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六四、私房話(夫婦間の話)
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どういうわけかその後も偉仁は明玲を抱き上げて離れに戻った。もう自分で歩けると主張したのだが、何故か不思議そうな顔をされた。
「妻を抱き上げるのは夫の務めだ」
「そんなの聞いたことありません!」
なんだか哥が別の人になってしまったようにも思える。明玲は少し不安になった。明玲を抱いたことで哥がへんな人になったとは思いたくなかった。だがもしかしたら、という可能性も否めない。明玲は今ほど趙山琴に会いたいと思ったことはなかった。
侍女たちによって食べ物が運び込まれる。食堂には行かないようだった。前菜に麺、そして主菜などが大きめの卓と共に運び込まれた。(離れの部屋は一室の為小さな卓しかない)ここまでするのかと明玲は目を丸くした。
「他に食べたいものがあれば言うように」
椅子は一脚しかない。おかげで明玲は床に腰かけて食事をすることになった。なんだか今朝から疑問に思うことが多い。朝食にしては肉類が多いのが明玲は気になったので、「少し野菜がほしいです」と言ったらこの時期にしては珍しく青菜の炒め物が出てきた。ありがたいことだと明玲は大事にいただいた。
食べ終えると食器と共に卓が運び出された。毎食こんなことをするのだろうかと明玲は呆れてしまった。が、いくらなんでも今朝だけのことだろうと思い直した。
偉仁が明玲の隣に腰かけ、額に、頬にと軽く口づけていく。そのまま床に再び押し倒されて、明玲はさすがにおかしいと思った。
「哥……! あの……」
「もう少し休むか」
「は、はい……」
そう言いながらも偉仁は離してくれない。こんな至近距離で愛しそうに見つめられたら胸が高鳴ってしまうから少し離れてほしかった。
「哥……あのぅ……」
「如何かしたか?」
いつ自分たちはこの部屋から出るのだろう。
「今日は、その……このままなのですか?」
「……明玲、そなた聞いていないのか?」
なんのことだろうと明玲は首を傾げた。
「哥?」
偉仁が苦笑する。そしてまた額にちゅ、と口づけた。また明玲の顔が赤く染まる。
「明玲、そなたは私の妻となった」
「……はい」
顔に熱が上がる。
「結婚した後は何日か籠って子作りをするものだ」
「……あ……」
今がその期間だというのだろう。
「え、ええと……その期間って……」
偉仁がニヤリとする。
「元宵までだ」
「……え……えええ!?」
正月に皇城にいて、翌日には皇都を出た。二日かけて王領へ戻り、一日休んだか休まないうちに結婚式をした。そう考えると少なくとも今日を入れて約八日間は偉仁と籠ることになる。(元宵節は正月十五日、日本でいう小正月のこと)
「元宵までって……」
そこまで言って、明玲は思い出した。
「哥……でも趙姐の時とか他の妾妃様たちの時は……」
「……あの頃は時間が取れなかった故な」
にっこりと笑んで偉仁が答えた。なんだかとても嘘くさく感じられて明玲は怪訝な顔をした。当時をしっかり覚えているわけではないが、そんなに忙しかっただろうか。趙山琴が嫁いできた時明玲はとてもショックを受けたが、何日も偉仁たちが出てこなかったという記憶はなかった。でもあの頃だってそんなに忙しそうには見えなかったと思う。
「明玲、愛している……」
「哥……」
口唇を覆われる。なんだかごまかされている気がしてならなかったが、明玲が哥にかなうわけがないのだ。哥が自分に無体なことをするはずがないと信じているが故に、明玲は追及を諦めてそっと瞼を閉じた。
まだ明るい時間だとか、そんなことはもう頭から消え失せていた。
「妻を抱き上げるのは夫の務めだ」
「そんなの聞いたことありません!」
なんだか哥が別の人になってしまったようにも思える。明玲は少し不安になった。明玲を抱いたことで哥がへんな人になったとは思いたくなかった。だがもしかしたら、という可能性も否めない。明玲は今ほど趙山琴に会いたいと思ったことはなかった。
侍女たちによって食べ物が運び込まれる。食堂には行かないようだった。前菜に麺、そして主菜などが大きめの卓と共に運び込まれた。(離れの部屋は一室の為小さな卓しかない)ここまでするのかと明玲は目を丸くした。
「他に食べたいものがあれば言うように」
椅子は一脚しかない。おかげで明玲は床に腰かけて食事をすることになった。なんだか今朝から疑問に思うことが多い。朝食にしては肉類が多いのが明玲は気になったので、「少し野菜がほしいです」と言ったらこの時期にしては珍しく青菜の炒め物が出てきた。ありがたいことだと明玲は大事にいただいた。
食べ終えると食器と共に卓が運び出された。毎食こんなことをするのだろうかと明玲は呆れてしまった。が、いくらなんでも今朝だけのことだろうと思い直した。
偉仁が明玲の隣に腰かけ、額に、頬にと軽く口づけていく。そのまま床に再び押し倒されて、明玲はさすがにおかしいと思った。
「哥……! あの……」
「もう少し休むか」
「は、はい……」
そう言いながらも偉仁は離してくれない。こんな至近距離で愛しそうに見つめられたら胸が高鳴ってしまうから少し離れてほしかった。
「哥……あのぅ……」
「如何かしたか?」
いつ自分たちはこの部屋から出るのだろう。
「今日は、その……このままなのですか?」
「……明玲、そなた聞いていないのか?」
なんのことだろうと明玲は首を傾げた。
「哥?」
偉仁が苦笑する。そしてまた額にちゅ、と口づけた。また明玲の顔が赤く染まる。
「明玲、そなたは私の妻となった」
「……はい」
顔に熱が上がる。
「結婚した後は何日か籠って子作りをするものだ」
「……あ……」
今がその期間だというのだろう。
「え、ええと……その期間って……」
偉仁がニヤリとする。
「元宵までだ」
「……え……えええ!?」
正月に皇城にいて、翌日には皇都を出た。二日かけて王領へ戻り、一日休んだか休まないうちに結婚式をした。そう考えると少なくとも今日を入れて約八日間は偉仁と籠ることになる。(元宵節は正月十五日、日本でいう小正月のこと)
「元宵までって……」
そこまで言って、明玲は思い出した。
「哥……でも趙姐の時とか他の妾妃様たちの時は……」
「……あの頃は時間が取れなかった故な」
にっこりと笑んで偉仁が答えた。なんだかとても嘘くさく感じられて明玲は怪訝な顔をした。当時をしっかり覚えているわけではないが、そんなに忙しかっただろうか。趙山琴が嫁いできた時明玲はとてもショックを受けたが、何日も偉仁たちが出てこなかったという記憶はなかった。でもあの頃だってそんなに忙しそうには見えなかったと思う。
「明玲、愛している……」
「哥……」
口唇を覆われる。なんだかごまかされている気がしてならなかったが、明玲が哥にかなうわけがないのだ。哥が自分に無体なことをするはずがないと信じているが故に、明玲は追及を諦めてそっと瞼を閉じた。
まだ明るい時間だとか、そんなことはもう頭から消え失せていた。
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