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五一、重新愛上了他(惚れ直す)
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帰ってきてみな少しは休めたようである。夕食時、偉仁は思った通り王府から戻ってはこなかった。本来ならもっと早く帰ってこれたはずである。だがこの時に皇帝を退位させると決めていたならば、仕事が山積みになってしまうのも仕方ないことかもしれなかった。
「明玲、少しは休めたのかしら?」
「趙姐、おかげさまでゆっくり休めました」
「それならよかったわ」
趙山琴がにっこりする。
「さすがに長かったから……疲れがなかなか取れないわ。明日もゆっくりしましょうね」
「はい」
妾妃たちと共に返事をする。助かった、と明玲は思った。けれど。
「明玲、明日は午後からでもいいからしっかり復習はしておきなさいね。明後日からはまた始めるわよ」
「……は、はい……」
実質休めるのは明日の午前中までのようだ。明玲は内心涙を流した。礼儀作法を学ぶのが嫌いなわけではない。ただ、あと一日ぐらい休みたかっただけである。でもそれはきっと明々後日から始めると言われても同じ反応をしたのだろうと想像できるので、諦めが肝心だった。
嫌だなと思いながら部屋に戻る。すでに曹梅花は与えられた部屋に引き上げていた。
「明日はお休みですか」
「一応ね。でも午後から礼儀作法の復習はしなければならないわ」
「そうですね。それがよろしいかと」
周梨が味方になってくれるなんてことはまずない。
「しかし……梅花もですか……私一人では手が足りませんね」
珍しく周梨が考えるような顔をした。それならば復習の時間を短縮してくれたりはしないだろうかと明玲は思ったが、そううまいこといかないのが世の常である。
「奥様のところから一人借りて参りましょう」
明玲はひどくがっかりした。正直言って、やりたくない。
「明玲様、明日は少なくとも顔には出さないようにしてください」
「はい……」
そんなに顔に出ていただろうか。明玲は両頬を手で挟んだ。
(勉強がしたくないわけじゃないの。ただ……もう何日か……)
そんなことを思いながら視線を遠くにやった。偉仁はまだ王府から戻ってこない。哥の仕事が多いのは自業自得だ。でも、哥は領民の為に働いている。明玲は、自分はどうだろうと考えた。
(……私は、何もしていないわ)
自分が今市井に放り出されたらきっと一日とて生きていけないかもしれない。明玲にはほとんど自由がない。その代わり明玲は守られている。世の中には食べることにも困る者がいるのだと哥は教えてくれた。服もぼろぼろで、住むところがあるかどうかも定かではない。そのような者を王領でも見かけたことがある。
「……なかなかなくならぬものだな……」
哥がいつか、情けなさそうに言っていたことを思い出した。あれは、道端に座ってぼろぼろの碗を持ち上げていた者を見て言ったのだ。あれは討飯というのだと、哥はその碗に銭を落としていった。遠い世界の者のように映った彼らは、決して他人事ではないのだと哥は教えてくれた。
(礼儀作法ぐらい、真面目にやらなくちゃ……)
少しでも自分ができることをしなければと、明玲は思いを新たにする。老師はいつからまた来てくれるだろうか。せめて哥の足を引っ張らないよう学べることは学ばなくては。
そんな明玲を、周梨は微笑ましいものを見るように優しく眺めていた。
その夜、偉仁は帰ってこなかった。王府に寝泊まりして、できるだけ仕事を終わらせていたようである。そんな偉仁を、明玲はとても好きだと思ったのだった。
「明玲、少しは休めたのかしら?」
「趙姐、おかげさまでゆっくり休めました」
「それならよかったわ」
趙山琴がにっこりする。
「さすがに長かったから……疲れがなかなか取れないわ。明日もゆっくりしましょうね」
「はい」
妾妃たちと共に返事をする。助かった、と明玲は思った。けれど。
「明玲、明日は午後からでもいいからしっかり復習はしておきなさいね。明後日からはまた始めるわよ」
「……は、はい……」
実質休めるのは明日の午前中までのようだ。明玲は内心涙を流した。礼儀作法を学ぶのが嫌いなわけではない。ただ、あと一日ぐらい休みたかっただけである。でもそれはきっと明々後日から始めると言われても同じ反応をしたのだろうと想像できるので、諦めが肝心だった。
嫌だなと思いながら部屋に戻る。すでに曹梅花は与えられた部屋に引き上げていた。
「明日はお休みですか」
「一応ね。でも午後から礼儀作法の復習はしなければならないわ」
「そうですね。それがよろしいかと」
周梨が味方になってくれるなんてことはまずない。
「しかし……梅花もですか……私一人では手が足りませんね」
珍しく周梨が考えるような顔をした。それならば復習の時間を短縮してくれたりはしないだろうかと明玲は思ったが、そううまいこといかないのが世の常である。
「奥様のところから一人借りて参りましょう」
明玲はひどくがっかりした。正直言って、やりたくない。
「明玲様、明日は少なくとも顔には出さないようにしてください」
「はい……」
そんなに顔に出ていただろうか。明玲は両頬を手で挟んだ。
(勉強がしたくないわけじゃないの。ただ……もう何日か……)
そんなことを思いながら視線を遠くにやった。偉仁はまだ王府から戻ってこない。哥の仕事が多いのは自業自得だ。でも、哥は領民の為に働いている。明玲は、自分はどうだろうと考えた。
(……私は、何もしていないわ)
自分が今市井に放り出されたらきっと一日とて生きていけないかもしれない。明玲にはほとんど自由がない。その代わり明玲は守られている。世の中には食べることにも困る者がいるのだと哥は教えてくれた。服もぼろぼろで、住むところがあるかどうかも定かではない。そのような者を王領でも見かけたことがある。
「……なかなかなくならぬものだな……」
哥がいつか、情けなさそうに言っていたことを思い出した。あれは、道端に座ってぼろぼろの碗を持ち上げていた者を見て言ったのだ。あれは討飯というのだと、哥はその碗に銭を落としていった。遠い世界の者のように映った彼らは、決して他人事ではないのだと哥は教えてくれた。
(礼儀作法ぐらい、真面目にやらなくちゃ……)
少しでも自分ができることをしなければと、明玲は思いを新たにする。老師はいつからまた来てくれるだろうか。せめて哥の足を引っ張らないよう学べることは学ばなくては。
そんな明玲を、周梨は微笑ましいものを見るように優しく眺めていた。
その夜、偉仁は帰ってこなかった。王府に寝泊まりして、できるだけ仕事を終わらせていたようである。そんな偉仁を、明玲はとても好きだと思ったのだった。
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