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アナニーを禁止された俺と恋人たちの日々(続編)
14.嬉し恥ずかしお宅訪問
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「……今日出かけるっつっただろーが」
「悪い悪い。あんま具合がいいからよ」
安田が頭を掻きながら悪びれもせずに言う。少しばかり腰が痛い。気持ちよすぎて調子に乗ったのは俺も一緒なのだが、受ける側の負担が大きいのは間違いない。もっと鍛えないとなとは思った。
慌ただしく岡の家を出て手土産を買う。安田が人数分のケーキを適当に買い、岡は日持ちをする和菓子を買った。
「本当はもっとちゃんとしたのをご用意したいのですが……」
「だからそういうのいいって……」
岡が真面目すぎて困る。つか、いきなりお歳暮みたいなのをもらったら親が困惑するだろーが。なんかコーヒー豆のギフトセットとか見てた気がするから後で注意しておこう。
「岡っておもしれーな」
「お前が言うな」
そんなことを言いながら電車に乗る。俺の実家は最寄りの駅からバスに乗って約二十分かかる。郊外の住宅地の為大学に行くのに不便だった。それで都内の方にマンションを持つ叔父を頼ったのだった。家から通えないわけではなかったが、何せ郊外なので交通費もバカにならなかったのだ。ちなみに安田の実家はもう少し都内に近いところにある。ただ弟妹が多いのでなんだか落ち着かなかった。結局遊びに行ったのは一回きりである。
いつになく緊張している岡を見るのはちょっと楽しい。岡はにこにこしている俺に気づくと、「……夜、楽しみにしててください」などと不穏なことを言い出した。俺は決して悪くないと思う。
最寄りの駅からタクシーに乗った。三人いるのだ。ちんたらバスに乗っていくのは嫌だった。
家の周りは全く変わっていないように見えた。
鍵は持っているが一応呼び鈴を鳴らす。
”はい”
「ただいま」
”今開けるわね”
インターホンに出たのは母だった。けれど。
「おかえりー。鍵持ってるでしょ? って……いらっしゃいませ」
「菜々子、ただいま。店じゃないんだから」
家のドアを開けたのは菜々子だった。前より髪が伸びているように見える。更にかわいくなったようだ。兄としては心配である。
「こんにちは。妹、久しぶりだな。ケーキ買ってきたから後で食おうぜ」
「初めまして」
「こんにちは、どうぞ上がってください」
菜々子は岡を見て不思議そうな顔をしたが、安田からケーキを受け取るとにっこりした。
そのまま台所ではなく居間に通される。すでに父が座っていた。
「やあ、安田君じゃないか。相変わらず大きいねぇ! そちらの方は?」
「おじさん、お久しぶりです」
安田はいいが岡のことを紹介しなくては。
「初めまして、岡と申します。M商事に今年度入社しました。長井先輩にはいつもお世話になっております」
「叔父さんの物件から出ることになったのは知ってるだろ? それで岡のところに住むことになってさ」
「こちらこそ! ってお前岡さんに迷惑をかけて……大丈夫なのか?」
父はいぶかしげな顔をした。まぁ確かにこういう反応が普通だろうな。
「こんにちは。あなた、話は後にしてお客さんに飲み物をお出ししてちょうだい。先にお昼にしましょ」
「そうだった。すまんすまん」
母に叱られた父が慌ててビールを取りにいった。
「慌ただしくてごめんな」
「そんな、いいご家族じゃないですか」
岡がにこにこしながらそう言ってくれる。やがて居間のテーブルがごちそうでいっぱいになり、父の音頭で乾杯をして昼食になった。
母の作る玉子焼きは絶品である。甘じょっぱいその味はまさにお袋の味だ。毎回妹とほぼ取り合いになる。
「母さん、玉子焼きもっとないの?」
「お土産に持たせる分ならあるわよ」
「じゃあいいや」
岡と安田も一切れずつは食べたようである。
「長井家の味はこうなんですね。失礼ですが、味付けなどを教えていただいてもいいですか?」
「あら、お料理されるの?」
「趣味というほどではありませんが。これから同居することになってますし」
「そうね……この子ったら料理音痴というか本当にセンスがなくて。一人暮らしをするっていうから少しは教えたんだけど、本当に何も身に着かなかったのよねぇ。同居なんてかえってご迷惑をかけるんじゃないかと……」
「いえいえ。他の家事はしていただくことになっていますからそれだけでも助かります」
さっそく岡と母が意気投合した。仲がいいのはいいことである。そんな岡を菜々子がじっと見ていた。
「おい、菜々子。さすがに失礼だぞ」
「……うん。いくらなんでもそんなことないわよね……」
レンコンの南蛮漬けを食べながら菜々子が呟く。俺は何も気づいていないフリをした。まさかな。
「悪い悪い。あんま具合がいいからよ」
安田が頭を掻きながら悪びれもせずに言う。少しばかり腰が痛い。気持ちよすぎて調子に乗ったのは俺も一緒なのだが、受ける側の負担が大きいのは間違いない。もっと鍛えないとなとは思った。
慌ただしく岡の家を出て手土産を買う。安田が人数分のケーキを適当に買い、岡は日持ちをする和菓子を買った。
「本当はもっとちゃんとしたのをご用意したいのですが……」
「だからそういうのいいって……」
岡が真面目すぎて困る。つか、いきなりお歳暮みたいなのをもらったら親が困惑するだろーが。なんかコーヒー豆のギフトセットとか見てた気がするから後で注意しておこう。
「岡っておもしれーな」
「お前が言うな」
そんなことを言いながら電車に乗る。俺の実家は最寄りの駅からバスに乗って約二十分かかる。郊外の住宅地の為大学に行くのに不便だった。それで都内の方にマンションを持つ叔父を頼ったのだった。家から通えないわけではなかったが、何せ郊外なので交通費もバカにならなかったのだ。ちなみに安田の実家はもう少し都内に近いところにある。ただ弟妹が多いのでなんだか落ち着かなかった。結局遊びに行ったのは一回きりである。
いつになく緊張している岡を見るのはちょっと楽しい。岡はにこにこしている俺に気づくと、「……夜、楽しみにしててください」などと不穏なことを言い出した。俺は決して悪くないと思う。
最寄りの駅からタクシーに乗った。三人いるのだ。ちんたらバスに乗っていくのは嫌だった。
家の周りは全く変わっていないように見えた。
鍵は持っているが一応呼び鈴を鳴らす。
”はい”
「ただいま」
”今開けるわね”
インターホンに出たのは母だった。けれど。
「おかえりー。鍵持ってるでしょ? って……いらっしゃいませ」
「菜々子、ただいま。店じゃないんだから」
家のドアを開けたのは菜々子だった。前より髪が伸びているように見える。更にかわいくなったようだ。兄としては心配である。
「こんにちは。妹、久しぶりだな。ケーキ買ってきたから後で食おうぜ」
「初めまして」
「こんにちは、どうぞ上がってください」
菜々子は岡を見て不思議そうな顔をしたが、安田からケーキを受け取るとにっこりした。
そのまま台所ではなく居間に通される。すでに父が座っていた。
「やあ、安田君じゃないか。相変わらず大きいねぇ! そちらの方は?」
「おじさん、お久しぶりです」
安田はいいが岡のことを紹介しなくては。
「初めまして、岡と申します。M商事に今年度入社しました。長井先輩にはいつもお世話になっております」
「叔父さんの物件から出ることになったのは知ってるだろ? それで岡のところに住むことになってさ」
「こちらこそ! ってお前岡さんに迷惑をかけて……大丈夫なのか?」
父はいぶかしげな顔をした。まぁ確かにこういう反応が普通だろうな。
「こんにちは。あなた、話は後にしてお客さんに飲み物をお出ししてちょうだい。先にお昼にしましょ」
「そうだった。すまんすまん」
母に叱られた父が慌ててビールを取りにいった。
「慌ただしくてごめんな」
「そんな、いいご家族じゃないですか」
岡がにこにこしながらそう言ってくれる。やがて居間のテーブルがごちそうでいっぱいになり、父の音頭で乾杯をして昼食になった。
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「そうね……この子ったら料理音痴というか本当にセンスがなくて。一人暮らしをするっていうから少しは教えたんだけど、本当に何も身に着かなかったのよねぇ。同居なんてかえってご迷惑をかけるんじゃないかと……」
「いえいえ。他の家事はしていただくことになっていますからそれだけでも助かります」
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