ノンケなのにアナニー好きな俺が恋をしたら

浅葱

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アナニー好きによる弊害うんぬん(番外編)

クリスマスも三人で(1)

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「高校生がやってきた」の後の話です。
ーーーーーーー


 十二月二十四、二十五日共に平日だった。
 俺はいつも通り出勤し、岡も同様だった。今日の仕事のチェックを改めてする。やはり今日は残業の必要はなさそうだった。岡も同様だったらしく、目が合うと微笑まれた。その笑みにきゅんとしてしまう。俺は相変わらずどれだけ岡が好きなのだろう。

「よっ! 長井」

 声をかけてきたのは中島だった。上機嫌ということは今日過ごす相手を無事ゲットできたのだろう。

「よう」

 中島は両手を合わせて拝むような形をとった。あ、これ面倒なヤツだ。

「長井、頼む!」
「無理。俺は今日ジムに行きたいんだ」
「えー。一時間ぐらい遅れてもいいじゃないか。俺、六時半にはグラン〇ホテルに着いてないとまずいんだよ!」

 グラン〇ホテルってS駅前のか。

「7時にしてもらえよ。死ぬ気でやれば終わるだろ?」
「んな殺生な!」

 きちんとスケジュール立ててやらなかった中島が悪い。

「なー、頼むよー」
「俺に頼んでる暇があるならキリキリ働けっての。時間の無駄だろ」

 往生際が悪い。岡がにこにこしながらやってきた。

「中島先輩、ダメですよ。先輩は今夜僕とジムに行くんですから~」
「どんだけお前ら仲がいいんだよ!」
「身体鍛えるの楽しいですよ。中島先輩もどうですか?」

 岡の目が笑ってない。心にもないことを言っているのは間違いない。

「うっせ、脳筋どもめ!」
「脳筋でけっこう。仕事しろ仕事」

 しっしっと手を振ると中島はしぶしぶ戻っていった。と思ったら他の同僚に声をかけている。本当にどうしようもない奴だなと呆れた。

「岡、すまなかったな」
「いえいえ」

 にこにこしながら岡が自分の席に戻る。定時で帰る為に遊んでいる暇はない。俺はこなすべき案件の順番を考えながら集中した。
 午後の休憩時間に休憩スペースに向かうと、岡が女子社員に声をかけられていた。

「あ、先輩。ちょっといいですか?」
「どうした?」

 よく見ると岡に声をかけていたのは桂たちだった。俺は視野が狭いらしく、周りを意識して見ようとしないと友達でもスルーしてしまったりする。困ったものだ。

「長井君たちってジム通ってるんだって? どこに行ってるの?」

 桂が屈託なく話しかけてきた。通っている場所を教えるのは構わないが、俺たちが通っているのは男性の会員が多いところなのであまり勧めたくはない。

「通うつもりなら俺たちが行ってるところはオススメしない。どちらかといえば男が多いからな」
「え? そうなの? そこのところ詳しく……」

 食いついてきたのは新(あらた)だった。

「恋人探しをしたいって言うならそれはそれで構わないが……身の安全は保証しないぞ?」
「そういうものなの? 更衣室とかは普通に分かれてるんでしょう?」

 桂が首を傾げた。イマイチうちの女子社員は隙がありすぎる。

「そりゃ着替えとかシャワーブースは分かれてるが、中は一緒なわけだしな。男が多いってことはその中に女が来れば目立つ。帰りとか待ち伏せされても知らないぞ」
「こわっ! そういう危険もあるのね」

 桂がぶるりと身を震わせた。

「えー、だったら皆で登録して行く時は複数で行けばいいじゃない」

 新は楽観が過ぎる。俺は嘆息した。

「同数の男が待ってたらどうするんだよ? 男が多いってのはそういうことだからな」
「それはこわい」
「やめようよ」
「……私もこわい、です」

 さすがの新も青くなった。桂と佐藤にも止められてやめることにしたようだ。

「ジムに行こうと思うなら男がそれほど多くないところか女性専用のところにした方がいい」
「うん、長井君ありがとう。私たちが浅慮だったわ」

 桂がはにかんで言う。

「相談しないで決められるよりはいいさ。もう少し気を付けてくれ」
「うん。長井君は優しいね」

 桂が岡に向かって言う。なんで岡なんだろう。岡はにっこりと笑んで同意した。

「ええ、先輩はすごく優しいんですよ。
「……そうよね」

 桂は何故かうんうんと頷いた。それに新と佐藤が同意する。
 全然褒められている気がしないのはなぜだろう。
 予定通り定時に上がり、今日は岡と連れ立ってジムに向かった。安田も昔一度見学に来たことはあったが気に入らなかったらしく他のジムに通っている。

「先輩、これつけてください」
「え? なんだこれ?」

 肌色の丸い絆創膏のようなものを岡に渡されて、俺は岡の顔を見た。

「ニップレスですよ」

 にこにこしながら言われ、俺は固まった。岡が耳元で更に囁く。

「先輩の乳首、誰にも見せたくないんです。つけてくれますよね?」
「あ、ああ……」

 俺は顔が熱くなるのを感じながら、ぎこちない動きで渡されたニップレスをつけた。その上からTシャツを着ればそれほど気にはならない。でも岡たちが乳首開発なんかし始めなければこんなものをつける必要はなかったはずである。俺は岡を睨んだ。
 それに満足そうに微笑まれて、毒気を抜かれてしまう。
 なんだかんだいって岡には惚れているのだ。俺は苦笑するしかなかった。
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