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両片思い?⑥
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1月5日、この日は健生達が働いている『三國紙器(ミクニシキ)』の仕事初めの日にあたる。
何かと慌ただしかった年末も、仕事の納めの28日にはきちんと終わり、年末の挨拶を済ませた後休みに入った。
健生と林は他の同僚も交えた仲間内の忘年会をして別れ、休み中には年始の挨拶をスマホ上のメッセージでやりとりしただけで、新年、顔を合わせたのは仕事初めの5日が初だった。
昼休憩の後、喫煙スペースに移動した時だった。
「やるよ。お前には世話になってっから。」
「へ?なにこのウサギ・・・」
健生が、ポケットから取り出したものをテーブルに置いた。
淡いピンク色の陶器のウサギが林に差し出されていた。手のひらにのるような小さなウサギで、たいへん可愛らしい。
「中におみくじ入ってる。」
「は?」
「俺は白いウサギを金井さんとお揃いで持ってる。初詣一緒に行って、一緒に買った!」
「お前、金井さんと一緒に初詣行ったの?」
どうやら林の知らない間に、また一歩、関係を縮めていたようだ。
事後報告なことが、少し寂しい。
「行った!!金井さんが行きたいって言ったウサギ祀ってる隣の県の神社まで行った!!俺、車出したんだけど、お礼にって食事代と神社で交通安全のお守り買ってくれた!!」
「もう付き合ってる距離感じゃん!!」
思った以上に親密になっている。普通だったら両思い確定と言ってもいい。
隣の県まで一緒に初詣に行く友人など、そうはいない。
「うん。俺もそんな気分だった・・・。」
「やっぱ付き合ってはねぇんだ・・・。片思いで年跨いだじゃん。」
こういう、付き合ってはいないけど周りから見たらカップル同然な時期というのも、恋愛の醍醐味なのかもしれない。
大人になっても甘酸っぱく、いかにも恋をしているという空気がある。
ただ、歳の離れた同性同士だと周りから見てカップル同然かどうかはよく分からない。
林は、結局、旧年中に金井の姿を見ることは叶わなかった。結構な心残りだ。
営業の美作に、金井が来る時には教えてほしいと伝えているので、今年こそは一目でも良いからおがみたい。
「本人、横にいるのに恋愛成就お願いした。」
年末には、告白するような口ぶりだったが、きっとまだ言えてないのだろう。
強気かと思えばビビりで繊細なのだ。この男は。
ときおりサイコ味もあるが。
「それは、ご利益ありそうじゃね?」
ウサギを祀ってる神社が隣の県の何処なのかは、林には分からないが、なかなかの遠出のはずだ。
まず、その時点で普通の友人ではないと言っていい。
「そうか?俺さ・・・日付かわる前に、こっち出て夜中の高速走ってる間に新年迎えたのは、何か嬉しかった。年変わる瞬間に好きな相手と一緒って、すっげぇ特別な感じだろ?」
「!!!初詣って、深夜?」
「あぁ、言い出したのは俺だけど、金井さんがOKしてくれた♡」
「えっ、マジ!?いや、もう付き合ってんじゃん!!両思いじゃん!!なんで、お前、片思いしてんの?」
そんなの絶対、友人の距離感じゃない。
深夜の二人きりの外出なんて、普通の人間なら誘われた時に、恋愛的アプローチを感じるだろうし、それをOKしたなら同じ気持ちだと言うことでは?
「・・・俺もそう思う時ある・・・けど、金井さんが大人で優しいから、俺に対してだけ特別なのか誰にでもそうなのか判別できねぇ・・・。」
去年の年末、二人が美作から仕入れた金井の情報は、
『34歳、独身、ただしバツイチ。離婚原因は奥さんの浮気。子供はいない。』
だった。
何かと慌ただしかった年末も、仕事の納めの28日にはきちんと終わり、年末の挨拶を済ませた後休みに入った。
健生と林は他の同僚も交えた仲間内の忘年会をして別れ、休み中には年始の挨拶をスマホ上のメッセージでやりとりしただけで、新年、顔を合わせたのは仕事初めの5日が初だった。
昼休憩の後、喫煙スペースに移動した時だった。
「やるよ。お前には世話になってっから。」
「へ?なにこのウサギ・・・」
健生が、ポケットから取り出したものをテーブルに置いた。
淡いピンク色の陶器のウサギが林に差し出されていた。手のひらにのるような小さなウサギで、たいへん可愛らしい。
「中におみくじ入ってる。」
「は?」
「俺は白いウサギを金井さんとお揃いで持ってる。初詣一緒に行って、一緒に買った!」
「お前、金井さんと一緒に初詣行ったの?」
どうやら林の知らない間に、また一歩、関係を縮めていたようだ。
事後報告なことが、少し寂しい。
「行った!!金井さんが行きたいって言ったウサギ祀ってる隣の県の神社まで行った!!俺、車出したんだけど、お礼にって食事代と神社で交通安全のお守り買ってくれた!!」
「もう付き合ってる距離感じゃん!!」
思った以上に親密になっている。普通だったら両思い確定と言ってもいい。
隣の県まで一緒に初詣に行く友人など、そうはいない。
「うん。俺もそんな気分だった・・・。」
「やっぱ付き合ってはねぇんだ・・・。片思いで年跨いだじゃん。」
こういう、付き合ってはいないけど周りから見たらカップル同然な時期というのも、恋愛の醍醐味なのかもしれない。
大人になっても甘酸っぱく、いかにも恋をしているという空気がある。
ただ、歳の離れた同性同士だと周りから見てカップル同然かどうかはよく分からない。
林は、結局、旧年中に金井の姿を見ることは叶わなかった。結構な心残りだ。
営業の美作に、金井が来る時には教えてほしいと伝えているので、今年こそは一目でも良いからおがみたい。
「本人、横にいるのに恋愛成就お願いした。」
年末には、告白するような口ぶりだったが、きっとまだ言えてないのだろう。
強気かと思えばビビりで繊細なのだ。この男は。
ときおりサイコ味もあるが。
「それは、ご利益ありそうじゃね?」
ウサギを祀ってる神社が隣の県の何処なのかは、林には分からないが、なかなかの遠出のはずだ。
まず、その時点で普通の友人ではないと言っていい。
「そうか?俺さ・・・日付かわる前に、こっち出て夜中の高速走ってる間に新年迎えたのは、何か嬉しかった。年変わる瞬間に好きな相手と一緒って、すっげぇ特別な感じだろ?」
「!!!初詣って、深夜?」
「あぁ、言い出したのは俺だけど、金井さんがOKしてくれた♡」
「えっ、マジ!?いや、もう付き合ってんじゃん!!両思いじゃん!!なんで、お前、片思いしてんの?」
そんなの絶対、友人の距離感じゃない。
深夜の二人きりの外出なんて、普通の人間なら誘われた時に、恋愛的アプローチを感じるだろうし、それをOKしたなら同じ気持ちだと言うことでは?
「・・・俺もそう思う時ある・・・けど、金井さんが大人で優しいから、俺に対してだけ特別なのか誰にでもそうなのか判別できねぇ・・・。」
去年の年末、二人が美作から仕入れた金井の情報は、
『34歳、独身、ただしバツイチ。離婚原因は奥さんの浮気。子供はいない。』
だった。
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