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五二、不一样(違う)
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翌日の午後、周梨と趙山琴付の女官によって明玲と曹梅花は礼儀作法を見てもらっていた。
やはり毎日身体を動かしていないと細かい動きなどは忘れてしまう。厳しい指導に明玲と梅花は泣きそうだったがどうにかやりきった。終った後、ぐったりと長椅子にもたれかかるようにして腰かけている明玲を、周梨は冷たい目で眺めた。そんな目で見られても疲れたのだ。梅花もなんともだるそうである。
「あれぐらいで情けない。しっかりなさいませ」
「今は無理……」
明玲が甘えている自覚は大いにある。明日からまた趙山琴に厳しく指導されるのかと思ったら意味もなく大声を出したくなった。が、どうにかこらえた。さすがに周梨から説教されるのはごめんだった。
その日も偉仁は夕飯に間に合わなかった。
「今日は休ませてもらって……悪いことをしたわね。明日からまたしっかり学びましょうね」
夕食時に山琴がにっこりして言う。一日と言わず何日でも休んでくれてかまわないのに、と明玲は思う。昨日の決意はどこにいったのか。そんなものは虎に食わせてしまえばいいのである。
「はい、よろしくご指導ください」
明玲は引きつった笑みを浮かべて返事をした。それに山琴は満足そうに頷いた。
「王の妻としての自覚が出てきて何よりだわ。公的な行事については参加はさせられないけれど、私的な集まりには出てもらおうかしら」
「……え……趙姐、それはどういう……」
「趙姐、失礼ですがそれは明玲様が嫁がれてからの話ということでよろしいですか?」
令妃が助け船を出してくれた。明玲は目礼する。
「ええもちろん。正式に嫁げばいろいろ顔を出す機会もあるでしょう? 貴女たちはともかく明玲は違うのだから」
「そうですね」
妾妃たちがみな訳知り顔で頷いた。
(違うって……何が違うというのかしら?)
尋ねたかったがどうもそうはできない雰囲気があり、明玲はもやもやしたまま部屋に戻った。
「周梨」
「なんでしょう」
「私と、他の妾妃様たちとの違いって何?」
周梨はあからさまに嘆息した。
「……わかってて言ってらっしゃる……わけはないですね。お教えしなかった私も悪いのですけれども……いえ、これはまだだめです」
周梨はわけがわからないことをぶつぶつと呟くと、明玲をまっすぐ見た。
「明玲様、それは明玲様が正式に王に嫁がれてから知ることです。今はまだそれをお教えすることはできません」
「……わかったわ」
きっぱりと言われてしまっては更に聞くことは憚られた。
「いいですか。妾妃様方にも聞いてはなりません。彼女たちは明玲様にそれを話す権利は与えられていません。ですので困らせないようにしてください」
「……はい」
他の人に聞いてもいけないらしい。明玲の頭の中はもう?でいっぱいだった。ここまで言われてしまっては山琴は教えてくれないだろうし、哥に聞けたところで答えてくれるとは思えない。そもそもそれらの差配をするのは偉仁ではない。梅花の顔が一瞬浮かんだがすぐに消えた。梅花が知っているはずがないのだ。
どちらにせよ今はまだ教えてもらえないというのならば忘れてしまうに限る。
「哥に嫁いだらわかるのかしら?」
「話はされるはずです」
「なら……今は聞かなかったことにしておくわ」
「それがよろしいかと」
しれっと周梨が言い、湯浴みに行く準備を始めた。今夜も哥は帰ってこないのだろうか。早く仕事が終わることを明玲は祈った。
やはり毎日身体を動かしていないと細かい動きなどは忘れてしまう。厳しい指導に明玲と梅花は泣きそうだったがどうにかやりきった。終った後、ぐったりと長椅子にもたれかかるようにして腰かけている明玲を、周梨は冷たい目で眺めた。そんな目で見られても疲れたのだ。梅花もなんともだるそうである。
「あれぐらいで情けない。しっかりなさいませ」
「今は無理……」
明玲が甘えている自覚は大いにある。明日からまた趙山琴に厳しく指導されるのかと思ったら意味もなく大声を出したくなった。が、どうにかこらえた。さすがに周梨から説教されるのはごめんだった。
その日も偉仁は夕飯に間に合わなかった。
「今日は休ませてもらって……悪いことをしたわね。明日からまたしっかり学びましょうね」
夕食時に山琴がにっこりして言う。一日と言わず何日でも休んでくれてかまわないのに、と明玲は思う。昨日の決意はどこにいったのか。そんなものは虎に食わせてしまえばいいのである。
「はい、よろしくご指導ください」
明玲は引きつった笑みを浮かべて返事をした。それに山琴は満足そうに頷いた。
「王の妻としての自覚が出てきて何よりだわ。公的な行事については参加はさせられないけれど、私的な集まりには出てもらおうかしら」
「……え……趙姐、それはどういう……」
「趙姐、失礼ですがそれは明玲様が嫁がれてからの話ということでよろしいですか?」
令妃が助け船を出してくれた。明玲は目礼する。
「ええもちろん。正式に嫁げばいろいろ顔を出す機会もあるでしょう? 貴女たちはともかく明玲は違うのだから」
「そうですね」
妾妃たちがみな訳知り顔で頷いた。
(違うって……何が違うというのかしら?)
尋ねたかったがどうもそうはできない雰囲気があり、明玲はもやもやしたまま部屋に戻った。
「周梨」
「なんでしょう」
「私と、他の妾妃様たちとの違いって何?」
周梨はあからさまに嘆息した。
「……わかってて言ってらっしゃる……わけはないですね。お教えしなかった私も悪いのですけれども……いえ、これはまだだめです」
周梨はわけがわからないことをぶつぶつと呟くと、明玲をまっすぐ見た。
「明玲様、それは明玲様が正式に王に嫁がれてから知ることです。今はまだそれをお教えすることはできません」
「……わかったわ」
きっぱりと言われてしまっては更に聞くことは憚られた。
「いいですか。妾妃様方にも聞いてはなりません。彼女たちは明玲様にそれを話す権利は与えられていません。ですので困らせないようにしてください」
「……はい」
他の人に聞いてもいけないらしい。明玲の頭の中はもう?でいっぱいだった。ここまで言われてしまっては山琴は教えてくれないだろうし、哥に聞けたところで答えてくれるとは思えない。そもそもそれらの差配をするのは偉仁ではない。梅花の顔が一瞬浮かんだがすぐに消えた。梅花が知っているはずがないのだ。
どちらにせよ今はまだ教えてもらえないというのならば忘れてしまうに限る。
「哥に嫁いだらわかるのかしら?」
「話はされるはずです」
「なら……今は聞かなかったことにしておくわ」
「それがよろしいかと」
しれっと周梨が言い、湯浴みに行く準備を始めた。今夜も哥は帰ってこないのだろうか。早く仕事が終わることを明玲は祈った。
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