイチモツなど咥えたくはなかった。
 ベッドにローションやディルドなどを用意し、安田専用のコンドームを探していると奴が戻ってきた。

「智、何探してるんだ?」
「お前のコンドーム」
「ああ、悪い悪い」

 そう言って安田が自分のバッグから箱を取り出す。セーフセックスは基本です。

「ここに一箱置いといてもいいか?」
「いいけど。そうなると岡の家用にも買っとかないと」
「そうだな」

 ムードも何もあったもんじゃない。俺たちは互いに顔を見合わせて笑った。

「なぁ、智。……舐めさせろよ」
「……えええ」

 お互いにベッドに倒れ込み、仰向けの俺の足を持ち上げながら安田が言う。安田が舐めさせろというからには俺自身じゃなくて尻穴だろう。

「キ、キレイなところじゃないし……」
「キレイにしたんだろ? 俺の舌で広げられたくないか?」

 そう言いながらもう安田は俺の股の間に移動していた。

「ヘ、ヘンタイ……」
「今更だろ?」

 女の股を舐めるのはいいが、本来受け入れるところじゃない尻穴を舐めるなんて信じられない。でもそれがとんでもなく気持ちいいから、俺は抵抗しない。

「舐めて、って言ってみろよ」
「そ、そんな……女じゃないし……」
「じゃあ舐めろって、ぐちゃぐちゃにしろって命令してみろ」
「い、意味わかんね……舐めて……」

 舌先でつつかれているとむずむずしてしまう。恥ずかしかったがそれこそ今更なので俺は目を閉じてねだった。
 待ってましたとばかりに、安田の舌が俺の尻穴をべろべろと舐めはじめた。そしてすぐにぐちゅ……と中に入ってくる。
 俺は陶然となった。
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