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アナニー好きによる弊害うんぬん(番外編)
クリスマスも三人で(2)
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今夜は岡の家で過ごすことになっている。昨日のうちに下ごしらえをしてくれたとかで、岡が手料理をふるまってくれるというのだ。
岡が手抜きですけど、と言って出してくれる料理だって十分おいしいのだから、気合を入れて作ってくれる料理はどれだけおいしいのだろう。想像しただけで涎が出そうだ。
岡の家に着くと安田が待っていた。コイツは本当にいつ仕事をしているのだろう。
「おう、おかえり」
「ただいま戻りました」
「お邪魔します……」
安田が岡と俺のコートを受け取りハンガーに掛けていく。なんつーか雑なようでいて安田もマメだ。
「やっぱり家で誰かが待ってるっていいですね」
「今日はたまたまだけどなー」
クリスマス・イヴに物件を探しに来る人はあまりいないらしい。なので時間休をとって出迎えてくれたようだ。
「ケーキ買ってきたぞー」
「おー、クリスマスらしいな」
「ホールじゃないからな」
「やっぱ一人ずつがいいよな」
安田とそんなことを言っている間に岡は着替え、夕食の準備を始めた。
「大したものは作っていませんよ?」
そう言いながら用意されたのはビーフシチューに大きな唐揚げ、フライドポテトにシーザーサラダというボリューミーなものだった。
どれも俺の好物である。
「ハンバーグはまた今度作りますね」
「すごいなぁ……」
「胃袋掴まれるはずだよな」
安田と感嘆の声を上げた。
「本当はエビフライとか、カキフライなんかも考えたんですけど、それだと揚げ物ばかりになってしまうので。今度また日を改めて作りますね」
「いやいやいやいや、十分だよ」
「うんうん。智は本当にいい嫁を手に入れたな」
「嫁、なのか?」
「嫁でもいいですよー」
いただきますをしてわいわい言いながら食べる。ホテルで豪華なディナーとかもいいかもしれないが、きっと安田は物足りないだろうし周囲の視線にさらされるのもごめんだ。でも岡に甘えすぎな気がするからどこかで何か企画しようとは思う。
「うまい! ビーフシチューの肉がとろける!」
「唐揚げもうまいぞ!」
俺たちは欠食児童のごとく夕飯を平らげ、食後に岡に紅茶を淹れてもらってケーキまで食べた。もうなんというか大満足である。
「はー、うまかった。もう入らない……」
「すげえうまかった。智の嫁サイコー」
おなかを抱えてソファでだれるトドが二頭。そんな俺らを見ながら岡はくすっと笑った。
「喜んでいただけてよかったです」
「食休みしないとなー……」
そう言って俺はこの日の為に買っておいたプレゼントの存在を思い出した。先に渡せよと自分につっこむ。居住まいをただし、カバンから箱を取り出した。そんな俺の様子を見て安田もごそごそと自分のカバンの中を漁る。本当にムードもへったくれもない同級生だ。
「岡、安田。そんなにいいものじゃないけどプレゼントを用意したんだ。もらってくれるか?」
なんとも照れくさくて笑うような言い方になってしまったが、二人も嬉しそうに笑んでくれた。
「もちろんいただきます!」
「もちろんもらうぜ!」
二人に用意したのは腕時計だった。定番ではあるが、二人と共にずっと一緒にいたいという俺なりの主張だ。二人はそれを理解してくれたらしく、快くつけてくれた。
「普段使いにはちょっともったいないですね」
「仕事が上がったらはめるかんじだな」
そんな二人からのプレゼントは、スーツ一式だった。
「え……これ、けっこう高いんじゃないのか?」
「二人で出したから大したことないぜ」
「企画のプレゼンの日とかに着ていただけたらと思いまして。もちろん、僕たちの前でも」
二人なりにいろいろ考えて用意してくれたスーツは、着心地もいい上質なものだった。いわゆるスリーピースと呼ばれるものである。
「先輩、素敵です……」
岡がうっとりして俺を見る。
「うわ、すっげ押し倒してぇ」
安田の反応はなんなんだ。おかしいだろ。
「……脱ぐぞ」
襲い掛かられてはたまらないのでジャケットのボタンを外そうとしたら、
「先輩、男が服を恋人に送る意味って知ってます?」
岡がやんわりと俺を抱きしめながら耳元で囁いた。
「あー、うん……」
俺は赤くなった。そういえばその服を脱がせたいという意味があったような気がする。
「俺らに脱がさせろよ」
安田がニヤリとする。
丁寧に脱がされて、そこかしこに口づけられ。俺はほうほうの体で身体を洗わせてもらいにいったのだった。
岡が手抜きですけど、と言って出してくれる料理だって十分おいしいのだから、気合を入れて作ってくれる料理はどれだけおいしいのだろう。想像しただけで涎が出そうだ。
岡の家に着くと安田が待っていた。コイツは本当にいつ仕事をしているのだろう。
「おう、おかえり」
「ただいま戻りました」
「お邪魔します……」
安田が岡と俺のコートを受け取りハンガーに掛けていく。なんつーか雑なようでいて安田もマメだ。
「やっぱり家で誰かが待ってるっていいですね」
「今日はたまたまだけどなー」
クリスマス・イヴに物件を探しに来る人はあまりいないらしい。なので時間休をとって出迎えてくれたようだ。
「ケーキ買ってきたぞー」
「おー、クリスマスらしいな」
「ホールじゃないからな」
「やっぱ一人ずつがいいよな」
安田とそんなことを言っている間に岡は着替え、夕食の準備を始めた。
「大したものは作っていませんよ?」
そう言いながら用意されたのはビーフシチューに大きな唐揚げ、フライドポテトにシーザーサラダというボリューミーなものだった。
どれも俺の好物である。
「ハンバーグはまた今度作りますね」
「すごいなぁ……」
「胃袋掴まれるはずだよな」
安田と感嘆の声を上げた。
「本当はエビフライとか、カキフライなんかも考えたんですけど、それだと揚げ物ばかりになってしまうので。今度また日を改めて作りますね」
「いやいやいやいや、十分だよ」
「うんうん。智は本当にいい嫁を手に入れたな」
「嫁、なのか?」
「嫁でもいいですよー」
いただきますをしてわいわい言いながら食べる。ホテルで豪華なディナーとかもいいかもしれないが、きっと安田は物足りないだろうし周囲の視線にさらされるのもごめんだ。でも岡に甘えすぎな気がするからどこかで何か企画しようとは思う。
「うまい! ビーフシチューの肉がとろける!」
「唐揚げもうまいぞ!」
俺たちは欠食児童のごとく夕飯を平らげ、食後に岡に紅茶を淹れてもらってケーキまで食べた。もうなんというか大満足である。
「はー、うまかった。もう入らない……」
「すげえうまかった。智の嫁サイコー」
おなかを抱えてソファでだれるトドが二頭。そんな俺らを見ながら岡はくすっと笑った。
「喜んでいただけてよかったです」
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そう言って俺はこの日の為に買っておいたプレゼントの存在を思い出した。先に渡せよと自分につっこむ。居住まいをただし、カバンから箱を取り出した。そんな俺の様子を見て安田もごそごそと自分のカバンの中を漁る。本当にムードもへったくれもない同級生だ。
「岡、安田。そんなにいいものじゃないけどプレゼントを用意したんだ。もらってくれるか?」
なんとも照れくさくて笑うような言い方になってしまったが、二人も嬉しそうに笑んでくれた。
「もちろんいただきます!」
「もちろんもらうぜ!」
二人に用意したのは腕時計だった。定番ではあるが、二人と共にずっと一緒にいたいという俺なりの主張だ。二人はそれを理解してくれたらしく、快くつけてくれた。
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そんな二人からのプレゼントは、スーツ一式だった。
「え……これ、けっこう高いんじゃないのか?」
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「……脱ぐぞ」
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岡がやんわりと俺を抱きしめながら耳元で囁いた。
「あー、うん……」
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