偽りの愛に囚われた私と、彼が隠した秘密の財産〜最低義母が全てを失う日

紅葉山参

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断罪の宣告、女王の追放

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 アイコさんの部屋から、激しい怒鳴り声が響いてくる。キョーヘー様が、母親を問い詰めているのだろう。その声は、私が今まで聞いたことのない、キョーヘーの荒々しい声だった。

「どういうことだ、母さん!これを説明してくれ‼」

 キョーヘー様の声に、アイコさんの甲高い悲鳴が混じる。

「キョーヘー……これは、ユリネの嘘よ!この子は、あなたから私を遠ざけようとしているのよ‼」

 アイコさんは、最後まで、自分を守ろうと、私を悪者に仕立て上げようとする。しかし、キョーヘー様は、私の言葉を信じている。

「嘘ではない!この書類は、君の口座への振り込みを証明している。そして、この金庫の鍵を、君が持っていたことも知っている‼」

 二人の言い争いは、しばらく続いた。私は、リビングのソファで、ただ静かにその音を聞いている。キョーヘー様が、私のために、アイコさんと戦ってくれている。その事実だけで、私の心は満たされた。

 やがて、扉が開く音がし、キョーヘー様が、アイコさんを連れてリビングに戻ってきた。アイコさんは、顔を真っ青にし、憔悴しきった様子だった。

「ユリネ……」

 キョーヘー様は、私の手を握り、静かに言った。

「全て、母さんのやったことだと認めた。彼女は、僕の目を盗んで、君のために貯めていた財産に手をつけていた」

 私は、アイコさんを真っ直ぐに見つめた。彼女は、私から視線を逸らす。

「アイコさん。あなたは、この家で女王のように振る舞い、私をいじめてきました。そして、キョーヘー様の信頼を、裏切った」

 私は、彼女に言い放つ。彼女は、何も言い返せない。

 キョーヘー様は、冷静な声で、アイコさんに告げた。

「母さん。僕は、君を許すことはできない。君は、僕の妻を傷つけ、僕の最も大切なものを裏切った。今すぐ、この家を出て行ってくれ」

 その言葉は、アイコさんにとって、死刑宣告にも等しかっただろう。彼女は、信じられないという顔で、キョーヘー様を見た。

「キョーヘー……あなた、何を言っているの⁉私はあなたの母親よ!この私を、追い出すつもり⁉」

「そうだ。君は、もうこの家にいる資格はない。君が手を出した財産は、全額、僕が君の口座から回収する。そして、君には、この家を出る以外に選択肢はない」

 キョーヘー様は、冷酷なまでに、決断を下した。彼の目は、もう母親としてではなく、裏切り者としてアイコさんを見ている。

「そんな……私は、どこへ行けばいいの……」

 アイコさんは、座り込み、泣き始めた。しかし、その涙に、私とキョーヘー様は、もう騙されない。

「君には、君名義の小さなマンションがあるだろう。そこへ行きなさい」

 キョーヘー様は、冷たく言い放つ。彼は、既にアイコさんの財産についても、全て把握していたのだ。

 アイコさんは、立ち上がり、憎しみに満ちた顔で私を見た。

「ユリネ‼この女が、私を追い出したんだ‼私は、絶対にあなたを許さないからな‼」

 彼女は、そう叫び、リビングを飛び出していった。その姿は、女王の威厳など、かけらもない、ただの惨めな女だった。

 使用人たちが、異変に気づき、静かに集まってくる。キョーヘー様は、彼らに、アイコさんを家から出すよう指示した。

「今夜、母は出て行く。彼女の荷物は、明日、全て処分する。二度と、この敷居を跨ぐことはない」

 キョーヘー様の言葉は、この家の新しいルールとなった。使用人たちは、驚きながらも、恭しくキョーヘー様に頭を下げた。彼らにとっても、アイコさんの存在は、重荷だったのかもしれない。

 アイコさんは、運転手に連れられ、夜の闇の中へ消えていった。

 リビングには、私とキョーヘー様だけが残された。

 彼は、私を優しく抱きしめ、囁いた。

「もう大丈夫だ、ユリネ。君は、この家の本当の妻だ。これからは、二人で、幸せになろう」

 私は、彼の胸の中で、静かに泣いた。それは、二年間耐え続けた苦しみからの解放と、キョーヘー様の愛を、改めて感じた喜びの涙だった。
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