ノンケなのにアナニー好きな俺が恋をしたら

浅葱

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46.迷惑をかけてはいけません

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 月曜日の朝も例のごとくで。(以下略)
 もう週末は岡の家にお泊りと決まってしまったようなので着替えは置いておくことにした。安田も当り前のようにボストンバッグを預けていった。

「さすがにスーツもう一式揃えるか……」
「じゃあ今度の週末買いに行きます?」
「男三人でか? むさいなぁ」

 電車の中である。岡がふと視線を電車の後方に向けた。そして眉間に皺を寄せる。

「?」
「……中島先輩です。同じ時間なんですね」

 とりあえず同僚の姿を見たくないので身体を動かさずに聞く。

「あっちから見えてるか?」
「すごい形相で睨んでますよ?」
「マジで?」

 粘着系だったのか。こわっ。
 どうせなので下りる時中島を捕まえることにした。こっちはなんとも思ってないというところを見せないとのちのち厄介だ。
 会社の最寄り駅に着くと、俺たちはさっそく行動を起こした。中島が逃げるように飛び出したところを斜め前から回り込むようにして捕まえた。

「よっ、中島。お前も同じ電車だったんだな」
「っ……!? な、長井……」

 中島はあからさまに驚いた顔をしてみせた。こういうところが小物だなと思う。中島はきょろきょろと落ち着かない様子で視線を動かし、岡の姿を捉えた。

「お、岡も……って、また朝からつるんでるとか……」
「プライベートでどんなに仲がよかろうが俺らの勝手だろ? なんなら中島も付き合うか?」
「はっ!? 付き合うってっ?」

 声が裏返っている。いったいどういう誤解をしたのか。

「ジムで筋トレ」
「脳筋かよっ!」
「やだなぁ。デスクワークばっかりじゃ身体なまっちゃうじゃないですか」

 岡が笑って言う。俺たちはそのまま連れ立って会社に向かった。

「の、脳筋とか……女子社員はどう思うんだろうな」
「? 女子がどうかしたのか?」

 どうも中島の頭は朝からお花畑のようだ。と考えて、そういえばもう十二月だなと思い出した。イベントを気にする人は気にするだろう、クリスマスなんてのがある。

「長井は……なんか予定あるのか?」

 ちらちらと向けられる視線がうざい。さりげなく聞いているように装っているつもりだろうが全く装えていないのが滑稽だった。

「んー……クリスマスイヴ? だったら特にないな。今年は平日だろ?」
「その前の週末とか……」

 くどい。

「友達とバカ騒ぎするぐらいかな」

 こんなこと言わせんなよ。岡が呆れているのがわかる。一応表情がバレないように中島から顔をそらしている。

「そっか……じゃあ、会社の女子とかとは……」
「会社の女子がどうしたんだよ? 俺毎年この時期は肩身が狭いんだぞ」

 恋愛脳も過ぎると人様に迷惑をかけるとは聞いたことがあるが……中島は相当だ。俺も内心呆れた。

「そうか……」

 あからさまにほっとしたような顔をする。

「そういう中島は? 予定を入れたいならまだ諦めちゃだめだろ? つってもしつこくしたら嫌われるけどな」
「あ、ああ……そうだな。また相談に乗ってくれよ」
「俺の応えられる範囲ならな~」

 そう言って俺たちは比較的円満に別れた。

「先輩……もしかしてまた桂先輩から愚痴られることになるんじゃ……」
「いやー、さすがにもう桂には声かけないんじゃないか? ほら、岩水(いわみず)に声かけに行ったし」
「岩水先輩って、合コン大好きなんでしたっけ?」
「アイツは合コンが好きなだけだな。それでカップルができるとドヤ顔になるっていう変人だ」
「いろんな人がいますよね」

 こうして俺たちはどうにか難を逃れた。逆恨みほど怖い物はない。やっぱり女子社員に関わるのは鬼門だとしみじみ思った。
 

 月曜日の夜はそのまま家に帰った。何日も空けていた家に帰るととても寒い。遠隔操作できる何かでも買うようだろうか。
 でもな、とも考える。
 もし本当に三人で住むことになったら、そういうのも全く必要ないだろう。

(って、俺はなんで三人で住むことなんかもう考えてるんだよッ!?)

 一人で赤くなったり青くなったりしながらその日は中を洗うだけ洗って寝てしまった。明日の夜はまた安田が来ることになっている。夜更かしするわけにはいかなかった。
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